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【漫画】ファイブスター物語の音楽ネタ【プレイリスト】

ファイブスター物語(以下、FSSと略します)の音楽ネタ(作中の様々な名称、キャラの外見のモデルなどなど)と作者の永野護先生が言及していたバンドやミュージシャンのSpotify Playlistを作ってみました。
(おそらくこれでは...と、憶測で入れてる物もあります)
まだまだ知らないだけで他にもあると思うので、今後も追加していきたいと思います。


このリストの最初に入れたYesはFSSのファンの人には説明不要と思いますが、レコードジャケットを多く担当したロジャー・ディーンのアートワークも必見。
カバー・アートから聴こえてくる音楽 ― ロジャー・ディーン(Roger Dean)
Roger Dean discogs(visual)

代表曲 「Roundabout」

↓このアルバムのロジャー・ディーンのカバーは特にすごいですね。


運命の三女神の元になった「The Three Fates」はエマーソン・レイク・アンド・パーマーの1stアルバムEmerson, Lake & Palmerに収録されています。

↓は永野先生も影響を受けたと思われるとH・R・ギーガーがジャッケット描いたアルバムBrain Salad Surgery/恐怖の頭脳改革。
バンドが立ち上げたマンティコア・レコードから発売されました。
うっすらと陰茎が描かれていますが、初期の設定では男性器/女性器の意匠が施されていたナイトオフゴールドに通じるものがあるかも。


この記事の見出し画像は永野先生が何度もフェイバリットに名前を挙げているAmon Düül II(アモン・デュール・ツヴァイ)の1971年の3rdアルバムTanz Der Lemmingeの裏ジャケです。
代表作としては2ndアルバムのYetiを挙げられる事が多いです。
メンバーにファルク・U・ログナーやヨーン・バインツェルがいてFSSの主要登場人物の名前にまんま使われています。
カーレル・クリサリスの名前も、メンバーのChris Karrerが元ネタみたいです。
ドラムのPeter Leopoldはレオパルト・クリサリスの元ネタでしょうか。
ボーカルのRenate Knaupは愛称のクレイテンシュバンツ(Krotenschwanz)も添えてクレジットされてる事が多いです。
ちなみにこちらのログナーさん(Falk Ulrich Rogner)は画家である弟のFred Jürgen Rognerと共にバンドのレコードジャケットのアートワークも手掛けていてそのどれもが素晴らしく永野先生のビジュアル面のルーツになってると思います。
兄が二重露光を使った写真、弟がペインティング/レタリングを担当していたみたいです。
Discogs_Falk-Ulrich Rogner(visual)
Amon Düül IIの前身というかイデオロギーの理由で分裂する前のAmon Düülはどうだったかというと、トリップ状態の即興演奏で鳴らされる混沌とした音と思い切ったエフェクトが高く評価されていてPsychedelic Undergroundは名盤と呼ばれています。
↓このUtopiaという名義でリリースされたアルバムは、Amon Düül IIのメンバーのローターマイトが中心となった実質Amon Düül IIのサイドプロジェクト的なバンドの音源で、こちらも永野先生もフェイバリットに挙げていました。


永野先生の言及も多いジャーマンロックバンドというえばNeu!
後のバンドへの影響はクラフトワークやCANと並ぶというかポストロック以降だと一番名前を聞くかも。
再結成とかアウトテイクスとか色々ありますが71年に結成して75年の解散までにリリースされたアルバムは三枚あって永野先生は特に最後のNeu! '75をフェイバリットに挙げています。
このアルバムはA面とB面で方向性が違ってB面のビートは直接的にロンドンパンクロックやその後のポストパンク勢に影響を与えたと言われています(セックスピストルズのジョニーロットンはジャーマンロック好き)


KraftwerkのThe Robot(ロボット)の独語Ver.はDie Roboterとなります。
パンツァー・カンプフ・ロボーターのロボーターの部分は多少掛かってるかも?


永野先生が好きなバンドいうとNew Orderですが、音源が多くてどれから聴けばいいのか迷う方は前身となるJoy Division(ジョイディビジョン)を引きずってる状態から名曲「Blue Monday」に辿り着くまでの流れが一番面白いのでコンピレーションアルバムのSubstanceをまず聴くのが良いと思います。

Joy Divisionも暗く硬質なパンクロックから流麗なシンセがリードするLove Will Tear Us Apartが生まれるまでが分かるコンピのSubstanceが良いかなと思います。


プログレだとKing Crimsonの曲名やアルバム名が由来と思われる物も多いです。
スターレス(ログナーの異名)、ムーンチャイルド(エトラムル)、Dr.ダイアモンド(ダイアモンド・ニュートラル)、グルーン(グルーン・エルダグライン)、スラック(AP騎士団スラック隊)
メンバーのイアン・マクドナルドはフール・フォー・ザ・シティで名前をそのまま使われていますね。
GroonはシングルB面で発表された曲ですが、このスタジオ録音より長い間再発を禁じられていたライブ盤のEarthboundのラストトラックの強烈な演奏が有名。

2ndアルバムの邦題「ポセイドンのめざめ」に収録されているタイトルトラックのIN THE WAKE OF POSEIDON (including Libra's Theme) は、
dip in the poolのボーカルでありモデルでもある甲田益也子さんが出演したANAのCMに使われています。


フランスのプログレッシブロックバンドAtollの代表作「L'araignee-Mal」
邦題は夢魔。
原題を直訳すると邪悪な蜘蛛で、バンドとしてはシュルレアリスティックな意図を込めて込めてそうな気もしますが、ジャケットのアートワークを制作した人は直球で表現していますね。
FSSのジョーカー太陽星団外のクリーチャーぽくも見える、かもしれない。


光のタイ・フォンの名前の元ネタ(かもしれない)フランスのプログレッシブロックバンドTaï Phongの1stアルバムのジャケら白地にメカメカしい鎧武者の線画でFSSのファンは気になるデザイン。


「黄金の電気騎士」はT-REXのアルバムの邦題「電気の武者」を連想しますね。

PROCOL HARUM - A Whiter Shade Of Pale
邦題は「青い影」
作中ではウモス国家社会主義共和国の貿易都市プロロコハルムと、そこを拠点とする青い影として名前を拝借されています。


Finitribeは本当はこの曲Disturb(ディスターブ)をプレイリストに入れたかったですね。
Ministryのリリースでお馴染みシカゴのElectronic Body Music(EBM)/Industrial Rock系を代表するレーベルWAX TRAXから。
この人達はPost-Punk→Post Industrial→EBM→technoと、どんどんスタイルを変えて行きました。
87年にCanの I Want Moreのカバーシングルをリリースしてます。
テクノのルーツとしてのジャーマンロック再評価よりずっと前の時期にこの選曲は渋い。
この辺りのジャンルは私も好きですが、Finitribeはさほど知名度やカルト的な人気があるわけでなく永野先生くらいFinitribeの事を好きと言ってる人は他に見かけた事がありません。


SPKのこのアルバムはSpotifyには無かったのですが、永野先生が作曲から演奏まで手掛けたCDアルバム「THE FIVE STAR STORIES」(1990年作)を制作していた時期によくインタビューなどで発言されてたNoise Industrial Music(ノイズインダストリアルミュージック)というワードを踏まえると金属音とノイズ音が渦巻く初期の頃の音に一番インスパイアされてるのかなと思います。
Dark Ambient的なアルバムZamia Lehmanniの音もFSSに合うと思います。
↓の写真は女性ボーカルのシーナンを迎えてエレポップ的なアプローチをしていた頃のライブ写真。

SPK
SPK


Spotifyのプレイリストでは SWANSの曲として表示されていますが
SwansのMichael GiraJarboe(現在は脱退)のサイドプロジェクトのSKIN(もしくはWorld Of Skin)のアルバムをフェイバリットに挙げておられます。初登場の時に蛇を持っていたのもこのアルバムの裏ジャケの写真から。

本体の SWANSも勿論おすすめです。
1987年リリースのアルバムChildren of GodはJarboeさん含めて壮絶なライブをこなしてきた黄金期と言えるメンバーで制作されてギラさんもこれが転換期となった作品と言っています。
収録曲のMVがYouTubeにありました。


細野晴臣さんの1989年の名作アルバムOmni Sight Seeing収録のAndaduraは川村万梨阿さんもコーラスで参加されていて良い曲なんですが配信では他参加ミュージシャンの権利関係で聴くことが出来ないようで残念です。
CDを探してみましょう。

Spotifyのプレイリストには入れていませんがFSSの世界で実際に鳴らされた曲としてチャイコフスキーの花のワルツとワーグナーのワルキューレの騎行がありましたね。


あと、憶測で何曲か入れてます。
全然違ってたらすみません。

FSSの作中に出てくるクルップはドイツの重工業企業のクルップ社が元ネタで、バンドの方のDie Kruppsは関係はしていないかもしれません。
日本だと音楽評論家の阿木譲氏が歌詞の翻訳をした「真の労働/真の報酬」が特に有名。

オーストリア出身NY拠点のインダストリアルロックの元祖の1人Jim Foetusが1984年にリリースした12インチでCalamity Crushという作品があるのですが、FSSの作中の惑星カラミティとは響きが同じなだけで関係あるかはどうかは分かりません。
この頃のフィータスの音は細野晴臣さんも影響を受けたという話があります。

ファティマ蘭丸(別名orchid)
蘭の英名がオーキッドですが語源は古代ギリシャ語の睾丸らしく、永野先生もキャラクターズなどで名前を出していたPsychic TVの2ndアルバム収録曲The Orchidsも睾丸(精液)の隠語(あとorchidectomy=睾丸摘出術も掛けてる)としてこの曲名に使ってるそうで、もしかすると蘭丸も同じような含みがあるかもしれません。

Sparksはスパークの名前の元かどうかはわからないけどグラムロックからニューウェイヴの流れの中では重要なバンドで、多くのミュージシャンからリスペクトされています。
動画はディスコプロデューサーのジョルジオ・モロダーを迎えて78年にレコーディングされた代表作と言われるアルバムから。
ニューオーダーの「Blue Monday」はジョルジオ・モロダーがプロデュースしたドナ・サマーの曲など参考にしていますが、このアルバムも参照していると思われます。
この人達もどんどんスタイルを変えて行きます。


Cosmic Jokers
アシュ・ラ・テンペルマニュエル・ゲッチングクラウス・シュルツェ(ミラージュというアルバムがあります)も参加した70年代ドイツのトリッピーなセッションプロジェクト。
これも永野先生の言葉でジョーカー太陽星団の名前の元になったとは語られてないので実際関係あるかは不明。
音に関しては正直なところ、面白さはあるけどリーダー格が集ったらスーパーバンドに有りがちな1+1が2ではなく0.9になってる状態で、ジャーマンロックが好きでもCosmic Jokersが特に好きという人は見た事ないかも。


MHアシュラ テンプルの名前の元ネタとなったアシュ・ラ・テンペルに関して。
(この辺りのジャーマンロック系の日本語表記には永野先生は色々思うところあるようですが)
マニュエル・ゲッチング
の音楽キャリアとしてはAsh Ra Tempelの時代よりソロ名義となったInventions for Electric Guitar(副題はAsh Ra Tempel VI)やE2-E4Ash RaとしてリリースされたNew Age of Earthがテクノのルーツとして評価されて有名です。
Ash Ra Tempelという、英語の灰、古代エジプトの太陽神、ドイツ語での寺院を組み合わせたグループ名は地球上の複数の文化や時代を組み合わせて作られるFSSの世界観に通ずるものがあります。


「ミラージュ」はフランスの戦闘機かグレコのエレキギターか、Camelの2ndアルバムからインスパイアされたかもしれませんが、タンジェリン・ドリームの初期のドラマーでもあったクラウス・シュルツェの深遠なシンセサウンドはFSSのBGMにぴったりだと思います。
ミラージュの他、Timewind、X、オルガンをメインに使った1stアルバムのIrrlichtなどのアルバムが特に知られています。
↓シンセに囲まれた77年のライブ映像です。
クラウス・シュルツェの見た目もFSSの世界の王子のような。

ちなみに、クラウス・シュルツェは日本のバンドFar East Family Band(喜多郎が在籍していた)のアルバムPARALLEL WORLDのプロデュースもしています。
クラウス・シュルツェは元々ドラマーでしたが同じくドイツのバンドPopol Vuhからシンセサイザーを譲られてソロ活動が始まったそうです。
ちなみにシンセサイザーのはイデオロギー的な理由らしく、Popol Vuhは生楽器主体になりましたがこの時期も人気があります。
途中、Amon Düül IIから離脱したメンバーが合流していた時期もあります。
ヴェルナー・ヘルツォーク監督のサントラ仕事で有名です。
1970年の1stアルバムの邦題は原始帰母。
ピンクフロイドの原子心母みたいな。
↓は初期の即興演奏動画。


MHの名前でお馴染みフェードラ、ルビコン、ツァイト。特にルビコンはジャケも合わせて素晴らしくTangerine Dreamの代表作と言われています。

中心人物だったEdgar FroeseのソロアルバムAquaも名盤と呼ばれています。


Canの73年のアルバムFuture Daysはバンドのディスコグラフィーの中でも最高傑作と呼ばれていて日本人ボーカリストのダモ鈴木さんが参加した最後の音源でもあります。
収録曲のMoonShakeはVitaminCやI Want Moreなどと並ぶファンに人気曲です。
ジャケットの中央には大きくギリシャ文字のΨ(Psi)があり、下には易経の六十四卦の鼎が、その周りをドイツ版のアール・ヌーヴォーとも呼ばれるユーゲントシュティール的な意匠が囲んでいます。
なんだかこの各国の文化の混ざり合ったアートもFSSを感じますね。
そしてこの中央の、三叉戟にも燭台にも見えるΨですが、コーラス王朝のシンボルマークに見えるという説も見かけた事があります。
確かに気付かなかったけど似てる。

Can - Future Days
コーラス王朝のシンボルマーク

CanのベーシストHolger Czukayはバンド解散後にリリースした名曲Persian Loveが有名ですが、
エンジニアのRolf Dammersと共にTechnical Space Composer's Crew という名義でリリースしたCanaxis 5というアルバムがあり、こちらもテープコラージュの手法で作られた、アンビエントやサンプリングミュージックの先駆けとも呼ばれる作品で素晴らしいです。
テープコラージュ/音響操作の手法は現代音楽家のシュトックハウゼンの門下生の時に習得したそうです。

CanのキーボーディストのIrmin Schmidtもシュトックハウゼンの門下生でした。ロックと現代音楽が直接繋がっているバンドというとThe Velvet Undergroundを連想しますがIrmin Schmidtは68年にNYでライブを観ている様で1stアルバムMonster Movieの20分ある曲father cannot yellにその影響が表れてると言われています。
初期の3枚のアルバムはSchloss Nörvenichという名のお城をレコーディングスタジオと使っています。
エントランスの残響音が効果的だったそうですが先に住んできた彫刻家からうるさくて眠れないと言われ、ここから移り廃映画館をスタジオにしました。

Soundtracksの内ジャケ


因みに蛇足になりますが70年代の前衛的なジャーマンロック(ジャーマンプログレッシブ/クラウトロック)関連で使われる用語の
Berlin Schoolは後のアンビエントなどのシンセサイザー音楽の祖となるTangerine Dream、Klaus Schulze、Manuel Gottschingなど、
Düsseldorf Schoolはリズムを重視したCan、Cluster、Kraftwerk、Neu!などのバンドを指して使われているそうです。
70年代当時の活動拠点からですが、最近では音楽ジャンル用語的に使われる場面もあるようです。
あとクラウトロック(ドイツの大衆食材のザワークラウト:酢漬キャベツから)という言葉は元々小馬鹿にしたニュアンスで使われたので嫌がってる人もいるとか。

旧設定のモーターヘッドの綴りはMortar Headdで、バンドのモーターヘッド(Motörhead)とは違うのですがエルガイムのロボットの名称ヘビーメタルを踏まえてもインスパイアはここからされたとのではないかと。
ちなみにMotörheadのバンド名は、元々はバンドの中心メンバーのベーシストのレミーが所属していたHawkwindの曲名から。


フール・フォー・ザ・シティの世界に出てくる人型破壊用ロボットのベオグライドの別名メカニックデストロイドコマンダーの元ネタは、フランスのプログレッシブロックバンドのMagmaの代表作となる73年のアルバムMekanïk Destruktïw Kommandöh(邦題:呪われし地球人たちへ)かもという説を音楽ライターの糸田屯さんがツイートされていました。
そこに気付くのは凄い。


Mel Schacher
Grand Funk Railroadのベーシスト。
見た目は全然違いますがFSSのメル・サッチャーの名前の元ネタ。
動画はリトル・エヴァが歌った名曲ロコモーションのカバー。


永野先生の愛称クリスはYESのベーシストのクリス・スクワイアからという事でFSSのファンには一番有名なミュージシャン。

クリス・スクワイア

さらにハードロックのレジェンド、Led Zeppelinロバート・プラントDeep Purpleイアン・ギランといった長身のボーカリストはFSSの特に男性の騎士のイメージの雛形になってますね。

ロバート・プラント
イアン・ギラン

Emerson,Lake&Palmerのキーボーディストのキース・エマーソンはログナーの外見のモデルでもあるようです。

キース・エマーソン

フール・フォー・ザ・シティのログナーの片腕ソーニャ・カーリンはAmon Duul IIのボーカルのレナーテ・クナウプのイメージが重ねてあるように見えますが如何でしょうか。

レナーテ・クナウプ(写真の真ん中にいる方)

でもソーニャの名前からすると英国のフォーク色の強いプログレバンドのCurved Airのボーカル、ソーニャ・クリスティーナかも。
Curved Airはポリス結成以前にスチュワート・コープランドがドラムを叩いていたバンドです。


Edgar Winter

エルガイムのポセイダル、そしてFSSの天照のモデルになったアルビノのキーボーディスト

エドガー・ウィンター

Klaus Nomi
ポエシェ・ノーミンとバーグル・デ・ライツァー(シャフト)の外見のモデル。
顔や髪型だけではなくファッションやニューウェイヴのミュージシャンの中でも特に奇抜な存在感はFSSのキャラクターデザイン全体に影響があるように見えますね。

クラウス・ノミ(写真の中心の方)


イタリアのロックバンドPooh(I Pooh)のベーシスト、レッド・カンツィアンはFSSの中でも屈指の美形キャラと個人的に思ってるフィルモアの騎士ブルーノ・カンツィアンのモデルでしたよね確か。

レッド・カンツィアン


ラキシスのモデル、Patricia Ann Boyd(パトリシア・アン・ボイド/パティ・ボイド)
ファッションモデルでジョージ・ハリスンの結婚相手になるも離婚し、後にエリック・クラプトンとも結婚していた時期もあった。他、当時のロックミュージックとの交友関係多数。
可愛らしい人でファティマスーツではない時のラキシスのイメージですね。

パティ・ボイド
パティ・ボイド


デコース・ワイズメルのモデル、イギリスのグラムロックバンドSladeのギタリストDave Hill
トレードマークの妙に短い前髪がなんだかかわいい。

デイヴ・ヒル


AP騎士団スバース隊の隊長マイケル・ジョーイ・ギラのモデル、SWANSの中心人物のMichael Gira
Post-Punkから出発しつつも超重量級の音で80年代以降のデスメタル/ノイズハードコア/インダストリアルなどヘビーな音楽全般に大きな影響を与えたバンド。
SWANSは休止期間を挟みつつ現在も活動中。

そしてヤーボ・ビートのモデルのSWANSにいた頃のJarboeさん。
元々音楽ライターで1986年頃からSWANSにキーボードやボーカルで参加。荒涼としたバンドの音に官能的な奥行きをもたらしました。
現在もソロで活動中です。


マヨール・レーベンハイトのモデルはMarilyn MansonのベーシストだったTwiggy Ramirezですよね。特にアルバムMechanical Animalsを出した頃の。

それとこれも憶測ですが、チャンダナやフールフォーザシティのアラニアといったインド系の女性キャラは
イギリスのバンド、モンスーンのボーカルのシーラ・チャンドラのイメージがあるような気がします(違ってたらすみません)

シーラ・チャンドラ


永野先生が衣装をデザインしたZガンダムのヤザンは映画デューン/砂の惑星(デイヴィッド・リンチ監督)出演時のスティングがモデルみたいですね。
胸の亀のタトゥーは当時発売されたソロアルバムの「The Dream of the Blue Turtles」にちなんだ衣装デザイン画の落書きからだとか。

元々スティングが在籍していたバンドのThe Policeはメンバー三人とも手練れのミュージシャンだっのですが戦略的に怒れる若者のパンクバンドのイメージでデビュー。
セカンドアルバムにも収録されたMessage in a Bottleが世界的なヒット。レゲエを取り入れた音楽性を高く評価されてパンクのイメージはあっさり取り下げます。
3rdアルバムの「ゼニヤッタ・モンダッタ」はバラしてAP騎士団の騎士に名前が使われていますね。
ちなみにこのアルバムに収録されているDe Do Do Do, De Da Da Daは日本語Ver.もあり脱力系洋楽曲としても知られています。
永野先生の音楽趣味の、特に80年代に関してはプログレ人脈の職人の技が詰まったポップ/ハードロックか、インダストリアルや金属的なニューウェイヴとなんだか両極端なんですがThe Policeはちょうどその間を繋ぐ感じでしょうか。


結構昔ですが休載期間中にNT本誌で永野先生が好きなレコードを紹介する企画があって床に並べた物の中に、Danielle DaxのInky Bloatersもありました(確か...)
ちなにカバーアートはホリー・ワーバートン。

元々Lemon Kittensというアートパンクバンドのメンバーでしたが、ソロになってからはこれぞニューウェイヴといった音になりました。
この方はスージー・アンド・ザ・バンシーズのスージー様とバージンプリューンズを足して割らず、さらにペイガン志向にしたビジュアルショックな佇まいをされていました。

あと、その企画の写真の中に
日本のバンドの外道もあったはずです。
このジャケ。

ライブには暴走族が集まっていたというので日本初のバイカーズロックかもしれない。


好きなアルバム紹介の企画でこちらも挙げていらっしゃいましたね。伝説のオウガバトル

蛇足ですが、Dungeon Synth(ダンジョンシンセ)というアンビエント寄りのブラックメタルとヴェイパーウェイヴが合わさったニッチなサブジャンルがあって、端的に言うとRPGのBGMをローファイな音質で鳴らしたような内容で、読み物しながら鳴らす音楽として結構良いかもしれません。


The Damned
– Phantasmagoria
ロンドンの三大パンクロックバンドとも呼ばれるダムドの85年にリリースされた6枚目のアルバム。
この頃はメンバーが入れ替わりもありボーカルのデイヴ・ヴァニアンのゴシック趣味が全開になっています。
こちらもNT本誌の企画でフェイバリットに挙げていらしたのでFSSの作中の「ファンタスマゴリア」はここからかも。

David Vanian


ニューウェイヴ方面の話題だとミラージュ騎士のキュキィ(キュキィ・ザンダ・理津子)のファッションについてArt of NoiseDepeche Modeの名前を出されています。
これも含めてReboot♯4は永野先生の音楽カルチャーに関する解説を沢山読めます。

ザンダシティに潜むRave Music
The Shamen – L.S.I. (Love Sex Intelligence)
クラーケンベールが着ていた「己」もシェイメンのレコードジャケットから。
The Orb - U.F.Orb
Age Of Love – The Age Of Love

The Prodigy - Hyperspeed

Play It Again Sam RecordsからリリースしていたEBM系ユニットのClick Clickもザンダシティのどこかに落書きが書かれている様ですが見つけられない...

↓機材系を除く音楽ネタも。
他にも沢山潜んでいると思います。

WAX TRAX
シカゴのEBM/Industrial Rock系を代表するレーベルWAX TRAX
Finitribe、MINSTRYやそのサイドプロジェクトのRevolting Cocksのリリースの他、UKやヨーロッパの音源のライセンス販売などをしていました。



パイドパイパー
ハーメルンの笛吹き男の事ですが、おそらく南青山にあったレコードショップのパイドパイパーハウスから。

フィルモア
60年代のサンフランシスコのライブハウスのFillmore(フィルモア・オーディトリアム/フィルモア・イースト)
もしくは現在、下北沢から鎌倉にて移転した60年代70年代のサイケデリックロックのLPを扱うレコード店フィルモアレコードから。


誰かがYouTubeにアップしてくれた永野先生作曲演奏のCDアルバム「THE FIVE STAR STORIES」の制作の様子と香港で催されたイベントに出演された時の貴重過ぎるミニドキュメンタリー。
なんて、ありがたい...
MAMORU NAGANO IN 3159 MAKING OF THE BABY SITTER

こちらの動画はアルバム収録曲がだいたい全曲聴けますが
冒頭から流れる「thirtyone-fiftynine Noise - Stand - Flame Days」は、
SPKのダークアンビエントアルバムZamia LehmanniやCurrent 93の初期のオカルティックなコラージュサウンド、サンプリングによる金属音にFini Tribeの12インチシングルMake It Internalの影響があるのかなと感じました。アルバムで一番好きな曲です。
「Eal, El, L,」はビート感や反復するストリングスに、永野先生が何度もフェイバリットに挙げてるNew Orderの、特に1stアルバムの前後のシングルを連想しました。「Procession」とか。
「“Sylbis” you beautiful」はこれも永野先生がフェイバリットに挙げていたLaibachの代表作「Nova Akropola」と SWANSの特に初期から80年代中盤辺りの激重のリズムからの流れを感じました。
永野先生入魂のベースは上記のバンドにはない破壊的だけどウネるグルーヴで、さすがハードロック育ち。



The Five Star Stories official Site


永野護 wikipedia

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