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葬儀は誰のためのもの?

火葬の日は まだ暑いけれど空気は秋の 心地よい風の吹く日でした。

支払いなど手続きがあるのと、早めに行くと面会ができると聞いたので 朝から夫をせっつき、

お花屋さんに寄ってあの子に似合いそうなお花を買い、どうぶつ病院のDr.が亡くなった日に送ってくれたお花のアレンジメントとプリンターで出力してフレームに入れた愛猫の写真、お棺に入れるカリカリを持って車で向かいました。

(首輪も入れてあげたかったけど、溶けてお骨にくっつくのでプラスチックや化繊のものはNGでした)

何となく(亡くなる前は)一緒の車で行くものだと思っていたので変な感じ。
ちょうどこの日はお彼岸で、ペットの火葬・葬儀・合祀などをしているお寺はお参りのご家族で賑わっていました。
みんなが参列できるお彼岸の法要が行われるようでした。


夜に亡くなって、翌日の昼前には遺体を霊安室に預けたので あっというまの別れになり
それから葬儀を頼んだ週末までの数日間はとても辛かった。

家のどこを見ても思い出があって、ふわふわの毛並みが触れないことが寂しくて似たような感触のものを探して毛布を抱いて撫でたりしていました。

ネットで調べると、本物の猫に近いというぬいぐるみがあると知り 葬儀後お店に見に行こうと予定を組んだり。
お棺に入れる手紙も書きました。


お寺に到着して受付を済ませ、アップグレードするお棺(カゴ)を購入して体を移してあげ、持ってきたお花やフードを一緒に入れてあげる。
体は傷まずキレイなままでした。

(独特の匂いはしました。祖母が亡くなった時と同じだと思い出しました。体内が傷みはじめている匂いだと思います。
体にかけてあげていたフカフカの部屋着を持って帰ってどう除菌しようかと考えましたが、匂いが取れなさそうなので持って帰ってすぐに処分しました。)


火葬待合 → 火葬(炉の前でお別れ、火葬が始まってからお経をその場で唱えてくれる) → 火葬待合で待つ(あいだに柄入りの骨壺や遺骨キーホルダーやペンダントを購入したり、位牌の注文もできる) → 焼き終わったら炉の前で収骨(ペンダントに分骨) → 葬儀待合 → 葬儀・初七日読経(夫の希望で初七日もやりました。追加料金)

パンフレットでは個室の待合室と書いてあったけどどの待合も他の家族のテーブルが少し離れた衝立の向こうにありました。

うちの子は闘病で痩せてしまっていて最期は骨と皮みたいな感じだったので早いだろうな30分くらいかな、と思っていたらやはり40分程で呼ばれ、
その時はもう骨は冷めて係の方がきれいに並べてくれていて、説明を受けながら足の骨から順番に入れていきました。
(さすが色々なペットの火葬に慣れているだけあってキレイにお骨が残っていました)

直径がわりとある中くらいの遺骨キーホルダーを購入したのでしっぽの先の骨をいくつか入れて、私のショルダーバッグの金具につけました。

その後は葬儀場へ。
納骨ロッカー(ペットだけのも、家族と一緒に入れるのもある)が並んだお堂に順番を待って案内され、若くて素敵な声のお坊様が 写真と骨壷と遺骨キーホルダーを前に 葬儀と初七日のお経をあげてくれました。

写真を見て毛皮を褒めてくれ、17歳は人間でいうと90才近い大往生ですね。と。

終わったら、合祀したり納骨棚に2年まで預けることができるそうですが
うちはまた引っ越すかもしれないし、老後は田舎に帰るので膝に骨壷を抱いて連れて帰りました。


帰る前に、ちょうどその日はお彼岸で 宗派が実家と同じだったので 亡き父の分もお堂にお参りしました。

また 49日過ぎて、心が落ち着いたら白木の仮位牌を返しにいらっしゃいということで

『(本)位牌というものはいるのかねぇ? 』というのが
最近のうちの懸案事項なんですけど
(友人・知人の家でペットのものは見たことない、SNSでも大体骨壷までの方が多い印象)

火葬場で見た位牌の見本はどれも高級で、
亡くなったペットに似せて作ってくれるというぬいぐるみもあったのですがそちらもなかなかのお値段でした。

お棺をダンボールからカゴにアップグレードして、初七日もしたのがうちがした課金( )でしたが
一緒に入れるお花も、お寺で買うと高かったので 自分たちで買って行ってよかったな。動物病院の先生もお花ありがとう。と思いました。

(骨壷やキーホルダーはそんなに高くなかったです。)


全て終わって、家に帰って来たら
昨日まですごく悲しくて苦しかったのが
うそのように気持ちが楽になっていました。

気持ちに区切りをつけられて
また (お骨だけど)手元に戻ってきて
ずっと一緒だよ。
と、思えるからでしょうか。


お葬式は 残されたもののため
というのは本当だな、と思ったのでした。


(でも、こうやって思い出して文章にまとめたり、
誰かに話そうとすると涙が出てきてしまいます。)


(写真はうちの子たちに似ているなと買ってあった某紅茶屋さんのマスコット。遺骨キーホルダーと一緒にカバンにつけています)

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