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残された猫は...

臨終が近いきょうだい猫が寝こんでいるとき
もう1匹はあまり特別な反応をしていなかったのですが、

遺体が預けられていなくなった後、
何度か亡くなる前に寝かせていた場所に行って
クンクンして
『いないなぁ...』
みたいな顔をしていました。


『いないねぇ。
  あの子はお星様になっちゃったんだよ。』


と 写真立てを見せると (お寺に持って行くといいかな、とプリンターで出力した可愛い写真)

『なんで!!   こんなところにおるん!!??』

とすごい衝撃を受けたような顔で
じっと写真を見ていました。
サイズが小さいので本物じゃないけど
あの子であることは分かっている感じでした。

その後も何回か
お迎えの車が来る直前に寝かせていた玄関に行って
『いないなぁ、匂いするのになあ』
とクンクンしていました。


お迎えが来る前、玄関に寝かせる前に
バスタオルごとだっこして家の中を思い出を話しながら一周ぐるっと周り、もう一匹と最後のあいさつをさせてあげました。
その時はあっさりしていたから、帰ってこないだけでまだどこかにいると思ってるのかな。



私は、火葬するまでの日々がとてもつらく

手元にいなくて触れないのに
家のどこを見ても思い出と、
もういないということが胸を締め付けて

本物に手触りが似ているという
ぬいぐるみを買おうかな、とか
旅に出る とか
引っ越して思い出がない新しい家に住む とかどうだろう、と考えたりしていました。


ても ちょうどそのころ見かけた獣医さんのコラムで
残された猫も、いつもいた存在の不在によるストレスがあるので気にかけてあげないといけない、
ということを読み 思い直しました。
(もう1匹はのんびりマイペースでそんな風には見えなかったけどね)


彼らは今までも何度も引っ越しについてきてくれて
ストレスも少なからずあったと思います。
それでも毎回すぐに馴染んで 私たちを癒し
家の中を温かくにぎやかにしてくれました。


夫は日常でもすぐに
一緒に出かけたいようなことを言いますが
(夏にペットカートで観光できる施設に行きたがり、暑くて地面に近いカートなんか無理だよという私と
意見が割れて結局旅行自体をやめたことがありました。うちの子たち可愛いから見せびらかしたいんだと思う。小学生か。)

彼らの心地よい場所はぜったいにおうちの中、ベッドの中だと思うので このままのんびりゆったりお昼寝ざんまいな日々を過ごさせてあげるのが私たちができること。

願わくは 別れのその時まで
彼が痛いこと辛いこと不自由なことがなくいられますように。

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