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20-21前半戦個人評価~MF・FW編~

 

あけましておめでとうございます。激動の2020年を終え、2021年がスタートしました。サッカーに目を向けると、ちょうどリーグ戦は折り返しで、いよいよ後半戦がはじまります。前半戦のレスターはけが人が相次ぐなど、トラブルも少なくありませんでしたが、ジャスティンやフォファナなど若手の覚醒、フックスやオルブライトンなどベテランの奮起など総力戦で、首位と勝ち点4差の3位に位置しています。フォーメーションも5バックをメインに採用しました。そんな素晴らしいシーズンの前半戦の個人評価をしていきます。一応点数はつけていますが、あくまでそれは参考程度に、どういった選手なのか、どんな効果をチームにもたらしているかなどを中心に話していきます。そして、個人的MVPも選出しました。ぜひ最後までご覧ください

※採点していない選手も何人かいます。カップ戦は追えていないので、PLの出来で採点しています。出場数などは16節のパレス戦までです。今回はMF・FWの選手を評価します。

GK・DF編をご覧になっていない方は、ぜひこちらからご覧ください↑↑↑


MF

7 デマーリ グレイ

ー(1試合出場0得点0アシスト)


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8 ユーリ ティーレマンス

10点 個人的MVP(16試合出場3得点0アシスト)

 中盤で攻守においてチームを支えるプレーメーカー。本当にうまくて頼もしい選手なのでMVPに選出した。攻撃では、CBからボールを受け、素早くターンしたり、ワンタッチで別の選手にはたいたりしてリズムを作る。常に顔を出して、プレスがはまりかけてもティーレマンスにあずければ、回避してくれるし、彼のところで時間を作って他の選手が次の動きをする余裕も生まれる。そして、アーセナル戦やリーズ戦のように、そこが見えてるのかと驚くような1本のパスで、一気にチャンスを演出することができる。得点に直接関与するシーンは少ないが、アシストのアシストができたり、ボールを前に運ぶことに大きく貢献できる選手。後ろからじっくり攻撃を作る時も、前にスペースがあってスピーディーに攻撃を完結させたい時も、彼の力が必要不可欠だ。

彼の魅力は、守備面でも強さとうまさを発揮できるところ。一見、守備はもろそうなイメージもあるかもしれないが、相手が少し力を抜いたタイミングで、相手の懐にすっと体を入れてボールを奪うのがうまい。相手が足元から少しボールが離れているときに、相手の死角から足を出してボールをつつくのもうまい。シティ戦で、終盤にデブライネを弾き飛ばしてボールを奪い、一気に裏に走った選手にボールを送った(通ったかは覚えていないが...)シーンが、自分の中で結構記憶に残っていてとても頼もしかった。単純なスピードや機動力は優れているわけではないので、たまに届かずにファールになってしまうこともあるが、一生懸命戦っているのが伝わってきて好感を持てる。

全試合に出場し、攻守においてチームを陰で支えているMVPにふさわしい選手だと思う。パレス戦で分かったように、ティーレマンスがいないとボールの回りが遅いし単調になる。ヌディディの穴はメンディでカバーできたが、今のチームでティーレマンスの代わりになる選手はいないだろう。


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10 ジェームズ マディソン

7点(14試合出場3得点2アシスト)

 開幕はケガで間に合わなかったものの、3節のシティ戦で途中出場すると豪快なミドルシュートを決め、月間最優秀ゴールに選出された。序盤は途中出場がメインだったが、アーセナル戦以降は先発に定着した。ボールコントロールの柔らかさ・安定感、ファーストタッチのボールの置き所、味方の動きに合わせるスルーパス、相手の重心の逆に入るドリブルなどで見ている者を魅了する。こうした技術に加えて、強烈なシュートやコースを狙うシュートを両足で打てるシュートパターンの多さもある。守備も貪欲にできて、積極的に足を出したり、自分のところで失った後そのままボールを追いかけて奪い返したりする。特徴はあるものの、今季はややインパクトに欠ける。得点に絡むシーンが少なく、CKやFKから得点が取れていないのは彼に大きな責任がある。ボールに触るために降りて行き過ぎることで、本来彼がいなければいけないライン間に人がいなくて攻撃が完結せず、勝ち点を取りこぼす試合がある。能力に疑いはないものの、チームへの貢献度はそこまで高くないように見えるので、厳しめに7点とした。


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11 マーク オルブライトン

7点(10試合出場0得点0アシスト)

 献身的な守備が特徴のクロス職人。サイドで上下をアップダウンし、高い位置でボールをもらえば迷わずクロスを送る。今季はWBで起用される機会が多かったが、持ち前の献身的で賢い守備を生かし、しっかりとこなした。単純なスピードや対人の強さは、本職のライバルと比べると劣り、リバプール戦ではロバートソンに振り切られるシーンが目立ち失点に関与してしまった。それでも、インターセプトのうまさ、遅らせるかチャレンジするかの判断内側に絞る意識の高さなどでチームに貢献した。攻撃では、幅をとる役割をこなし、必要なタイミングで高い位置をとってくれた。シンプルなプレーを選ぶが、柔軟な発想から驚くようなプレーや、ゴール前に入っていく動きなどはほとんど見られず、また、得意のクロスからもアシストはなく、得点につながったのも2,3回しかなかったためこの得点にした。


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15 ハーヴィー バーンズ

9点(15試合出場5得点1アシスト)

チームの中心として活躍する下部組織出身のドリブラー。決定力が低いと言われるものの、チーム2位の5得点を記録していて、公式戦8得点はイングランド人のMFとして最多。直近2試合で決めたシュートのように、左足のシュートも打てるようになり難易度の高いシュートを決める反面、簡単なシュートや1対1の局面では外しがち。最大の武器は、推進力のあるドリブル。スペースがあるときのバーンズは躍動感にあふれ、相手は簡単に止められない。狭いスペースでボールを受けることは得意ではないが、背後のスペースにボールを呼び込む動きは得意。球離れが悪いわけではないが、味方がボールを呼ぶタイミングにパスを出さないことがあり、その結果攻撃が詰まってしまうことがある。味方とイメージを共有する能力や、簡単なシュートを確実に決める能力が向上すれば、よりスーパーなチームを引っ張る選手になれるだろう。


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19 ジェンキズ ウンデル

6点(6試合出場0得点2アシスト)

待望のカットインタイプの右WG。今季はジョーカー的な起用がほとんどで、アーセナル戦やリーズ戦では途中出場からバーディーにアシストを決めている。ローマ時代の出始めの時は、左足を使った細かいタッチで切れ味鋭いドリブルを何度も仕掛けていた印象があり、プレミアだとリーズのポベダのような印象があったが、レスターに来てからはまた違った印象を受けた。環境や相手のフィジカル的なレベルの違いもあるかもしれないが、そこまでドリブルをガンガン仕掛けるわけではない印象。しかし、背後にボールを呼び込んだり、中央に入って狭いスペースでコンビネーションしたりドリブル以外にできることが多い選手。右足も使えて思っていたより器用で、ウェストハムのボーウェンに近いのかもしれない。リーグ戦ではまだゴールはないが、ELや代表選では左足で質の高いゴールを決めているため、もう少し出番が増えれば得点も取れる選手になれるかもしれない。出番の少なさ、アシストを決めるなどインパクトのある活躍は見せるが、消える試合では消えていること、得点がないことを考慮して低めの点数にしたが、後半戦ではもっと期待できるだろう。


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20 ハムザ チョードゥリー

4点(3試合出場0得点0アシスト)

こちらも下部組織出身でバーンズと同い年のチョードゥリー。しかし、少しずつ成長しレギュラーとして活躍するバーンズとは裏腹に、こちらは伸び悩んでいる。昨シーズンから岡崎慎司が背負った20番を受け継ぎ、レギュラーに近づくかと思われたが、出場機会は減る一方。昨シーズンまではメンディと同じような序列だったが、今シーズンはメンディよりも序列は低く、中盤の選手の中では一番序列が低いかもしれない。球際の激しさが売りだが、激しすぎるあまり相手サポーターから批判を受けることも多い。足元の技術も低く、単純なパスがずれたりボールの置き所で選択肢を潰してしまったりする。視野が広かったり、ポジショニングが優れていたりするわけでもないので、攻撃面での貢献度は低い。4点という厳しい数字になっても仕方ない出来だ。


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24 ナンパリス メンディ

8点(14試合出場0得点1アシスト)

エンディディのCB起用や負傷によって出番を得た闘犬。もともとは昨季で契約が切れる予定だったが、オフの期間に契約を延長。この契約延長によってレスターは救われた。昨シーズンもエンディディの負傷期間があったが、そのときは調子を大きく崩し、彼がいないとチームが終わるとわかった。しかし、今季はメンディの存在によりその心配はなくなった。がつがつボールホルダーにアタックすることで、中盤でボールを刈り取ってくれる。ティーレマンスほどではないものの、相手のプレスをかわす能力も高く、カンテのように重心の低いドリブルでボールを運ぶこともできる。空中戦の強さや、長い手足を生かした届かないようなボールをマイボールにする能力はエンディディに見劣りするものの、ボールを回収する能力球際の激しさでは負けない。彼がいなければ中盤の強度はもっと緩くなっていたはず。今季の彼がレスターに来てから一番のパフォーマンスであることは間違いなく、8点と高評価にした。


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25 ウィルフレッド エンディディ

7点(7試合出場0得点0アシスト)

ケガで2か月ほど戦列を離れていた中盤の要。メンディのおかげで致命傷にはならなかったが、彼が復帰するとすぐにレベルの高さを証明した。相手がボールを隠したつもりになっていても、長い手足を生かしてボールを簡単に刈り取る。CBの前ではじき返すこともできるのは、メンディとの大きな差別化となっている。どちらに転んでもおかしくないボールを落ち着いてマイボールにする技術や落ち着きもある。体も強く、スピードもあり、運動量も豊富で非の打ち所がない守備的MF。このレベルでまだ24歳というのだから驚き。たまにボールコントロールにミスはあるものの、シンプルにテンポよくパスをはたいてくれるので、パス回しのリズムも作れる。以外にも1試合に何度かいい縦パスも出すことができ、えげつないミドルシュートも決められる。怪我の影響で出場機会が少なかったためこの点数にしたが、出場した試合は勝利に大きく貢献してくれたため、後半戦はさらに活躍してほしい。


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26 デニス プラート

7点(13試合出場1得点1アシスト)

豊富な運動量と、サッカーIQの高さが持ち味の中盤のプレーヤー。IHやダブルボランチだけでなく、トップ下やシャドーのポジションも務められる中盤のスペシャリスト。序盤戦は圧倒的な存在感を見せ、なかなか崩しきれないときでも、プラートのニアゾーンランによって攻撃が完成された。攻守においていてほしいところに常にいてくれるのが魅力で、自分を生かすだけでなく味方を生かすポジショニングや動き出しをしてくれる。ボール奪取の技術やフィジカル的な強度は、ダブルボランチやアンカーで使うには不安なので、前目のポジションで使われることが多い。そのため、こういった部分はあまり目立たず、献身性や動き出しのうまさなどいいところが目立つ。プレー精度は他の選手に比べるとやや低く、攻撃で分かりやすい違いを見せるタイプではないので、レギュラーから外れるようになったことを考慮してこの点数にした。


FW



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9 ジェイミー バーディー

10点(15試合出場11得点4アシスト)

 33歳になった今も不動のエースとしてチームを引っ張るレスターの象徴。昨シーズン史上最年長で得点王に輝いたが、今季もいいペースで得点を重ね、チームトップスコアラーであることはもちろん、4アシストもチームトップ。バーディーのシュートがオウンゴールに記録された2点を加えると、29点中17点に直接関与しており、どれだけバーディーに依存しているかがわかる。スピードはやや衰えたとはいえ、裏への動き出しのうまさ、体の向きの作り方のうまさ、マークを外すうまさ、すっと顔を出して預けどころを作るうまさなどが光る。タッチ数は少ないものの、ゲームを作る仕事はチームメイトに任せて、最後のボタンを押す仕留め役に徹している。仕留め役ではあるが無欲で、味方のほうが得点の可能性が高いと思えば無理せずシンプルにパスを出す。エゴを出すストライカーは山ほどいるが、冷静にパスを出せるのも魅力で、それがチーム最多の4アシストにつながっている。

今のチームに彼の代わりを務められる選手はおらず、バーディーがいない試合は攻撃が死んでいる。守備でも走り回っているわけではないが、サボっているわけでもなく、必要な守備を省エネで行ってくれている。バーディーがすごいことはずっと前から知っていたため、MVPには選出しなかったが、チームを支えている選手であることは言うまでもない。今後もレスターをよろしくお願いします。


13 イスラム スリマニ

ー(1試合出場0得点0アシスト)


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14 ケレチ イヘアナチョ

4点(8試合出場0得点0アシスト)

 パレス戦では久しぶりに先発したものの、PKを外すなどいくつか決定機を外してしまいまだ得点のない控えストライカー。バーディーという素晴らしいお手本はいるが、動き出しの少なさなどストライカーとして必要なプレーができない。降りて行きすぎる傾向もあり、ボールタッチは柔らかいが相手からするとあまり怖くないだろう。たまに左足で力強いシュートを放つが、簡単なシュートをミスしたり、「こうしてたらもっとチャンスだったのに」というシーンが多く、チャンスを台無しにすることもある。空中戦も好まないタイプで、マーを外す駆け引きのうまさもない。波があって調子がいいと動き出しとかが悪くても点が取れることもあるが、申し訳ないがストライカーとしていい選手かといわれると全くそうは思わない。早くバーディーの後釜を獲得しないと、レスターは大変なことになるのは目に見えている。


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17 アヨセ ペレス

6点(9試合出場1得点0アシスト)

しばらく出場がなかったが、先発復帰したシェフィールドU戦でゴールを決めその後はコンスタントに出番を得ている。狭いスペースでボールを受けることを好み、右サイドからどんどん中に入っていきパスワークに絡む。たまにボールタッチが詰まりすぎることはあるものの、タッチは細かくて繊細。SBがボールを持った時に中央からサイドに斜めに走ってスペースでボールを呼び込む動きもできる。ボールをミートするのがうまく、ニューカッスル時代から得点数は多いものの、スペースを見つけてななめに走る動き、ゴール前でクロスに飛び込むなど動き出しで勝負できないのは課題。今までば守備もゆるく、足をなかなか出さなかったり、抜いちゃいけないところで抜いたりすることが多かった。しかし、パレス戦では積極的に足を出してボールを奪ったり、スプリントでプレスバックしたり、守備の意識も技術もめちゃくちゃ上がった印象を受けた。後半戦はもう少し出番が増えて攻守に奮闘してほしい。



最後までご覧いただきありがとうございました。以上で、「20-21前半戦個人評価~MF・FW編~」は終了です。点数はあくまで参考程度に、一人一人がどんな特徴なのか、どういった効果をチームにもたらしているのかわかってもらえればうれしいです。ぜひ、みなさんが選ぶMVPとか、点数とか、僕の点数への意見とかをtwitterなどで教えていただきたいです、




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