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脱・借金地獄

今から20年前、この一冊が私の人生を変えた。
私の人生の案内書になってくれたガイドブックだ。

父親の連帯保証人だった私

自営業だった父親は常に借金があった
優秀な職人だったけど、お金の管理はからっきしの父
家計は火の車でいつでも炎上していた
父の信用ではお金を借りることができなくなった頃
私が20才になった
すぐさま私の名前でお金をあちらこちらで借りてきた父
借りたところで返せるあてもなく借金は膨らむばかり
しまいに私の携帯や職場まで金融会社から取り立てがきた
なんとか支払ってほしいというと
ならアコムでキャッシングしてこいと言われその通りにした
最初は5万、次は20万、次は30万
信販系キャッシングの自転車操業が始まった
地獄はまだあった 今風に言うなら沼だ 底なし沼

私は精神的にいつも追い詰められていた
電話に恐怖していた 毎日違う金融会社から督促の電話がかかってくる 
職場にかけないで欲しい、自分の借金じゃない、父に言ってくれと頼んでも
相手には通じない
当たり前である 私の名義だ 
父にハンコを渡したのも私である
何度も泣きながら入金してくれと父に言った
しかし父のお金の使う道の一番はいつも店の運営費だった
私名義の借金は優先されなかった
こんなに私を苦しめる父は鬼だと思ってた
だけど、ある日父に言われた
「金、金いうばかり言うお前は鬼だな」
びっくりした ショックだった
だけど半分は父の立場を分かっていた
金があれば父だって借金を払っている
父も何とかしたくともできない状況であること
私はそれも見て見ぬふりをしていた
無いものねだりで父に鞭を打っていたのだ
(当時の父は痛くも痒くもないだろうが)

漠然と自分がなんとかしないといけないんだと
答えを探し出したある日、この本に出合った
背表紙を見るなり
これだ!
と予感がした。中身を読んで確信した。
これだ これをしよう これでいこう

借金整理にはいくつか方法がある
自己破産、特定調停などだ
私は特定調停を選んだ
当時は信販会社の金利は18~30%とグレーゾーンがあり
債権者である信販会社は最高30%の利息で
私の名義の借金は5年経っても、元本は一切減らず
毎月の支払いは利息で消えていた
この高利息を、最低18%で計算し直し 
今まで多く払った過払い金を元本返済に充てるのが特定調停だ
家庭裁判所に赴き、わずかな費用で済む 弁護士も不要
ただし、ブラックリストには載る 
記録には残る
今後はおそらくローンは組めないことになると思った
当時の私の年収は240万 月13万程度の月収で家賃4万の賃貸にいた
ローンが組めないことが今後の人生で不利になるかもしれないが
覚悟の上でやろうと決めた
父にそれを伝えるとあっさり頷いた
「自分が決めたならそうすればいい」
お詫びは一切なかったな

この本を擦り切れるくらい読み込んだ
当時はスマホもなく漫画喫茶でPC検索をかけた
情報は大切だ
本やブログを読み込み、私にも再現できると思った
結果、3社のうち1社は過払い金で借金がチャラになり
残りの2社も大幅に減額になった
月の支払いが12万から4万に落ち着いたのだ
やっていける自信が湧いた

私はいつも言葉に救われてきた
本は言葉の宝庫だ
この猫次郎さんの本は
あの日あの時あの本棚にあったのは
間違いなく、あの日の私に読まれるためだ
今も思い出せる 
本との出会いの記憶であった















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