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Axion Podcast で InsureTech 業界について話した

Axion Podcast では以前、コロナ禍でのレイオフと転職、また GovTech Singapore の行政 DX などについて話させていただきました。今回は、今の会社に転職してそろそろ 1 年を記念して InsureTech (保険テック) 業界について話させていただきました。

お話させていただく中で印象に残ったのは、(1) デジタル新興企業にとっての顧客獲得コストの高さについて、(2) 営業組織の強い伝統企業とデジタルに強い新興企業の補完関係についてです。

スマホや SNS が普及して顧客獲得が相対的にしやすくなったとは言え、デジタル新興企業は膨大なコストをかけて顧客獲得を行なっています。シンガポールの保険企業あるいは他業界で保険を提供するケースでも、撒き餌として銀行口座より高い利率の貯蓄型保険サービスを提供することで、顧客を獲得しようとしています。スマホ中心のサービスの場合、比較的年齢が若い層がサービスを利用してくれますが、実際に保険会社が売りたい保険を購入する層とは食い違っており、実際の保険の購買にはつながりにくい現状があるそうです。そこでデジタル新興企業は、営業組織の強い企業と業務提携、あるいは合併を行うことで、顧客獲得を有利に進めようとするケースを多く見ます。

一方で、DX に取り組む伝統的な企業は、従来型の営業スタイルに強い営業組織は持つもの、自社だけでは新しいテクノロジーを活用したコスト効率の高い事業モデルの構築や新しいサービスを迅速に提供するエンジニアリング組織の構築が思うように進みません。そこで、デジタル新興企業と組むことで自社の弱みを補完する取り組みを行なっています。

この顧客獲得コストをどうするのかは新興企業にとって非常に難しい問題で、日本では大手テック企業が新規サービスを始めて、札束で顧客を叩くパターン、強い営業組織で販路を素早く獲得することで、シェアを獲得するパターンをよく見ます。

新興企業としては、膨大な資金を調達しないと顧客を獲得できない以上、どういう着地点を描くのが非常に重要になってくるのだなと思いました。

次の予定は

次は以下のネタを予定しています。乞うご期待。

・保険業界でのBanking as a Service (BaaS)の利用事例。日本国内のデジタルバンクとBaaSビジネスの事例。

・保険業界での暗号通貨の利用事例。

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