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『演技』とは、何か?(前編)

念のため最初にお伝えしておくと、
シナリオライターは自称していますが、
演出家は職業と自称していません。

でもたまに演出の仕事を
したりもしたりします。
予算がない案件だと、
一緒にやらされることもあります。
(自分の企画のアニメとか)

一応若いときは、演技のワークショップを
受けに行ったり、他の人の演出や演技指導を受けたりしてきましたが

お恥ずかしい話、
僕がちゃんと演技に向き合ったのは、
29歳の時。

とある演出家の演技指導を見てからでした。
いやもうね、
恥ずかしくなりましたよ、自分が。

何を訳知り顔で語ってたんだと。
(いや未だにその連続の人生なのですが)
その恥ずかしさを活力に
それから勉強し直しました。


僕が人生かけて続けていきたいのは
シナリオライターとバーテンダーですが、

「人に求められるなら、
  納得のできるものを提供していきたい」
という理念のもと
(本来、演出と演技指導は別物だと
  思っていますが、演出家にとって
  演技指導のスキルも必須
  という持論があるため)

そこから研究を、重ね(途中サボりアリ)
ついに17年の歳月を経て

ついに半年前くらいに
やっと文章にまとめられるくらいに
なったのでここに連ねていきます。


『演技』とは?

僕が30歳で立ち上げてから
僕のせいで空中分解するまでの
32歳までの約3年の間に

100人以上の入団希望者と
面談をした中で
おそらく全員に質問した内容が

「演技って、なんだと思いますか?」
というものでした。

当時は気さくなオッサンを演じて
「答えとかないから自由に答えてみて」
などと言っていましたが、

今はあります! 答え!!

今から答えを言うので、
考えたい人は今、考えてみてください。

…準備は、いいですか?
『演技』とは…



『演じる、技術』です!!


『演じる』とは?

まんま、ですね。文字通りです。
でも意外と
素直にこう答えられる人は少ないです。

そして、ここからが本番です。
大切なのは、ここからです。

『演技=演じる、技術』
だとしたら
「『演じる』とはなんぞや?」
という話です。

ここは、マジで大事です。
僕はここを言語化するのに、
16年かかりました。

今から僕の考えた結論を言うので、
考えたい人は今、考えてみてください。

…準備は、いいですか?
『演じる』とは…



『相手に見せたい
(思われたい)

自分の像を
(意識、無意識に限らず)
外に出す行為』

です。
うーん、わかりづらい、かも?

とりあえず例として
今からこれを読んでいるあなたに
質問します。

「あなたは普段、
  初対面の人に敬語を使いますか?」

使うのだとしたら
それはあなたが、その会話の相手に

「敬語を使える常識的な人間だ」
「礼儀のある人だ」
と(意識、無意識に限らず)
思われたいから、敬語を使っています。
なぜなら…

「あなたは家族には敬語を使いますか?
 恋人には? 友達には?」

相手との関係性、距離感などで、
敬語に限らず、言葉を使い分けているなら
それはもう演じていると
同義と僕は考えます。

敬語に限らず、一人称はどうですか?
誰かに優しくしたいときは?
好きになってもらいたい時は?

見せたい(思われたい)自分があって、
それを行動や言葉にする行為。

それが『演じる』だと思います。

仮に
「どんな時でも言葉使いを変えない人」
がいるなら、それは
「どんな時でも言葉使いを変えない
  自分を見せたい行為」
に他ならないのです。


前述はプライベートであてはまる
『演じる』の例だったので
次は役者としての例をあげてみます。

まず
(あなたをAとしたとき、役をBとします)

「あなたは舞台の上で、
  Aとして見られたいですか?」

違いますよね?
Bとして見られたいはずです。
そのために『演じる』わけです。


でもあなたは、あなたの思惑通りに
舞台上でお客様に
Bと見てもらえる自信は、ありますか?


誰でも『演じる』ことは出来ても
上手いかどうかは、別の話です。

では、うまく『演じる』ために
必要なものってなんでしょう?


そう、技術です。
だから『演じる、技術=演技』なのです。


プライベートの『演じる』の話に戻すと、
学生時代とかあなたの周りに

やたら男子に媚びる女子は
いませんでしたか?
逆に女子の前でだけ格好つける男子は?

騙される奴がアホだと思う方も、
大勢いると思いますが
それもまたその人の演技力なのです。
(そして騙せてなかったら、
  その人は演技がヘタなのです)
 

次回予告

さて、ここまで『演技』を分解して
『演じる』とはなにか?
を語ってきましたが、

次回は『(演じる)技術』のほうを、
更に分解していきたいと思います。
役者はもちろん、演出家、演技指導を
している人にも読んで欲しいです。

そして誰か、
僕の考えた演技論を否定してください。
(まだ完成形とは思ってないので)





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