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「スオミの話をしよう」を見て

パンクロッカーの井下斗和です!

昨日、三谷幸喜の最新作「スオミの話をしよう」を観に行った。これまでの彼の作品と比べると、登場人物が少なく、規模感も控えめな印象を受けたが、それがまた新鮮で心地よかった。喜劇としての完成度が高く、絶妙なテンポで展開されていく。特に元旦那たちがスオミという女性に振り回される姿には笑いが止まらなかった。まさに三谷幸喜作品の醍醐味とも言える「笑い」のエッセンスが詰まっていて、観ているうちに自然と引き込まれた。

この映画の最大の魅力の一つは、キャラクターの個性が際立っている点だろう。主人公のスオミ役を演じる長澤まさみさんは、いつもながら美しく、キャラを使い分けるという点でまた新しい一面を見せてくれた。彼女に振り回される元旦那たちは、西島秀俊さん、坂東彌十郎さん、遠藤憲一さん、松坂桃李さん、小林隆さんという、超豪華な顔ぶれ。彼ら一人ひとりが見事に役柄を体現し、互いに絡み合うシーンは見逃せない。

物語が進むにつれて、ただのコメディに留まらず、各キャラクターの内面的な葛藤や人間模様も丁寧に描かれていく。それが映画に深みを持たせ、観る側に共感や感慨を与えてくれる。三谷さん特有のユーモアの中に、ちょっとした人生の教訓が隠されている感じがまた素晴らしい。

そして、クライマックスはまさかのミュージカル風に終わるという意外性。これは三谷作品ならではの「遊び心」だと感じた。この軽やかな終わり方は、全体の雰囲気を明るく締めくくり、観客に爽やかな余韻を残してくれる。

正直なところ、三谷幸喜の作品には毎回驚かされる。彼の脚本や演出には、常に新しい工夫が施されており、それがどの作品にも独特の魅力を与えている。今回の「スオミの話をしよう」も例外ではなく、笑いの中に温かさや哀愁を感じることができた。

映画館を出る頃には、心がすっかり軽くなっていた。笑いに満ちた映画は、観終わった後も気持ちを軽くしてくれるものだと改めて実感した瞬間だった。

井下斗和でした!

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