#439 「ミトミ事件」大阪地裁
2017年6月21日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第439号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【ミトミ(以下、M社)事件・大阪地裁判決】(2015年9月29日)
▽ <主な争点>
転倒事故に基づく労働組合員の損害賠償請求、過失相殺など
1.事件の概要は?
本件は、Aから暴行を受けて転倒し、傷害を負ったと主張する労働組合員XがAについては民法709条(不法行為による損害賠償)に基づき、Aの使用者であるM社については民法715条(使用者等の責任)1項に基づき、Xが被った損害の賠償として、179万円余の連帯支払を求めたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<X、AおよびBについて>
★ Xは、生コンクリート会社にミキサー車運転手として勤務している者であり、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下「労組」という)の組合員である。
★ Aは、M社の従業員である。
★ Bは、M社の従業員であり、労組の組合員である。
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<Bの就労闘争、本件転倒事故等について>
★ Bは平成25年5月当時、M社との間で就労の可否をめぐって紛争状態にあり、毎朝同社に赴き、敷地内を清掃するなどのいわゆる就労闘争を行っていた。Xは労組の組合員として、Bの就労闘争を支援していた。
▼ Xは25年5月25日午前7時25分頃、Bと共にM社に赴き、同社敷地前の路上からBの就労闘争の様子をビデオカメラで撮影し始めたところ、AがXの前に立ち、撮影をやめさせようとした。
▼ Xは後ずさりしながらも撮影を続けたところ、Aが「オラ、なめとったらあかんぞ」と発言した直後、Xは後方に転倒し、右腰背部を路面に打ち付けた(以下「本件転倒事故」という)。その後、Xは本件転倒事故後緊急搬送された病院において、「右第7肋骨骨折、腰臀部打撲、頸椎捻挫」との診断を受けた。
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