#450 「アイシン機工事件」名古屋地裁岡崎支部(再掲)
2017年11月29日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第450号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【アイシン機工(以下、A社)事件・名古屋地裁岡崎支部判決】(2015年5月26日)
▽ <主な争点>
派遣作業員に対する安全配慮義務など
1.事件の概要は?
本件は、XがL社に派遣作業員として雇用され、A社の吉良工場に派遣されていたところ、同工場における旋盤作業中、ボタン操作ミスにより右環指切断の傷害を負ったとして、A社・L社に対し、安全配慮義務違反を理由に損害賠償を求めたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<L社、A社およびXについて>
★ L社は、労働者派遣等を業とする会社である。
★ A社は、自動車部品製造等を業とする会社である。
★ X(ブラジル人)は、平成18年12月、L社に派遣作業員として雇用され、同月20日から20年12月25日までと22年6月24日から23年11月7日までA社の吉良工場に派遣され、同社の指示指導のもと、旋盤作業員として作業に従事していた者である。
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<本件事故について>
▼ 23年8月20日午前3時50分頃、Xは吉良工場内において旋盤作業中、ボタン操作ミスにより右環指がワーク(加工対象物)と治具(工作物を固定するとともに切削工具などの制御、案内をする装置)との間に挟まれ、右環指切断の傷害を負った(以下「本件事故」という)。その後、Xは等級12級9号の後遺障害が労災により認定された。
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<A社における安全教育について>
★ A社は派遣社員で現場作業に従事する者に対する受け入れ時教育を行っており、22年4月の受け入れから派遣社員に安全教育の理解力を確認するためにテストを実施している。
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