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#228 「ヤマト運輸事件」東京地裁(再掲)

2009年3月4日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第228号で取り上げた労働判例を紹介します。

■ 【ヤマト運輸(以下、Y社)事件・東京地裁判決】(2007年8月27日)

▽ <主な争点>
業務外の酒気帯び運転と懲戒解雇・退職金不支給

1.事件の概要は?

本件は、業務終了後の酒気帯び運転が発覚したこと等を理由に懲戒解雇されたセールスドライバーXが運送会社であるY社に対し、退職金等の支払いを求めたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<Y社およびXについて>

★ Y社は、貨物自動車運送事業を営んでいる会社である。

★ Xは、Y社の荒川エリア支店管内西尾久センターのセールスドライバーとして勤務していた者である。

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<Xの酒気帯び運転および本件解雇に至った経緯等について>

▼ Xは平成17年4月、業務終了後、帰宅途上で飲酒し、最寄駅から自宅に向けて自家用車を運転中、酒気帯び運転で検挙されたが(なお、Xはこのとき事故は起こしていない)、この検挙の事実を直ちにY社に報告しなかった。

▼ Xは上記酒気帯び運転行為により、運転免許停止30日の行政処分を受け、これは講習受講により1日に短縮された。また、罰金20万円に処せられた。

▼ 同年9月、運転記録証明の取得により、Xの上記酒気帯び運転事実が発覚したため、Y社はXに対し、懲戒解雇の意思表示をした(以下「本件解雇」という)。

★ 本件解雇がなければ、Xの退職金は同年3月末日時点で、962万0185円となる見込みであった。

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<Y社の就業規則および退職金支給規程等について>

★ Y社のマネージ社員就業規則には、以下の規定が存在し、その概要は同社の社員手帳に記載されていた。

第41条 懲戒は次に掲げる7種類とする。
(7)懲戒解雇 予告期間を設けないで、即時解雇し、退職手当金を支給しない。

第43条 会社は社員が次の各号の一に該当するときは解雇する。ただし、情状により減給、降給に処することがある。
(1)業務内、業務外を問わず、飲酒運転および酒気帯び運転をしたとき。また、同乗者においても同様とする。

★ Y社の退職金支給規程には、以下の規定が存在する。

第6条 懲戒解雇の場合は、就業規則第41条第7号に基づき、退職手当金を支給しない。ただし、事情によりその全額または一部を支給することがある。

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