サンライズ出雲往復の旅その2
5月6日。繁忙期という事で人々がお休みの中せっせと働く勤務もいよいよ最終日です。世の中の皆さんはGW最終日という事で、明日から始まる学校や仕事を憂いている中、相反して私は明日から二連休。ウキウキなので早朝からの売り場作りも苦ではありません。私はスーパーマーケットの日配品の担当なのですが、牛乳やら食パンやらはこうした連休の最終日に売れるのでいつもの月曜日よりも多めに発注を入れてあります。その多めの商品を棚に綺麗に陳列していくわけですが、連日の疲れで身体は節々が痛くなったり腰が痛かったりしているのですが何しろ明日から連休なのでもはや痛みなどはわからなくなっています。自然の麻酔のようなものですね。きっと脳内エンドルフィンが出ていたのでしょう。
早く帰りたいという一心で、仕事はいつもより捗ります。あれ?もしかして私って仕事できる人、しごでき?」などと自画自賛しながらも定時に仕事は終わりました。店長に挨拶をして退勤、急いで帰宅します。
さて、家に着くとすぐに風呂(といってもシャワー)です。サンライズ号にもシャワー室はあるのですが、シャワー室を使うためのシャワーカードは先着順で争奪戦が繰り広げられるということは、鉄道系YouTuber の方たちの配信のおかげで知っていましたので、これはもう諦めて家で済ませていこうという作戦です。時間的に東京駅にはとても余裕を持って着くように家を出ることができるのですが、何しろ初めてだから『乗車口』やらなんやらが分からないと困ると思ったんですね。
そして身支度をし、荷物をまとめていよいよ最寄り駅へいきます。駅には娘が送迎をしてくれました。
さて東京駅に着き、いったん改札を出て、e5479 サイトで予約した乗車券と特急・寝台券を発行しなくてはなりません。指定席券売機は空いていて誰も並んでませんでした。予約をしたクレジットカードを入れて順番に操作し無事に発券できました。
今回は往復でサンライズに乗車するので、乗車券は往復割引になりました。
電車は予期せず遅延などが発生しますのでかなり時間に余裕を持って到着しましたが、それにしても時間がありすぎたので東京駅ナカをうろうろ。ちなみに晩御飯は送迎してくれた娘と済ませてきたのでお腹いっぱい。カフェなどもたくさんありますが、私はカフェのコーヒーというものがどうしても割高に思えてしまうケチなので利用する気にもなれず。だってうちでサザコーヒーとかドリップすれば一杯あたり数百円もかからず美味しくコーヒーを飲むことができるのですからね。でもカフェというものはコーヒーだけでなく、その空間に居られる場所代も料金に入ってるんですよね。まあ待合の長椅子でもいい私は結局ホームのベンチに座って待つことにしました。
そして待つこと数十分、21時23分ごろサンライズ号がホームに入線してきました。これもネットで調べてホームで待ち構えて動画に収めることに成功。私より15メートル先にいた方が白線の内側ギリギリで撮影してたからか、ミュージックホーンを鳴らして入線してきました。いや、ラッキーです(でも危険なので白線の内側まで下がりましょう)
私はサンライズ出雲のB寝台ソロでしたので10号車の停車付近で待っていました。ソロの一階部分が見えます。
ところで、シャワー室は10号車にあるのですがシャワーカードを買うために並ぶのは11号車の方がいいんですって。私は家で済ませてきたので並びませんでした。窓からサンライズの寝巻きが畳んで置いてあるのが見えます。さて、ドアが開き、いよいよサンライズに乗車です。手に持った寝台券と睨めっこしながら17号室を探します。
無事に見つけて入ります。噂には聞いてましたがソロは本当に狭い! でもなんだか秘密基地みたいでワクワクします。狭くともこの列車のこの空間は私だけの貸切なんですもんね。同じソロなら二階の方が楽しそうでしたがそれでも夢のサンライズ号に乗れるんですから一階でもなんでも楽しくワクワクです。
荷物を隅っこに置き、寝台に座るとそれだけで足は扉の前になりますので靴を脱いで座面に『体育座り』(三角座りとも言う)をします。乗車してる間はほぼこの体育座りか寝そべるか、扉に向かって座っているかの三択になりそうです。でもそれがいいんですよね。閉所恐怖症の人には問題ありそうですけど。
写真を撮ったり外を眺めたりしているうちに発車時刻の21時50分になりました。
車掌さんがきっぷの拝見に割とすぐにきました。これは数々のブログにて読み聞きし知っていたので着替えずに待っていました。それが終わるとブラインドを閉めて部屋着に着替えます。サンライズの寝巻きは着ることを想定してませんでしたが、記念に着てはみましたよ。
この歳にしてサンライズデビュー。嬉しくて仕方ない(ちなみに帰りはしっかりと着て寝ました)
壁面には車内のご案内がありました。なるほどトイレはいろんな号車にあるんですね。ソロと同じ車両にシャワー室があり、ラウンジなどもありました。ソロは狭いのでご飯食べたり大きな窓から車窓を眺めたりすると良さそうですが、よその人と相席するのもなんだか恥ずかしいので(サービス業なのに人見知り。というか仕事は割り切って社交的になっています)部屋でゆっくりすることにします。真夜中とか誰もいなかったら座ろうかなと思いましたが真夜中は普通に寝てしまいました。
部屋でゆっくりする前に持参したメイク落としシートで化粧をざっくり落とし、洗面用具を持って洗面台へ。これから東京駅の売店で買った氷結などを飲みつつくつろぎたいので歯磨き以外の事は済ませておきます。
洗面台はカーテンで仕切って使うことができるようです。洗面台は綺麗に清掃されており、他の乗客の方も綺麗に使われているようでみなさんのサンライズ愛を感じます。私もそれにならって使い終わったら飛び散った雫などは拭き取っておきました。
部屋に戻るともう後は自由な時間です。明日の朝10時まではサンライズ号に居られるわけです。憧れの寝台特急。子どもの頃に『はたらくおじさん』というNHKの教育番組がありました。その番組内で寝台列車、ブルートレインではたらく車掌さんや乗務員の方を取り上げた回がありまして、当時の私はそれを観て「電車に乗って横になって寝れるなんてなんて面白そうなんだろう。大人になったら絶対に乗りたい!」と思ったものでした。
いざ私が大人になった頃はバブル期で、『私をスキーに連れてって』が大流行したからか寝台どころか新幹線でひとっ飛びみたいな時代になっていましたので、寝台列車に乗るということは忘れてしまっていました。あの頃は『親父ギャル』なんて言葉が流行っていましたが、いくら親父ギャル寄りだった私でもさすがに隣に男性やなんかが寝ているかもしれない寝台列車には乗ることははばかられ、その夢は実現する事なくそのまま結婚し母親になり育児に追われ、その夢はそのまんまになりました。そんな長年の夢がやっと叶った訳です。サンライズ号はノビノビ座席もありますが、A寝台やB寝台は個室で鍵がかかるので、女性でも比較的安心して乗れることが魅力のひとつなんだと思います。
さて、後は車窓を楽しみながらのひとり旅です。東京駅の売店で買った氷結無糖などを飲みながら、明日の朝まで貸し切りなのですからこんなに嬉しい事はありません。
私の乗った17号室はホーム側なので、横浜などでは外を歩く人々がよく見えます。逆に外からも良く見える訳であんまりくつろぎ過ぎて醜態を晒すわけにもいかず、そんな時はブラインドをおろしておきました。
車内を暗くすると外の景色がよく見えて良いのですが、あまりに暗いとちょっと寂しいので片方だけ照明をつけるのがちょうど良かったです。
熱海に23時21分に着き、沼津に23時52分に着く頃には、仕事の疲れも氷結無糖の酔いもあり眠たくなってきました。寝台なのですから寝ればいいのですが寝たらもったいない気持ちでいっぱい。なんだかんだで静岡くらいまでは起きてホームを眺めていた気がします(うろ覚え)歯磨きをして暗くして車窓を寝転がりながら眺めていると、いつの間にか眠っていました。
ちなみにソロの一階はモーター音がうるさいと聞いていましたが、私はあまり気にならなかったです。眠れないと気に病む人は気になるのかもしれませんが、そもそも私はできるだけ起きていたい訳ですからなんら気になりませんでした。ただ、連日の仕事疲れには勝てず深い眠りに落ちていたようです。
(続く)