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私は昭和の終わり頃に、営業事務として商社で働いていました。そのころの仕事術で昭和と令和との違いを書いています。

セクハラ、パワハラ、女性差別と、ハラスメント満載の昭和のオフィスワーカーですが、「サラリーマンは気楽な稼業」という一面もありました。

スーダラスーダラ

私が働きだした昭和61年です。私の上司や同僚の営業マンは、一度、オフィスを出たら、何をやっているかよくわかりませんでした。得意先に直行、得意先から直帰と、予定表に書いてあったら、それを信じるしかありません。

地方の営業マンは、社用車で得意先を訪問していました。ポケベルを持たせても、「運転中でした」、「公衆電話が見つからなくて・・・」と言われれば、連絡できませんでした。

得意先を訪問していたと言われたら、信じるしかありません。ですが、実際は、喫茶店に寄っていたり、自宅にこっそり戻ったり、「パチンコしてた」なんて話も聞きました。

携帯電話もGPSもない時代です。うまくサボることもできました。

サラリーマン

サラリーマンとは、雇用主からSalary(俸給)を得て生活している者を指す和製英語だそうです。現在なら、「正社員」というのが正しいのでしょう。英語で言うなら「Full Time Worker」ですね。サラリーマンは、決まった時間働いたら、俸給がもらえるありがたい職業です。年功序列で昇進や、毎年昇給があり、ボーナスも貰えるという現在では信じられない待遇です。様々なハラスメントや差別はあれど、少しうらやましいですね。

植木仁

映画「無責任社員」などでも、おなじみの役者さんです。高度成長期の日本のサラリーマンを楽し気に演じています。この映画を視ると「サラリーマン」って、気楽だなと思います。実際は、理不尽で、ハラスメントだらけの職場かもしれません。携帯電話がないので、社外に出れば、会社に縛られることはありません。インターネットがないので、営業日誌も後日提出でも咎められることはありません。

令和の今より、時間の余裕があったのだと思います。「釣りバカ日誌」の浜ちゃんも、釣りをする余暇がたっぷりあります。出張にも「釣り」を組み込んでいます。これも昭和のサラリーマンからできたことです。「サイボウズ」で勤怠管理していたり、「リモートワーク」をしていたりすると、就業時間内に、ある程度成果をだす必要があります。オフィスから離れていても、会社とは繋がっています。

気楽なサラリーマンのその後

平成の初め頃、パソコン教室でたびたび聞いた噂があります。事務の仕事に「コンピューター」を導入すると事務員の仕事がなくなるということです。仕事がなくなるので、「労働組合」がコンピューターの導入を反対しているというのも聞きました。昭和の気楽なサラリーマンなら、仕事が楽になるなら、コンピューターでも、インターネットでも取り入れていたと思います。でも、それで、自分の仕事がなくなるのは、「言語道断」なのでした。

山一証券が破産したり、リーマン・ブラザーズの破綻がきっかけで、「気楽なサラリーマン」は、自然消滅したといってもいいでしょう。

サポートしていただけたら、とっても嬉しいです。昭和の文化をとことん、語ってみたいと思います。昭和のOL仕事についてお知りになりたいことがあれば、コメント下さい。noteでお答えいたします。