ヘミングウェイ『老人と海』 感想文
人と読書の間には通常の欲求とは異なるワンクッションがあるように感じる。美味しそうな食べ物を見たら「食べたい」と思うだろうし、いい女(男)を見たら「繋がりたい」と思うだろう。これは対象と欲求が直結しているが、読書に関しては対象と欲求の間に「何か」がある。
年に365冊を目指すタイプの食いしん坊はそんなことはないのだろうけど、私のような少食は「選りすぐられていて人生に影響を与えるような、かつ時の洗礼を受けた名作だけど話としても面白いものを出来るだけ効率的に読みたい」という偏