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鉄道とボカロ曲 5選


※トップ画像は、いらすとやさんからお借りしました。


10月14日は、「鉄道の日」。

明治5年9月12日 (旧暦)(1872年)に、新橋駅(後の汐留貨物駅・現在廃止) - 横浜駅(現在の根岸線桜木町駅)間に日本で初めての鉄道が正式開業したことに由来。1922年に日本国有鉄道が「鉄道記念日」として制定。「鉄道記念日」のままでは国鉄色が強いということで、1994年に運輸省(現在の国土交通省)の提案により「鉄道の日」と改称し、JR以外の民間鉄道も含めての記念日となった。(10月14日 - Wikipedia

というわけで、5選行ってみましょう。


1.night (t)rain / 初音ミク(歩く人さん)

高架線水面を走る波面を見つめた
前線追いやって光る星を映したい
簡単なことでしょう たかが一世紀の内
電車の窓から 星を眺めるくらい

歩く人さん、2017年3月投稿。今では7万再生弱ぐらい。

夜のミクトロニカ、背景のサウンドコラージュとともに聴き入ってしまいます。雨滴やベル音が特に心地よい。「たかが一世紀の内」という時の捉え方も不思議に余裕を持った曲想に一役買っています。


2.【初音ミク】呼Q列車【オリジナル】(橋鼠さん)

暗やみの未来でも一人ぼっちの朝も怖くない
強がったふりで頬濡らす
遠い街へと向かう列車は進み続け
透明な記憶は空の底へ落ちていく
深くへ
消えていく

橋鼠さん、春の別れをテーマとしたVOCALOID鉄道曲、2014年。

初恋の物語が終わった後をそのまま曲にしたような作品。パステルカラーで包むこむような絵柄も優しく、余韻に浸れる良作です。


3.【手書きPV】サンドスクレイパー【鏡音レン】(原曲:右近(ミク詐欺P)さん、PV:シカゴさん)

遠くへとサンドスクレイパー
決めたことはただ一つ 僕は君を離さない

右近(ミク詐欺P)さんの原曲は2008年投稿、もうすぐ40万再生。

鏡音VOCASKAの名作で、素晴らしいアニメPVが付いたのが本作品。砂漠を削り取って走るから「サンドスクレイパー」とは言え、列車の歌であることに相違ありません。軽妙な節回しに乗せて、人生の活路を切り開いていこうとする歌詞は力強く。スタイリッシュに登場する各人の顔には「×」の紙が貼りついていますが、最後にこれが風にさらわれて剥がれ飛んでいく様は、各人が「顔を取り戻して」歩んでいく比喩になっています。


4.【Lily】Connecting 弾丸列車【オリジナル曲】(96crowさん)

涙で滲む景色眺めて
移ろいながら進み出した
当てもなく続く線路の先
帰ること無い場所へ

96crowさん、2012年投稿の和風曲。

"貴方に告げる最後の挨拶を交わすために。"と投稿者コメントにあるように、これも別れの歌になります。Lilyさんの切ない声色も良く曲に似合っています。弾丸列車とは高速鉄道のことで、戦前に計画され挫折した「弾丸列車計画」も関係しているかもしれません。後に、96crowさんはVY2V3でもセルフカバー(【VY2V3】Connecting 弾丸列車【セルフカバー曲】)されていますが、裏にはLilyさんの声もあります。


5.【初音ミク】反芻の印象【オリジナル曲】(ふるさん)

主人のいない吊り革はゆらゆらと
誰がために列車は常世(とこよ)を走る
踏まれて散らばる 切符のお値打ちは行方知れず
紡がれない墨染めホーム 瑠璃の空に消え行くひつじ雲
僅かに照らす灯台の光 それはお前が望んだ成れの果て

ふるさん、2011年の初投稿作品。なにせ初投稿がこのレベルですから、恐るべき新人が現れた! と当時かなりの衝撃を受けたことを覚えています。

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』をモチーフにした小説派生作品。重厚で荘厳な曲と計算された構成に、ふるさん特有の精緻な歌詞が組み合わさって、新しい世界観を創出していると言えるでしょう。部分的に入るコーラスは、ふるさん自身のもので、この時から一貫していますね。


いろいろと選びたかった作品は数多いです。貴方なら、どんな作品を選んでみたいですか? それではまた。

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