見出し画像

うぇすの正体

こんばんは。

週末にも関わらず、れふとで御座います。
今のお家に引っ越してから、もう6年近くになります。

このくらいこの地域に住んでいると、色々な人間が現れます。
先日ご紹介差し上げました空に太陽がある限らないおじさんもその中のお一人です。
もしまだご覧になっていない方は是非合わせてご覧くださいませ。


そんな中、おそらくもっとご近所に住んでらっしゃる
と、思われる様子のおかしな人がいるのですね。

私の住んでいるマンションは角部屋になりまして、
1.玄関と北部屋にある北側窓
2.北部屋とリビング、居間にある東側窓
3.居間と寝室にある南側窓

窓が結構な数あります。
私が今のお家に決めたのはその窓の数による採光と、
周りにあるのが一軒家が多かった為、窓を全開にしても誰とも目が合わない、
3階以上と言うプライバシー保護の2点でした。

猫を2匹飼っているので、採光はどうしても譲ることが出来ませんでした。

引っ越してからはそれはもう、起きた瞬間窓を全開にして
んーーーーってやり放題です。
お風呂上がりに裸のままリビングをうろうろしても誰にも目撃されることは御座いません。


そんな毎日を謳歌していた頃、
これまたどこからともなく聞こえてきたのです。

うぇすっ!!!!


…誰?
…何?
…くしゃみ?
最初はご近所のおっさんがくしゃみをしたのだと思ったのですが、
少し怖いくらいに連発するのです。


…うぇすっ!

……ぅうぇすっ!!

………うぇすっっ!!!



んんん何回言うねんっ。


いますよね。どこにでも。
銀座だろうが六本木だろうが現れるのです、
くしゃみ連発おじさんって。

しかも、回数を重ねるたびにちょっとずつ近づいてくる時、ありますよね。

もう3回もされたらそれだけでゲラの私は笑ってしまうのです。
しかも、今回は「クシュん!」などではなく、
活字にするなら間違いなく「うぇすっ!」なのですよ。


この「うぇす」については日中、もしくは夕方に現れる確率が高いのです。


全開にしている窓のどこからか聞こえてくる「うぇす」。


…。

……。


わたしは「うぇす」がどんなおっさんなのか気になってしまいました。


北側の窓からも「うぇす」
東側の窓よりでも「うぇす!!」
南側の窓からでさえも「うぇす!!!」

…えっ、どこに分布してんねん。


そこから私は2匹の猫達と共にうぇすの正体を探す休日を過ごす事になります。

うぇすっ。

むっ北側からじゃないか?
猫達と全速力で北部屋へ行き辺りを見渡すが、それらしい人はお見受けせず。

うぇすっ!

これは東側か?…(猫達が)北側を見ている。
…しまった、やまびこだったのかっ。

北部屋の窓へ駆け寄るも、誰もおらず。


…うぇすっ!!

これは間違いなく南側だ。
猫達、ベランダへ直行だっ。

…誰もおらず。


えっ…?…本当は、実在しないのか…?


真面目にそう考える時もある程、うぇすは目視できないのです。
私にここまで思わせるのは何を隠そう、春先、秋口だけではないからなのです。

真冬だろうと、換気で窓を開けた時に、聞こえてくる時があるのです。

何度猫達とトライしても目視出来なかった為、
私の心は諦めかけていました。

うぇすはきっと空とかから、何かこう、
アポカリプスサウンド的なものなんだろうと、
私の中で区切りをつけ、無理やり納得しようとしていました。

が、思わぬタイミングで「うぇす」の正体を知る事になります。

それはまさかの平日の朝方、自転車に乗って、走行をし始めたその時でした。


マンションの掃除をしてくれている方に挨拶をして
今日もお仕事がんばるぞー、と自転車を漕ぎ始めたところ、
駐車場の掃除をしているもう一人の清掃員の方に挨拶をし、すれ違うか否か
その刹那。

うぇすっ…

…えっ?

走馬灯が駆け巡った時のようなスローモーションで私は振り返り、
音の行方に目をやりました。




っえ?…おまっ…あと、おじ…え?




…おばさんやないかい…。


マンションの清掃をしてくれているおばさんが犯人でした。

くしゃみは性別を超えるサウンドである事が、証明された瞬間でした。

それでは、皆様体調にはお気をつけて、今夜もお過ごしくださいませ。
どうか、本日も良い夜を。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?