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単眼立体視の話~脳は複数の情報から使えるものを使って認識する

平面立体視

立体画像を平面ディスプレイで再現するには、脳が視差情報から奥行き感を再構築できることを利用し、視差の異なる2枚の画像をそれぞれ左右の目に提示する方法が一般的です。

図1

平行法、あるいは交差法を用いて視差情報から立体像を再構築できる
「視差」が立体視の強い手掛かり

一方、写真を立体的に見るには、「片眼で見る」という方法が古くから知られています(ポジフィルムを単眼鏡で見る等)

実は、人間が奥行き感を感じる手掛かりとしては視差以外にも、オクルージョン(重なり)、相対サイズ/密度、ぼけ、かすみ感等があります。

両眼視

平面ディスプレイを両目で見ると立体的に見えないのは、両目で見た場合は視差がないことから「平面である」ことが認識されてしまい、それ以上の認識は行われないためです。

図2-2

「視差」が立体視の強い手掛かりであり
視差がないことを認識してしまうため「平面」であると認識する

片眼視

片目だけで見ると視差情報が使えないので、他の手掛かりを使って認識が行われ、普通の写真でも過去の記憶を頼りに奥行き感が認識され、立体的に見えてきます。

図3-2

視差情報が使えないので
他の情報(重なり、相対的大きさ、かすみ、ぼけ等)を
使って立体として認識する

視差情報は立体視の、強力ではありますが、唯一の手掛かりではないということです。

平面の両眼視の場合、視差情報は逆に立体認識の阻害要因となっているので、視差情報をなくしてしまえば他の手掛かりを使って脳が認識を行い、片眼での立体視が可能となります。

一眼レフ等で撮られた奥行き感のある高精細な画像を、スマートフォンやタブレットで表示して片眼で見れば、脳の中で勝手に奥行き情報が構築され、立体的に見えることが実感できると思います。

また、ノイズや解像度の低さも立体視の阻害要因となるため、「高品位」であることも重要です。

脳は、一つの情報だけから認識を行うのではなく、複数の得られた情報から使えるものを使って認識を行っているというお話でした。

サンプル

以下、片眼立体視用のサンプルです。
(普通にデジ一で撮った写真です)
スマホ等で片目でご覧ください。

画像4

モデル:海老澤一恵

画像5

モデル:海老澤一恵

画像6

モデル:凜

画像7

モデル:凜


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