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#信号処理

トゥルーピーク ~ デジタルデータのサンプル間は直線ではない~デジタルの誤解を解く

まえがきオーディオ系のお話です。 この記事は Kindle 電子書籍 「MATLAB で簡単オーディオ プラグイン開発 : エフェクター・プラグインが数分~で作れる!(VST/AU)」 の「サンプリング(標本化)定理」と「トゥルーピーク」の項を抜粋して再編集したものです。 サンプリング(標本化)定理サンプリング周波数を Fs とすると、「最高周波数(広義には信号帯域)が Fs/2 未満の信号であれば、サンプリング周波数 Fs 以上の標本化によって情報の消失なしに離散化で

System Object Plugin ~ Simulink にもそのまま読み込めるプラグインを作る

まえがき前回の記事で、以下のように書きました。 Audio Plugins in MATLAB を読んでもイマイチ、Basic Plugin と System Object Plugin の違いが、継承元が異なる以外分かりません。 さらに、「MATLAB環境におけるオブジェクト指向プログラミングをより高度に理解する必要があります」みたいなことが書かれています。 あまり近寄らない方が良いのかもしれませんが、Simulink に組み込めるようにするだけなら簡単なので、一応や

MATLAB でマルチチャネル対応 VST 開発 ~ Ducking VST ~ ナレーションに合わせて BGM 音量を自動調節

System Object Plugin を直接作る方法の記事を追加しました。(2023/1/2) System Object Plugin ~ Simulink にもそのまま読み込めるプラグインを作る まえがきAudio Toolbox では、2ch を超えるマルチチャネル入出力に対応しています。上限は特に書いてありません。 マルチチャネル対応の VST を作りたい場合、audioPluginInterface() で 'InputChannels'、'OutputC

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Ducking VST (Reaper版)

Reaper に挿してみました

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Ducking VST

audioTestBench だと(多分)マルチチャネル入出力設定できないけど、Simulink に組み込めばできることが判明 組込み用にソース手直しは一切不要 試しに4in-4out で、ナレーション部分で自動的に BGM 音量を調整する「ダッキング VST」 を作ってみました

AudiiSion EP 説明資料

イヤホン独特の狭い音場(頭内定位)を解消し、自然なリスニングを可能とする独自技術、AudiiSion EP の説明資料です。 "AudiiSion EP" is a unique digital signal processing technology that creates 3D acoustic field from a normal stereo sound source by real-time processing without using HRTF (Hea

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(4)~ フィルター周波数・バンド幅をマウスで操作

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(1)~フィルター特性を変えてグラフ表示 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(2)~ストリーミングオーディオをフィルター処理 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(3)~タイマー割り込みでスペクトル表示(非同期FIFOを使う) まえがき前回で終わる予定でしたが、追加ネタを思い付いたので。(u_u) マウスでフィルター特

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(3)~タイマー割り込みでスペクトル表示(非同期FIFOを使う)

MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(1)~フィルター特性を変えてグラフ表示 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(2)~ストリーミングオーディオをフィルター処理 MATLABでGUI付きアプリ開発 ~ App Designer を使おう(4)~ フィルター周波数・バンド幅をマウスで操作 まえがき(1)、(2)に引き続き、今回はフィルター処理前後のパワースペクトル表示を追加してみます。 毎フレ

externalAudioPlugin class ~ MATLABで外部VSTプラグインをホスト ~ 動的変数名を使ってVSTパラメータをセットする

※ R2022aではパラメータの並び順が、  loadAudioPlugin() : audioPluginParameter の設定順 で変更なし  パラメータファイル : アルファベット順 に変更 となりインデックスによる突き合わせができなくなったため、パラメータファイルをMATLAB上で適用する手段がなくなりました・・。  → 解決法が分かりましたので、具体的な方法はこちらをご参照ください。(2022/05/14) MATLABでVST開発 ~ Map オブジェクト(

MATLABでVSTプラグイン開発 [初級編]~数分?で作れるVST~LMSで無相関プラグイン

電子書籍発売しました!(2023/01/22) 動画・音声リンク付き紹介記事はこちら。 Amazon Kindle 電子書籍「MATLAB で簡単オーディオ プラグイン開発」 スクリプトはどなたでも無料でダウンロードできます。 だいぶ前に「夏休みはVST! MATLABで楽々(?)VSTプラグイン開発」 という記事を書き、おかげさまでこのnote中ぶっちぎりの一番人気(あっ、いや、HRTFの記事がトップに躍り出てました!(^-^; )なのですが、色々詰め込んだため3万

SimulinkでカスタムGUI

Simulinkには、"Dashboard" というブロック群があって、これを置けば簡単にGUIを付けられるのはよく知られていると思います。 Dashboard Dashboardを使ったGUIの例 SimulinkではDashboardを使う以外にも、ブロックをダブルクリックすると立ち上がるカスタムGUIコントロールパネルを作ることができます。 カスタムGUIの例 とても簡単にできるのですが、こちらはあまり見かけない気がするのでその解説をしたいと思います。 Si

MATLAB/Simulink で気軽に始める音響信号処理 ~ App Designer で GUIアプリも簡単開発!

MATLAB EXPO楽しかったですね~。( ̄ー ̄) 以前、ポスター発表して来場者人気投票で2位を頂いたこともあるのですが、今はちょっと他のことする余裕がないので、いずれまた・・。(-_☆) 今回、特にライトニングトークに触発され、MATLABでの音響信号処理を布教すべく、”初心者向け” MATLABを使ったオーディオ信号処理について書いてみました。信号処理自体ではなく、「信号処理アルゴリズム開発環境」的な説明です。結果的に、App Designer の説明がメインになり

オーディオ信号処理のプロトタイピングを M5Stack Core2 で~スマホの中の好きな曲を、オリジナル信号処理してイヤホンで聴こう!

オーディオ信号処理プロトタイピング なかなか手頃なのが見つからなかったのですが、M5Stack Core2 なら手軽にできそうだったので試してみました。 スマホの中の好きな曲やYouTube等 -- (ブルートゥース) --> M5Stack Core2 -- (I2S) --> 有線イヤホン、という流れです。信号処理は M5Stack Core2 に入れます。 スマホとの接続は一般的なBTイヤホンで使われるA2DPプロファイル(コーデックは多分SBC?)で、イヤホンアン

サンプリング・レート・コンバーター~マルチステージ化・ポリフェーズ化で演算量を大幅削減!~マルチレート信号処理とは?

前の記事「折り返し雑音とは?~なぜ車のホイールは逆回転するのか~デジタルはアナログの近似ではない」で、「デジタル信号処理にとってサンプリングレートの変換は苦手な処理」であるが「マルチステージフィルターやポリフェーズフィルターを駆使すれば、比較的少ない演算量で原理通りの処理を行い、音質変化のほとんどない変換を行うことは可能」ということを述べました。 今回はその、「マルチステージフィルター」と「ポリフェーズフィルター」を用いた「サンプリングレートコンバーター」の説明をしたいと思