見出し画像

LIGHT

黄泉の島をご存知だろうか?
人々は死んだらその島に行き次の輪廻を待つ。
この島には天使、吸血鬼、龍、まぁ、今まで私たちが空想と言ってきた物が沢山ある。
ペガサスだって居るし、魔法使いだって居る。
この島の彼岸花が沢山咲くお寺には、人間、いや、全人類から恐れられてる者が住まっている
「死神」
名前を聞いただけでゾッとする者もいるし、方や人間の中には、彼女に縋る者まで居るらしい。
彼女の名前は常夜。または常闇。
どちらで表記しても良い。
読み方は、とこやみではなくジョウヤ。
黒い着物を綺麗に着付けて、長い髪を1本のお下げに結んで垂らしている。
肌は白くて、目の下にはまるで血を拭ったかのような跡が残っている。
「教祖様。今日のご予定です………また黒猫拾ってきたの?」
彼女は姫冠(ティアラ)
赤とピンクを混ぜたような髪、黒は好まずカラフルなドレスを纏っている。こちらも肌が白く、少女という呼び方が似合っている。
「おう姫冠。かわええやろ。」
姫冠は、不満そうに頬をふくらませた。
「これで何匹目?」
常闇は、「うーん」と言って考える。
「わからん。まぁでもええやないか!」
ニカッと笑う常闇を見て、姫冠はため息
「とにかく、今日の予定は、楽園に行ってポピーに会ってくること。最近若者の死者が増えて大変なんだから。」
常闇は興味なさげに猫と戯れている。
「聞いてる?」
「誰が死のうが、アタシにゃ関係ないね。」
姫冠は首を振った。
「やっぱり常闇は常闇だわ。」
そういって部屋を出ていった。
これが日常風景。
「…………楽園ねぇ…………若者の死者ねぇ…………」
常闇は顎をさすった。
そして、机の上に落ちているオルゴールを見てニヤリと笑う。
「そろそろええかもしれん。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?