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レデラジ♯17 LDのある子どもたちのためのサイト「カラフルバード」の取り組みとは?

「ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくる」をミッションに活動するLedesone(レデソン)のショートラジオ番組「レデラジ」。

今回は、初のゲストとして、LDの子どもたちのためにさまざまな情報を集めて提供するサイト、「カラフルバード」を主宰しているp&pさんにお越しいただいて、現在の取り組みや、活動内容についてお話をしていただきました。

レデラジはnoteではテキストとして、Spotify、Apple Podcast、Youtubeでは音声でお楽しみいただけます。



Ten
「ひとりひとりが過ごしやすい社会をともにつくる」をミッションに活動する、Ledesoneのショートラジオ番組『レデラジ』。
モデレーターのTenです。

今回は、初めての外部ゲストということでカラフルバードを主宰しているp&pさんにお越しいただいております。p&pさん、よろしくお願いします。

p&p

よろしくお願いします。p&pです。今ご紹介ありましたとおり、LDのための情報収集サイトをやっております。今日はよろしくお願いいたします。簡単に自己紹介させていただくと、私はLDの子どもがいまして、LDの育児5年目です。

いろいろと大変なことがあったので、Twitterの友達と集まって「カラフルバード」というサイトを作りました。そんな経緯で、今回呼んでいただいた感じです。よろしくお願いします。

カラフルバードの活動紹介

Ten

よろしくお願いします。カラフルバードは、今言っていただいたように、LDの子どもたちのためにいろんな情報を集めて提供するサイトということなんですけども、具体的には、どういった情報の提供や活動をされてるんですか?

p&p

「LDについての情報を知りたい」と思った時に、すごい情報がバラバラで困ったという経験がありました。Twitterで情報がいっぱい手に入るようになったんですけども、その情報はどんどんどんどん流れていってしまうので、その情報を溜めておきたいという理由で作りました。

その情報としては、勉強の仕方とか文字の読み書きの仕方もあるんですけども、それ以外にも例えば合理的配慮などをLDの場合はお願いしなきゃいけないことがあるので、そういった…文科省とかいろんな自治体とかが出してる根拠となるような情報をストックしておくような記事を置いていたりしています。

あと、ICT活用の方法が知りたいとか、あとは実際に合理的配慮の実際の事例を知りたいという人が結構いたので、そのデータバンクとして紹介したり。

また、単純にLDのための検査など、知りたいことがひとまとめになっているサイトとしてやってます。

あとはイベントとかもやってまして、サイトから始まったんですけども、理解啓蒙をしたいという想いもあって、そういったイベントや、最近はリアルで「「ぴーちくぱーちく会」」といって、保護者たちの情報交換の場というものを作ってみたりしています。

さらに、保護者だけでなく、先生たちにも使いやすいような資料「ICT読み書きナビ」という資料を作ったりも行っています。

Ten

LDの子の学び方に「カラフルスタディー」っていうのがありますが、これはどういう情報や、何年生くらいの情報が溜まっていたりするんですか?

p&p

はい。そもそもLDの子たちの状態像もいろいろなんですけども、読みが苦手な子向けの「読みの練習の仕方はこうだったよ」とか、書きの苦手な子に対して、書きの苦手さのなかの「平仮名はこうやって、カタカナはこうやって、漢字はこうやったよ」みたいな感じですね。

また、冒頭に注意書きを入れてるんですけども、本当に一人一人状態が違うから、これはうちの子の学び方を紹介してるだけであって、あなたのお子さんに必ず合うわけじゃないですよっていうことで、「あくまで参考にしてくださいね」って書いてあるんです。そういう意味でいろんな学び方がある、学び方が違う子だよねっていうことでやってます。

なので、型にはめて、「LDだからビジョントレーニングして」、「LDだから○○トレーニングして」っていうわけじゃないよというところを、いっぱい出していきたいなということで、いろんな学び方を、小学生の読み書きから中学生のICTの活用まで紹介しています。

Ten

なるほど。確かに一人一人の学び方ってやっぱり全然違いますよね。いろんな人の学び方が「あくまでもうちの子の場合は」というようなことをお伝えすることによって、Aさんのこの学び方、Bさんのこの学び方、Cさんのこの学び方、それぞれをちょっといろいろ試してみることができたりしますもんね。

p&p

そうですね。いろいろな方法をいろいろご紹介したいという感じですね。

ICTツールの活用と具体例

Ten

具体的にはICT教材の学び方とか使い方とかですか?

p&p

そうですね、ギガスクール構想が始まってから、持ち込みじゃなくても、学校の端末でノートテイクができるようになったりはしているんですけど、実際問題、学校の先生たちもどうやったらいいか分からないみたいな感じもあったりします。

あとは学校の端末でやらなきゃいけないという縛りが生まれたりとかしています。「ipadのGoodNote使えばいいじゃん」って言っても、GoodNoteは有料だから学校で使えないとか…そういうのがいろいろある。

そういう意味で、始まりはうちの自治体ではsurfaceだったので、OneNoteが使えるから、OneNoteでどうやってノートを取るか?から始めたんですけど、結構それも好評です。

ギガ端末でノートテイクをする方法なども知りたいという人がいたので、イベントで使い方講座をやったりしました。今は働き方改革もあるので、先生たちに「全部教えてくれ」とも言えないので(笑)。家でできるようになっておくと、そのうち使いたいときに「使いたいです」って言えるようになるといいかなって思って、タブレット活用講座をやってます。

記事としてもやっぱりギガ端末でノートテイクをする方法の記事は、人気の記事の一つになってますね。

Ten

LDの子どもって「ICT使えばいい」と言われたりするけど、でも結局どのICTを使えばいいのかが分からなかったりしますよね。やっぱり親もそのツールに強いわけじゃなかったりするじゃないですか。そんな状況の中、「どれから始めたらいい?」みたいな感じになったりとかするので、こういった情報はめっちゃ役立つなって思いますね。

p&p

やっぱり知らないことには試せないし、やってみて「使える!」って思う経験がない限りは、子どもたちも学校で使う気にはならないはずなので。

かといって、全く知らない状態だとスタートにも立てないから、とにかく知ることがスタート。ちょっと私は情報過多になってしまいがちなんですけども、取り入れられるかもしれない選択肢だけは知る経験をしてほしいなということでやっているかなって感じですね。

「ぴーちくぱーちく会」などのイベントとコミュニティ活動

Ten

このサイト以外の取り組みとして、「ぴーちくぱーちく会」というのがあるということですが、こちらはどのような取り組みなんですか?

p&p

はい。やっぱりWEBだけでは伝えきれない話っていうのはあって、かつ、リアルな情報のやりとりがしたいという方々が、リアルで出会う会としてやっています。あとは情報交換の場として、地域性とかもあるので、やっぱり実際に会って喋れると深掘りして語れるっていう点で、お母様方、お父様方のストレス発散の場にもなりつつ、実際のリアルのブラッシュアップするような場にもなりつつ…という感じに最近はなってるのかなと思います。

あとは実際にギガ端末を持ち寄ってくれる人がいて、「お宅の端末だとこれできるね!」とか(笑)、そういう実際のものを触りながらできるのもメリットかなと思ってます。

Ten

なるほど。確かにさっきのICTの部分でも、研修とかで教えられるのではなく、具体的に実際の端末をどう使ったらいいのかみたいなことは、やっぱり実際に使っている人から聞くのが一番ですよね。

p&p

そうですね。今までで一番面白かったのは、OneNoteが入ってるはずの自治体の端末をお持ちの方が、「うちの自治体(の端末には)入ってないですよ」って言ってタブレット広げてくれた瞬間、アイコンがあったことがありました。「あるじゃないですか、ここに!」みたいな話になって(笑)。

そのくらいに意外と気づかない…気づかないというか、探そうと思わなければ知らないままで、もったいない。だからなるべく今ある端末をいかに使うか。「もったいないじゃない」ってところでギガ端末情報を出してます。

Ten

なるほど。確かにその辺が詳しくなかったら、このアプリがなにで、どうやって使うのかわからないみたいな感じになったりしますよね。「今言ってるアプリってどれ?」みたいな感じになりますもんね。

p&p

やっぱり見慣れてないものは使いこなせないので、一度リアルでやってみると「それだったか!」って感じで(笑)喜んで帰っていただけることは結構ある。リアル会はリアル会でやっぱりいいですね。

Ten

「ぴーちくぱーちく会」では、学びであったりとか、アプリの使い方以外にもよく話題に上がる話はありますか?お聞きしてもよいものがあればぜひ伺いたいです。

p&p

やっぱり「合理的配慮の求め方はどうやってやった?」とかですね。そのあたりって結構ニュアンスも含めて、作戦的なものとかもいろいろあるし、その辺の細かいニュアンスを伝えられるのは、やっぱりあります。

どういう風に建設的な対話を積み上げていくかみたいなところも、WEBだけで探してたりすると、やっぱり自分の考え方だけで検索しててしまうじゃないですか。

それがリアルで複数人がいたりすると、もうちょっと広い視野で話を聞けるきっかけにもなるようなので、そういう意味でも結構広い気づきが得られたという感想をいただくこともありますね。

Ten

なるほどですね。合理的配慮の求め方って結構難しいですよね。この学校ではこういう風にしていけたけど、この学校でむずかしいみたいなのも…。

p&p

ありますね。同じ自治体内でもあったりする。あとはやっぱり前例がなければ、やっちゃいけないわけではもちろんないんだけども、前例がある方がより話が進みやすかったりもするので、そのあたりもリアル会の方がより話がしやすくて、情報提供のやり取りもしやすいのかなっていう感じはありますね。

TEn

なるほどですね。カラフルバードのサイトを見てる人や、「ぴーちくぱーちく会」に参加してる人とかで、LDの保護者だけじゃなくて学校の先生なども来ていますか?

p&p

そうですね。支援者の方々もいらっしゃる時もあります。7月にやったような、井上賞子先生を呼んだイベントとかだと、先生が3分の1ぐらい来ていただいたりということもありました。

あとは、最近は自治体のPTAのイベントに呼んでもらって、私がICT活用講座やったりとか、あとは都立学校の方で呼ばれてICTの講座やったりとか。

ことばの教室の先生に呼ばれて、ICTの活用講座とかをやったりもしています。それで最近作ったICT読み書きナビは、初めは先生向け、支援者向けに作った資料を最近公開して、noteで販売させていただいています。学校側が環境を整えれば使えるICTのものもあるので、単純にアプリの紹介だけじゃありません。

個人的に私がここがツボだなと思ってるのは、「連絡帳を写す練習じゃなくて、連絡帳をGoogle Classroomで流せばいいじゃないですか?」みたいな、「Teamsで流せばいいじゃないですか」みたいな、そういう提案をする点です。

スライド授業をやってるところでは、授業が終わった後にスライドをくれる中学校とかもあるんですよ。ICTの活用をしようとするときに、「プログラミングだ」っていうよりは、実際学校で勉強する時にどういう風に活用してもらえれば勉強がしやすくなるかってところも含めて、このICT読み書きナビには入れ込んでいます。

「アプリの使い方じゃないんだ」って言われるかもしれないんですけど(笑)。でも運用の方法のちょっとした工夫でやりやすくなると思うところをご提案してるので、支援者・先生向けに作りましたっていうのはそういう点もあります。

Ten

そういうサイトであったりとか、リアルな会だけじゃなくて、先生をちゃんと活用してもらえるようにとか、支援を広げてもらえるように、出張講座とかも今、進めていってるんですね。

p&p

はい。少しずつお声をいただいて、行かせていただいております。

Ten

ありがとうございます。ということで、今回はカラフルバードのp&pさんに現在の取り組みや、活動内容についてお話をしていただきました。

次回はカラフルバードの立ち上げ背景や、どういった形でこのサイトを立ち上げていったのか、現在のイベントや、ほかの取り組みに繋げていったのかをお聞きしていければなと思います。

今回はありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。

p&p

はい、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

Ten

今回もレデラジをお聞きいただきありがとうございます。

レデラジでは感想やご意見の他に「こんなトピックを取り上げてほしい!」などのコメントも大募集しています。
次回のレデラジもお楽しみに!


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