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伝承と障害児の食べ物

まだうちの子供が小さいころ、「病気の子供には何を食べさせるか」という話をしていた時、シッターさんはこんな風に言いました。

「そういえば私は昔北海道で仕事をしてたんだけど、アイヌのおじいちゃんからこんな話を聞いたことがあるの。歩みの遅い子供、あなたの子みたいなね。そういう子どもには新巻鮭の頭の中の軟骨を、あ、氷頭っていうんだけどそれをね塩味がついてるから水でもどしてね、それから砕いて子供に食べさせると良いってきいたことがあるのよ。なんかね、そのままの軟骨じゃあダメだって言ってた。ようはルイベよ!ルイベ!軟骨だから多分コラーゲンなんだとは思うんだけど、それを塩漬けにして時間が経つと変質してね、それが歩けない子供にいいんだって。私が若い頃のことだから教えてくれたおじいちゃんなんてもうとっくに死んじゃってて、もう一度話を聞きたいと思っても無理かもしれないけど、ちょっと頑張って思い出すわ。なんか当時鮭の食べ方をいろいろ教わってる時にそういうことを言う人がいてね。なんだっけ、いくらじゃなくてすじこがいいのよ。いくらはもうぬるぬるがなくなってるでしょ?すじこのぬるぬるした部分が子供の病気に良いっていう話をしてた時に、氷頭を戻して砕いたやつはもっといいって話になって教えてくれたのよ。ちょうどその時にいつまでも歩けないっていう子どもがいる人がいて、アイヌのおじいちゃんがすじこのぬるぬるした部分を食わすと良いって言ってたの。でもなんでいいのかは知らないけど、昔からその土地の人間はそうやって子供の病気を治してきたって言ってたの。ほんとかどうかは知らないけど、印象に残ってる。」

この話を聞いてから私はプロテオグリカンを取り寄せました。でも当時は勉強が足りなかったので、これらを組み合わせると良いとは思っていませんでした。鼻軟骨はプロテオグリカンだし、すじこのぬるぬるはN-アセチルノイラミン酸ですよね。

この組み合わせが単体で摂取するよりも良いのではないかと思い始めたのは、玉川温泉でのてんかん発作が原因でした。

実は玉川温泉にいるときに低血糖を起こしててんかん発作を起こしました。朝の7時半くらいから8分間くらいけいれんを起こしていました。脚は硬直して硬くなり、顔の右側半分がヒックヒックとひきつっていました。前日の夕方になぜか寝てしまい、夜も早く寝てしまったので総摂取カロリー量が少なかったのです。あんまんとシーチキンとアイスクリームを食べて寝て、起きてから秋田名物のエイひれの煮ものを食べただけでした。低血糖が怖かったのですがその後すぐに寝てしまいケアがうまくいきませんでした。案の定朝方になって発作を起こしました。低血糖だと思いました。体も妙に冷えていて嫌な予感はしていたんです。

玉川温泉は救急車を呼んでも最短でも1時間は来ません。往復で2時間なので救急車が到着するのを待っていられないと思いました。私は発作が落ち着いてきたと同時にブドウ糖を飲ませて様子を見ました。すると不思議なくらいに症状が改善するのが早かったのです。発作自体はそこそこ大きな発作だったのに、回復後数時間でいつも通り元気になって歩き回って遊んでいたんです。いつもなら数日はごろごろとしているのに。

いつもと違う。
これは何かがある。

そう感じて昨日食べたものを思い出しました。あんまんはいつも食べているあんまんでした。前の日もその前の日も食べていたので違います。シーチキンもアイスクリームもそうです。違ったのは、カスベの煮ものだけです。カスベにはN-アセチルノイラミン酸が含まれています。

「てんかん」と「N-アセチルノイラミン酸」で検索してみたところ、てんかんの治療にシアル酸を使っているという論文を発見しました。

「糖鎖がサプリメントではなくちゃんと薬として使われている」

それですぐにプロテオグリカンの先生に電話でそのことを伝えてみたのです。

すると先生は大喜び。

「カスベにはシアル酸もプロテオグリカンも両方含まれているんですよ。それはおそらくシアル酸だけが効いたのではなくて両方一緒に取ったことによって効いていると思います。僕も以前プロテオグリカンをカスベから抽出しようと考えたことがあったんですがカスベは意外と高価でコスト的に折り合いがつかなかったのでやめました。でもお母さんそれはいい発見ですよ。絶対にそうです。ちょっと僕も調べてみます。でも発作がおおごとにならなくて本当に良かった」

持つべきものは知識の宝庫の先生ですね。あっという間に答えが出ました。アイヌの話と組み合わせるとなおさらこの糖鎖2つは同時に取るべきだと思いました。

とにかく秋田にいるときは冷凍のカスベをたくさん買ってきて煮ものを作って食べました。夕方食べてから寝ると朝起きた時にはお肌がツルツルです。シアル酸を取った時でもこんなことはありませんでした。Ⅱ型コラーゲンとプロテオグリカンの組み合わせでもここまでツルツルにはならなかった。素晴らしい~!

魚食べよう~!

それでシアル酸を含む魚の卵をいろいろ試してみたのですが、子供が嫌う魚卵が多くコンスタントに食べさせることは難しかったです。

・すじこ
・ししゃも
・ナマズの卵
・ニジマスの卵

ナマズの卵とか手に入らないでしょ。一応養殖業者に連絡してみたら、「自分のところの繁殖用にしか作っていないから余計に卵だけ売る量がない」とのことでした。でもその時に「癌の患者さんから時々問い合わせがある」と言われたので、みんな狙うところは一緒なのだなと思いました。

結果、カスベ由来のシアル酸サプリメントを苦労してでも飲ませるのが一番楽ということが分かりました。最初のやり方が一番よかった。遠回りしようとすると近道なこともあるのに、近道のように見えても遠回りのこともあります。



それにしても海老好き

ちなみにお寿司屋さんに行くと、このようなものを喜びます。マグロとサーモンと海老ばかり食べます。

海老は間違いなく低緊張型脳性麻痺に良い食べ物です。海老の中にはフォリスタチンという成分が含まれています。特にシャコに多いです。

元々「ミオスタチン」という「これ以上筋肉を作らなくても大丈夫だよ~」という意味の信号を送るメッセージ物質が運動をすると分泌されるのですが、これに対してフォリスタチンは「ミオスタチンはああいってるけどやっぱ筋肉作るホルモン出して~!」というメッセージを送ります。

ミオスタチンが「筋肉を作らなくさせる物質」ならば、フォリスタチンは「筋肉を作らせる物質」ですから、間違いなく海老は大事。実際私の子供は海老が大好物で2~3歳のころに与えたものの中で食べれたのは海老くらいでした。

アンドロゲン補充療法は効果があったけれども、フォリスタチンだって与えたい。与えたいけど薬として売られていないし、食べ物から摂取するのも膨大な海老を食べ続けなければならなくなるから難しい。

インターネットで売られている中国産のフォリスタチンは効果がない偽物だというし、手に入れることはできない。

そういえば古事記の中にはヒルコという脚の悪い子供が登場します。3年経っても歩かなかったので草で編んだ船に入れて川に流されたのですがたどり着いた先で拾われて大切に育てられ、商売の神様の恵比寿様になったとも言われています。恵比須様はいつも鯛を小脇に抱えていますが、「海老で鯛を釣る」ということわざがあるように恵比須様が好きなのは実は海老であって鯛ではないという説があります。海老は足の悪い子を賢く育てる助けになるのでしょうか?

どちらにしても、地道に海老を食べましょうか。

子供の大好物だし。

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