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プロテオグリカンで脳のダメージを修復する

子供が脳性麻痺だと言われてから、「脳細胞の再生」についてずっと調べていました。ダメージを受けていない別の部分がかわりに機能するようになる「脳の可塑性」に関する記述はたくさん見つかるのですが「再生」に関してはとにかく少ないのです。私が「再生させたい」などというと医者は鼻で笑いました。「一度傷ついた脳細胞は再生しない」と。

ですが「プロテオグリカンという成分は脳細胞のダメージを修復する機能がある」という記述をアメリカのサイトで何度も見かけました。ただこのように書いてあるだけなので具体的なことは何もわかりませんでした。「プロテオグリカン」という単語を知った時、私は「糖鎖」という単語も知らないくらい無知でした。だからお医者さんに笑われても仕方なかったと思います。

それから私は糖鎖を意識するようになり、アメリカの論文を読み漁りました。最初はわからない単語だらけなので、頭が痛くなりましたが「わからないことはわからなくてかまわないからとにかくたくさん読みまくろう」と思ってひたすら読みました。

そのころは子供の世話をしながら1日20時間くらい3カ月間は読んでいたと思います。体調も悪くて仕事もできない状況でしたがiPadを片時も離さず、気になるキーワードで検索して出てきた共通する概念や言葉をさらに検索して調べては読みまくる日々。そのころ私は教科書的なものを何も読みませんでした。「習う」やり方の勉強の仕方をしたら、自分の中に発見がなくなってしまうと思ったからです。まるでAIの機械学習のような勉強の仕方の中から、「こういうことなのではないか?」と自分が思いついたことが事実かどうかを教科書的な情報で確認を取る程度にしてひたすらデータを自分の中にインプットしていきました。

実は私は「時間の感覚」がない人間です。時間の感覚がないとどうなるかというと「もう1時間経ったのか~!もうそろそろ疲れた~!こんなに頑張ったんだから休憩したいな~!」という気になることが一切ないのです。10分読んでも1時間読んでも10時間読んでも「10分しか読んでないのと同じ感覚」なわけです。全く疲れない。体は多少疲れますが気持ちの面では疲れていないのでいくらでも取り組めます。だから論文を1日20時間読んでも平気です。曜日の感覚もないので毎日勉強し続けても「休みがないとつらい」という感覚もないのです。

だから一度1つのことについて勉強しようと思うと異常な集中力で勉強できるのです。子供の頃、私の母親はそんな私を見て異常さを感じて「1つのことばかりそんなにしないで」とよく言っていました。当時は発達障害という言葉が一般的でなかったのですが私は明らかに発達障害だったのだと思います。私は学校の勉強は苦手でしたがIQは高く小学校の時に200を超えていました。高いIQに期待する周囲の大人と自分の低い学習能力のはざまで苦しみました。それでも糖鎖と出会ってその悩みは吹き飛びました。ただただ、勉強することが楽しいのです。

そして私は自分のことがとても好きなので、自分の才能をうまく活かす方法を考えることも好きです。変態級の集中力で読み漁った論文はいくつもの発見を私にもたらしました。

子供の病気を治してやりたいと思って始めた勉強でしたが、私は思った以上に勉強にのめりこんでいきました。知れば知るほど面白い。わからないことがあるからこそもっと知りたいと思ってしまう。難しいから楽しい!

その中で特に面白いと思ったのが「プロテオグリカン」と「N-アセチルノイラミン酸」です。どちらもゴルジ体で生産されている糖鎖です。

「脳細胞を修復するメカニズムを正しく知りたい」と思い、私は生産メーカーに問い合わせて専門家の先生に詳しく教えていただきました。私は仕事をしながら子育てをしていたので大学に行く余裕もありません。親切な先生方のおかげで少しずつ生化学を理解していきました。いくつもの会社に問い合わせをして研究者を紹介してもらい、自分が勉強した中で生じた疑問をぶつけました。

「習うのではなく、自分で見つける」というやり方で学んだらどうしても抜けができます。そこを先生たちに補完していただきました。皆さん真剣に答えてくださって、その中からお互いに利益になる発見がたくさんありました。

「あなたはその勉強の仕方でいい。足りないことはその都度専門家に頼ればいい。すべてわかる人なんていないしすべて習えない。今のやり方がいちばん効率がよくゴールにたどり着ける」と言われました。

私にとってのゴールとは「ダメージを受けた脳細胞を修復する仕組みについて解明する」ということです。

そしてそれはやはり「プロテオグリカン」にありました。最初から私はゴールにたどり着いていたのにあれこれと回り道をして結局戻ってきたんです。その過程でレクチンに関する特殊な食事療法を見つけただけで、本当に大切なことは脳代謝について調べ始めた頃に出てきたあの糖鎖だったのです。

プロテオグリカンで脳性麻痺を治す方法がよくわかっていないうちから私は子供にそれを与えていました。今はもう少しわかるようになっていますが当時は無知だったのでただ与えていました。休薬期と投薬期に分けたり、与える量に関して気を使っていました。


プロテオグリカンの与え方

・1日に与える量は10mg~15mg
・添加物なしのピュアパウダーで与える
・寝る前か夕食後に与える
・空気にさらすと水分を吸収して雑菌が増えるのでできるだけ早めに食べきる
・電気的にはマイナスの物質なのでプラスのイオンを持つミネラルなどは一緒にとらないようにする(カルシウムやカリウムなど)
・休薬期(2週間で3度)と投薬期(6カ月)に分ける
・あらかじめ口の中を氷やアイスクリームで冷やしておいて、水で濡らした指にプロテオグリカンをつけて口内に塗るようにして、ゴックンと飲み込ませないようにする

当時は1日に与える量は10mg~15mgで与えましたがこれでもかなり多かったように思います。与えすぎてしんどくなった日もありました。

飲ませるときに水などで流し込むと胃に落ちてしまいます。のどの粘膜を冷やしておいてそこから時間をかけて吸収させるようにすると良いです。この飲み方をすると体調の違いを感じます。たったそれだけの違いで?!と疑う人は多いですがやってみたらわかります。普通に飲ませてしまうと胃で分解されてただのアミノ酸になってしまいます。

添加物の入っていないプロテオグリカンを手に入れて計画的に投薬することはとても難しいです。必要量が少量すぎて計測することが難しいです。微量の薬を測れるスケールを買ったのですがなかなかうまく使いこなせませんでした。量が多ければ苦しみます。どのタイミングで与えるかも重要です。寝る前に与えた時がいちばんしっくりと来ました。

またプロテオグリカンが脳細胞を修復する効果がありますが、多すぎると今度は脳細胞が増えるのを阻害すると言われています。多すぎてはいけないのです。

休薬期は思った以上に長い方がいいです。最初に相談した先生は「1カ月投薬したら3カ月休んだ方がいい」と言われていましたが、半年くらい開けてちょうどいいと思いました。これによってホルモン量が大きく変動するので連用すると脳に対する被害は強く、運が悪ければ死んでしまう可能性もあると思います。

当時は「プロテオグリカンを摂取するとダメージが修復される」などと思い込んでいたのですが実際に脳の中で起きていたことはそんなに単純なことではありませんでした。プロテオグリカンを脳の治療に利用しようとしている人は世界中にいますがまだ研究段階で一般的ではありません。認知症の治療に使おうとしている研究者もいますが、子供に使った人はいませんでした。何もわからないときに使ってたまたま良い方向に行ったことは幸運でしかありません。今思うと恐ろしくなります。


プロテオグリカンによる脳の変化

こちらがプロテオグリカンを与える前の頭部MRIの画像です。2018年10月頃になります。白い部分が出血してダメージがあったところ。白質化下部分はクッキリとわかります。この後プロテオグリカンを与え始めました。

そして2020年5月の段階の段階では脳は育っていて白く変色していた部分は見当たりません。この時期に行ったことはレクチンフリーとプロテオグリカンの摂取が中心です。

多少スカスカしたように見える部分もありますが順調に脳細胞が増えています。

この頃大きく変わったと思ったことはお絵描きの時に丸が描けるようになったことです。それまではロシア語の筆記体ようにガシャガシャと線を書くだけでしたが丸が描けるようになったので渦巻も描き始めました。

言葉の理解や運動能力も上がり、「成長した」と実感しました。


ただいいことばかりではありません。この時のMRIで気になることが1つありました。

脳下垂体がまるでエメンタールチーズのように穴が開いているような形に見えたのです。黒く空洞になっていたスカスカしていました。「あれ?うちの子脳下垂体ない???」などと思うようなレベルで見当たらず先生と探したほどです。

それから私は「髄消化を進めることに取り組む必要がある」と考えるようになりました。

それまでの私は「グリア細胞」の存在に振り回されていたように思います。ですがこの頃から「髄消」というものを理解できるようになると、てんかんやけいれんの発作の対応がうまくいくようになりました。「もっと早くこれがわかっていれば何度も苦しませることもなかったのに」と思うことだらけです。

次回からは、髄消化のためにしたことをご紹介します。




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