見出し画像

K2シロップの危険性

もしももう一度子供が生まれたその日に戻れるとしたら

私はまずビタミンK2シロップを飲まさなかった。あれを飲んだ直後から容体が急変して呼吸が止まってしまったから。チアノーゼが出て新生児科に救急搬送されて、一度は死んで蘇生されて先生たちは「生まれつき病気だったに違いない」と言ったけど、それは「K2シロップに含まれている人工甘味料を代謝できなくて苦しむ」という種類の病気だったのだと今はわかる。

それにあの人工甘味料は脳にダメージができてしまった子供の身体では代謝できないから、蘇生されて生き返ったとしてもその後も飲むことはできない。

そのころ誰もそれを知らずにいて、先生も看護師さんも「子供はみんなこれを飲むから」と言って与え、それが当たり前すぎる常識であるがゆえに「飲ませるたびに苦しんでいておかしい」という私の声は誰にも届かず飲まされ続けた。今なら絶対にさせないし考えられない。だって今ですらたった1回アセスルファムカリウムを食べるだけで意識不明になるのに。

でも後で振り返ってみると、脳性麻痺の子供の予後が悪いことの多くが「普通の子供と同じことを」という前提で行われている当たり前の「体に良いこと」が逆効果で、効果のある事のほとんどが「当たり前が当たり前jじゃない」ってことに気づくところから始まっていました。

脳にダメージがあった子供の脳は膨大な糖を必要としています。私が糖質をたくさん与えるということを知った人の多くは「糖は毒よ?」などと言って糖質制限を進めてきます。脳は糖をエネルギーとしているのですが「ダイエット」を前提とした考え方が常識のようになっていて、抵抗のある人が多いようです。「野菜を食べない」ということもそうです。

病気の子供は体を強くするためにもバランスの良い食事を心がけて野菜をたくさん食べさせたほうが良いだろうと言われていて、支援学校の給食にも野菜がたくさん含まれています。特に大豆への信仰は強く、どこに行っても誰に会っても「大豆は栄養があるから」と言われるのですが、生体異物てんこもりの大豆を脳にダメージのある低緊張タイプの子供が食べると苦しみます。

低緊張型の脳性麻痺は体の糖鎖が溶けすぎることが筋力を作れない最大の問題です。体の粘膜がはがれやすいのです。口の中は炎症を起こしやすく舌のこけははがれ、それがはがれているときはよだれをたくさん流し体がぐにゃぐにゃとぬいぐるみのようで、粘膜のはがれ具合と具合の悪さは比例します。その粘膜の名前はムコ多糖類と言います。風邪になると子供によく出されるのが「ムコダイン」というお薬です。カルボシステインという名前でも販売されています。これはムコ多糖類を減らして喉をスッキリさせようというお薬なので、命とりです。激しく苦しみます。でも小児科で「ムコダインを飲むと苦しむ」というと「薬を与えるのがへたくそなお母さん」と言われ、真剣に聞いてはもらえませんでした。その後糖鎖について勉強すると、どれだけ危険な薬であったのかわかります。とても簡単なことだったのに、当時はわかりませんでした。

あの頃は私はまだお医者さんというものを信頼していました。たくさん勉強しているのだから知識も経験もあるのだろうと。でもそれはことごとく裏切られ、自分で勉強しなければ誰も勉強してくれないのだとわかるまで私の子供は「常識的な治療」によって苦しめ続けられました。

あの頃の私にもし自分が今アドバイスできるとしたら「医者がそういっても自分が見ておかしいと思ったら薬を与えるのをやめていい」と言いたいです。「みんなこうしてるから」は「病気の子供には当てはまらない」と正々堂々と言っていいのだと。

親は「いつもと違う」ということに敏感になって、自分の頭で考えるべきです。「この薬を与えると苦しむんです」と言ったときに、「だってあなたの子供は病気なんだから苦しんでいて当たり前でしょう。この薬のせいじゃない。」と言う医者がいたら二度とその病院には行かなくていい。無知な医者と共倒れしてはならないんです。いい大学を出たことを自慢して賢いアピールをしていても知恵のない医者はいるんです。検査結果の数字ばかり見て子供を見ず、何もできない医者に限って常識的なことを言ってきます。

「ムコダインは安全で副作用などない薬」と。

すべての人に副作用のない薬など存在しません。だから薬を与えるときはいつも疑っていい。常に疑っていい。薬に限らず食べ物でもなんでも、様子がおかしかったら、「これはおかしいんじゃないか?」と思えばそれを避けるべきです。

でも私はそれが最初難しかった。お医者さんを信じていたので、長い間子供を苦しませてしまった。

K2シロップを飲ませるたびに様子がおかしくなることを医者に訴え、「なに変なこと言ってんのこのお母さん」というあきれた顔をするお医者さんたちの圧力に負けて与え続けてしまった自分を恥ずかしく思います。


病気の子供を育てるときに最も大切なことは、「おかしいと思ったら、与えない。たとえそれが常識的にありえないことだったとしても」というとてもシンプルなことで、案外現代人には難しいことです。

でも子供を毎日ちゃんと見ていたらわかるはず。

子供が嫌がるものはやめてあげるだけで、いいのだから。


画像1














この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?