見出し画像

生体異物除去食で食べられるもの食べられないもの

では具体的に何が食べられるのかを説明していきたいと思います。

レクチン高含有食品を除去する場合は「生体異物除去食」を、積極的に取る場合は「レクチン高含有食品」の項目を参考にし、食べられるものを確認してみてください。

理論上食べられるものと食べられないものを分けたうえで、例外を書き加えてあります。この例外は私たち親子が食べて確認したものをあげていきます。おそらくポリフェノールやテルペンを含む物質、P糖たんぱく質の基質になる成分を含んでいる場合などは基本的なルールからは外れるはずです。これは研究が進まない限りは理由がわからないものですがわかり次第修正を加えていきます。

生体異物除去食で食べられるもの

1 穀類:もち米、低アミロース米
2 いも及びでん粉類:一切なし
3 砂糖及び甘味類:ブドウ糖、てんさい糖、果糖
4 豆類:砂糖で味をつけてある餡子(小豆)、醤油、味噌、納豆
5 種実類:麻の実
6 野菜類:キャベツ、白菜、大根、かぶを加熱したもの、広島菜の加工品、わさび、ホースラディッシュ、マコモタケ、加工済みのラッキョウ、サンチュ
7 果実類:あんず、加工済みの梅、ココナッツ、乾燥なつめ、プラム、プルーン、みかん、リンゴ(種類による)
8 きのこ類:なし
9 藻類:昆布、干しわかめ
10 魚介類:アジ、タイ、いさき、いわし、いかなご、めざし、しらす、エイ、おこぜ、カツオ、かます、カレイ、かわはぎ、きす、ギンダラ、鯉、このしろ、ます、さば、さより、さわら、さんま、スズキ、太刀魚、タラ、にしん、ぶり、ひらめ、ほっけ、まぐろ(〇くろまぐろ、みなみまぐろ、めばちまぐろ△キハダマグロ、ビンチョウマグロ)、まながつお、むつ、めばる、メルルーサ、シジミ、えび、かに、おきあみ、しゃこ
11 肉類:うさぎ、牛(肩、肩ロース、リブロース、サーロイン、ばら、もも、ランプ、ヒレ、チレ、ホホ)、鶏肉のせせり・もも肉・手羽、ハムなどに加工した豚肉、羊、ヤギ、七面鳥
12 卵類:鶏卵(白身)
13 乳類:脱脂粉乳、アイスクリームの一部
14 油脂類:キャノーラ油、ヤシ油
15 菓子類:もなか(ものによる)、飴玉(ものによる)、揚げせんべい(米菓)、揚げパン、クロワッサン、蒸しパン、ういろう、かしわもち、カステラ、きんつば、みたらし団子、草餅、大福、スポンジケーキ、シュークリーム、デニッシュペストリー、パイ、しるこ
16 し好飲料類:甘酒、昆布茶、炭酸水
17 調味料及び香辛料類:醤油、精製塩、リンゴ酢、かつおだし、こんぶだし、すし酢、マヨネーズ、味噌、酒かす、わさび、ベーキングパウダー


注意すべき点

・米に関しては外側のぬかの部分に多くレクチンが含まれるので食べる際は玄米は避け、白米であっても食べる直前に精米して上白まで磨いてから洗って炊くと良いです。もち米はアミラーゼを多く必要としない低アミロース米であるので問題なく食べられる。もち米を親に持つコシヒカリは食べても問題がないことが多い。もちもちとした米はアミロースが少なく、ぱさぱさとした米はアミロースが多い。タイ米のような米などは食べる際に酵素を浪費してしまうので、除去する場合は米の品種に気を配るべきです。ただしその年の梅雨時期の降水量や農家さんが与えた肥料の質などによってアミロースの量は変化します。品種の枠を超えて大きく変動する要素なので一概に品種だけで米を選ぶことは難しく、新米の時期になるたびに考えなければならない問題です。もち米であれば全く問題はないけれど毎日もち米ばかりを食べるのは苦痛に感じる人もいるし、咀嚼機能の発達していない子供には難しいので、食べてみてある程度折り合いをつけられる米を見つける必要があります。

・糖類は単糖類しか食べられない。理由は二糖類分解酵素が増えると糖鎖も分解されてしまうので問題が生じる。そこで単糖類を食べるようにしたいのだけど、ブドウ糖と果糖を両方使うと差しさわりがあることが多いのでどちらかにしたほうが良いです。てんさい糖はオリゴ糖も入っていますがなぜか問題が起きにくいです。ただし大量に取ると具合が悪くなることもあるので量に注意。

・豆類はササゲ目とインゲン目に分かれます。インゲン目はすべて食べることができません。ササゲ目に関しては、砂糖で味をつけた小豆に関しては食べることができます。砂糖を使わず人工甘味料を使用したものは下痢をしました。レクチンは砂糖と一部のオリゴ糖と結合させた場合不活性化することがありますが完全ではありません。きちんと調理されたものに関しては食べられますが市販の商品で裏書に「小豆、砂糖、塩」と記載されていても安い商品の場合はスクラロースなどがこっそり使われているのか、具合が悪くなることがあるので食品偽装があったのかなと思うことがあります。このため自分が調理した餡子以外しか信用できないので食べたくなったら自分で煮て作ります。なお、皮の部分にレクチンが多いので「粒あん」よりは「こしあん」のほうが安全です。レクチンが世の中で一番多いのは白いんげん豆なのですが白あんはこしあんはあっても粒あんはありませんよね。小豆で作られた色の黒い餡子もこしあんのほうが良いと思います。

・アブラナ科でも食べられないものがあります。たとえばコールラビです。カイワレ大根は大根ですが芽なので食べられませんでした。コールラビは根っこに近い部分です。大根は根っこが食べられるのになぜコールラビはダメなのかいまいちしっくりきません。切り干し大根にすると食べられなくなります。ケールやしろな・水菜・小松菜も一見問題がなさそうに見えますが、食物繊維がしっかりと固いものは具合が悪くなることが多いです。広島菜は食べられます。キャベツや白菜も生だとおなかに厳しいので加熱してからでないと食べれません。塩漬けやコールスローにして長時間置いておいたものなどは食べられます。菜の花は花の部分なので食べられませんが、アブラナの実からとったはずのキャノーラ油は問題なく食べられます。アブラナ科の辛み成分がしっかりとした野菜は食べると具合が悪くなることがあって、ルッコラ・からし菜などは食べられません。ですがワサビは食べれるのでアブラナ科には矛盾が多々あります。

・魚介類に関しては切り身になる魚はOK、貝はほとんどダメ。ヌルヌルしたものが食べられないので見た目で判断してよいと思います。

・肉はロースなどの筋肉は食べられるが内臓はアクが多いので食べられません。加工品はビーフジャーキーは塩だけで作ってあれば食べられます。ローストビーフは問題なく食べれるけれど調味液にスパイスが入っていると難しく、焼き豚・ソーセージは脂が多いものは食べられない。加工肉の場合は添加物の影響の方が強いはずです。

・鶏卵はカラザの部分に糖鎖が含まれます。卵白は問題なく食べられるが卵黄の卵膜の部分を代謝できるかは人それぞれ。全卵が食べられるのはある程度体が正常に育った時なので子供が小さいうちや体調の悪い時は難しいかもしれません。

・基本的にパンは小麦製品なので食べられないけれど、クロワッサンのようにバターを沢山使って焼いてある場合は高温調理になるのでグルテンが壊れて食べられることもあります。ただしきちんとした材料で焼いてある場合に限る。そして同じ理由でラングドシャのようなクッキーも食べることができる。シュークリーム、デニッシュペストリー、パイも正しい作り方をしてあるものに限り食べることができるものの、安価な商品は食べることができません。

・アルコール類に関して言うと、材料になった植物の多くが双子葉合弁花類なので食べることができないです。逆を言うと酒を造ることができる植物はレクチンが多いともいえます。

・茶の木は双子葉合弁花類なので抹茶も緑茶も紅茶もすべて元の植物は同じなので飲むことはできないです。ほうじ茶の場合は多少飲めるけれど量が多くなれば同じこと。色と味のついた飲み物はどれもよくないと言えるでしょう。となるとおいしい水にこだわって飲むしかなくなりますが「シリカ水」などは不適切です。なぜならシリカはリソソームの膜に穴をあけてしまい正しく代謝が行われなくなる可能性があります。シリカ水以外の水を飲みましょう。

・昆虫はトレハロースを含むものに関してはトレハラーゼを必要としてしまうので食べてはならないと思います。



結局のところ生体異物除去食とは「とりあえず魚と肉の切り身を食っとけ」という一言で決着がつきます。

そして明治時代以降に日本に海外から入ってきた食べ物はどれも食べることができません。生野菜を食べず、魚中心の食生活をしていた昔の日本人のごはんって案外生体異物除去食だったように思えます。お寿司やお刺身、煮魚や天ぷらといった普通の和食は問題なく食べられますし、野菜も発酵させれば食べられます。

これは日本人のための日本人らしい食事方法なのではないかと思います。



生体異物除去食で食べられないものイコールレクチン高含有食で食べたほうがいいもの

1 穀類:アマランサス、あわ、えんばく、大麦、オートミール、きび、小麦、小麦粉、小麦胚芽、餃子の皮、ピザ生地、パン、ライ麦、うどん、そうめん、ひやむぎ、マカロニ、麩、パン粉、米(玄米、高アミロース米)、はったい粉、そば、そば粉、とうもろこし、コーンミール、ポップコーン、コーンフレーク、はとむぎ、ライ麦
2 いも及びでん粉類:菊芋、こんにゃく、しらたき、さつまいも、紫いも、里芋、たけのこ、じゃがいも、ヤーコン、長芋、自然薯、片栗粉、タピオカ、コーンスターチ、くずきり、くずもち、春雨
3 砂糖及び甘味類:黒砂糖、和三盆糖、上白糖、三温糖、ざらめ、グラニュー糖、コーヒーシュガー、粉糖、糖蜜、水あめ、ブドウ糖果糖液糖、黒蜜、はちみつ、メープルシロップ
4 豆類:インゲンマメ、えんどう、そらまめ、大豆、豆腐、油揚げ、おから、豆乳、ゆば、ひよこまめ、もやし、落花生、緑豆、レンズマメ
5 種実類:アーモンド、アーモンドミルク、亜麻仁、えごま、カシューナッツ、かぼちゃ、ぎんなん、クリ、けし、ごま、ひまわり、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、松、ピーナツバター
6 野菜類:アーティチョーク、あさつき、明日葉、アスパラガス、アロエ、うど、えだまめ、エシャロット、豆苗、グリーンピース、しろな、おかひじき、オクラ、カリフラワー、からしな、キク、かんぴょう、きゅうり、行者ニンニク、クレソン、くわい、ケール、クレソン、コールラビ、ごぼう、こまつな、ザーサイ、しかくまめ、ししとう、しそ、春菊、じゅんさい、生姜、しろうり、ずいき、ズッキーニ、せり、セロリ、ぜんまい、タアサイ、カイワレ大根、切り干し大根、高菜、たけのこ、たまねぎ、ねぎ、チコリ、チンゲン菜、つくし、つるな、つるむらさき、とうがらし、とうがん、トマト、なす、なずな、にがうり、ニラ、黄ニラ、人参、ニンニク、野沢菜、パクチョイ、バジル、パセリ、はつか大根、はやとうり、ビーツ、ピーマン、ふき、ふきのとう、ブロッコリー、ほうれん草、水菜、三つ葉、むかご、モロヘイヤ、ゆり根、エシャロット、リーキ、ルバーブ、レタス、わけぎ、ルッコラ、わらび
7 果実類:あけび、アセロラ、アテモヤ、アボカド、いちご、オリーブ、柿、かりん、かぼす、温州ミカン、きんかん、グレープフルーツ、シークワーサー、スイーティー、ゆず、キウイフルーツ、ライム、レモン、グァバ、さくらんぼ、ざくろ、パイナップル、パッションフルーツ、バナナ、パパイア、ドラゴンフルーツ、びわ、ブドウ、ブルーベリー、マンゴー、マンゴスチン、メロン、もも、ライチ、ラズベリー、レモン
8 きのこ類:えのきだけ、きくらげ、しいたけ(生)、しめじ、なめこ、ひらたけ、エリンギ、マッシュルーム
9 藻類:あおさ、青のり、岩のり、海ブドウ、おごのり、かんてん、ところてん、生わかめ
10 魚介類:あなご、うなぎ、あさり、あわび、牡蛎、サザエ、タイラギ、トリガイ、ばい貝、はまぐり、ホタテ貝、ホッキガイ、ミル貝、イカ、タコ、うに、くらげ、ほや
11 肉類:イノシシ、牛(タン、ハツ、レバー、フワ、サガリ、ミノ、マメ、ハチノス、センマイ、シマチョウ、テッポウ、コブクロ、テール、アキレス)、くじら、鹿、豚、うずら、鴨、雉、鶏肉(内臓とささみとむね肉)、すっぽん
12 卵類:うずら卵
13 乳類:牛乳、生クリーム、ヨーグルト、チーズ、
14 油脂類:亜麻仁油、えごま油、オリーブ油、ゴマ油、米ぬか油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油、ひまわり油、ブドウ油、落花生油、牛脂、ラード、バター、マーガリン、クリーム、ショートニング
15 菓子類:甘納豆、八つ橋、今川焼、かるかん、きび団子、ぎゅうひ、くずもち、くずきり、月餅、桜餅、笹団子、タルト、どら焼き、ねりきり、もなか(ものによる)、飴玉(ものによる)、かりんとう、小麦粉せんべい、そばぼうろ、ぼうろ、らくがん、カレーパン、クリームパン、チョコパン、メロンパン、チーズケーキ、ドーナツ、ホットケーキ、ワッフル、カスタードプリン、牛乳寒天、ゼリー、ババロア、ウエハース、クラッカー、サブレ、クッキー、ビスケット、プレッツェル、コーンスナック、ポテトチップス、、キャラメル、ラムネ、ゼリービーンズ、ドロップ、バタースコッチ、マシュマロ、アーモンドチョコレート、ホワイトチョコレート、ミルクチョコレート、マロングラッセ、ナタデココ、ドライマンゴー、ガム
16 し好飲料類:清酒、ビール、葡萄酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウォッカ、ジン、ラム、みりん、キュラソー、緑茶、抹茶、煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒー、ココア、ホットチョコレート、青汁、スポーツドリンク、コーラー、麦茶、エナジードリンク
17 調味料及び香辛料類:ウスターソース、中濃ソース、濃厚ソース、お好みソース、豆板醤、チリペッパーソース、ラー油、オイスターソース、牡蛎醤油、藻塩、黒酢、バルサミコ酢、ブドウ酢、中華だし、洋風ブイヨン、ごまだれ、デミグラスソース、ナンプラー、ホワイトソース、ミートソース、焼肉のたれ、トマトケチャップ、トマトピューレ、チリソース、ドレッシング、ごまみそ、カレールゥ、ふりかけ、オールスパイス、からし、オニオンパウダー、さんしょう、胡椒、シナモン、クローブ、しょうが、セージ、タイム、唐辛子、ナツメグ、ニンニク、バジル、パセリ、パプリカ、パン酵母

実は、判断がつきかねている食品がいくつかあります。

ハスの実、ピスタチオ、よもぎ、ひじき、もずく、エスカルゴ、とこぶし、セミノール、ネーブル、ドリアン、まいたけ、ギアラ、エンダイブ、ヤングコーン、トレビス、とんぶり、芽キャベツ、まつたけ、スターフルーツ、のびる、キワノ、キャビア、しいら、しらうお、ドジョウ、なまず、はたはた、はも、ふぐ、ふな、ほうぼう、ぼら、やまめ、わかさぎはいまだに除去すべきかどうかを決め切れていません。食べても問題がなかったものもありますが理論上納得がいかないものもあって迷っています。結論が出た際に情報を更新いたします。

次回は、実際にこの食材を使ってどんなメニューを作ればよいかを考えてみましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?