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【落穂拾い】チュートリアル Lesson 3: LED [その2]

初めて訪問いただいた方は 「はじめまして」「用意するもの」もご覧ください。

前回の記事の続きです。未読の方はそちらからどうぞ。


落穂拾い

さて回路を組んでみましたが、こんな疑問が浮かびませんか?

  • 抵抗って必要?電源とLEDがあれば光らせられるんじゃ?

  • 今回Arduino本体って電源としてしか使ってないよね?代わりに電池でも良いんじゃ?

ここではこの2点を確認していこうと思います。

抵抗って必要?電源とLEDがあれば光らせられるんじゃ?

これは初心者あるあるの疑問のようで、検索するとすぐに答えが見つかります。

LEDに大きすぎる電流を流すと壊れてしまいます。流れる電流の値はオームの法則より

I = V/R
# 電流 = 電圧/抵抗

であり、抵抗の大きさに反比例します。

回路から抵抗を外してしまうと上の式の R がほぼ 0 になり、非常に大きな電流が流れ、LEDが壊れてしまうので抵抗は必要、ということになります。
また、このような目的で設置する抵抗のことを「電流制限抵抗」と呼称するそうです。
そして、LED流してよい電流の最大値を「最大定格電流」と呼びます。

ちなみに、理科の実験などで、豆電球を直接乾電池に繋いだ記憶をお持ちの方も多くいらっしゃるでしょう。
あれが何故大丈夫なのかというと、豆電球自身(フィラメント)が比較的大きな抵抗値を持っているからですね。

西餅 (著) 「ハルロック」 第1巻 第1話より

今回Arduino本体って電源としてしか使ってないよね?代わりに電池でも良いんじゃ?

ですよね!ちょうどキットに角形乾電池が付いているのでやってみましょう!!

追加で準備するもの:

  • 9V乾電池(キットに付属)

  • テスター

さて、前節で最大定格電流について触れました。電源の電圧が 5V -> 9V に増えるので流れる電流値がどれくらいになるのか気になりますね。
そもそも、今使っているLEDの最大定格電流はいくつなのでしょう…?

最大定格電流(や、この後登場する順電圧)は、通常は、LEDを購入する際に掲示されていたり、購入製品に付随するデータシートに記載されているようです。
しかしこのキットのLEDはそのような情報がどこにも載っていない…ので計測しましょう!

テスターを使って各部品にかかっている電圧を測定してみます。

220Ωの抵抗にかかっている電圧は約3Vでした!
オームの法則で、これらの数値から回路に流れている電流の大きさを算出すると:

I = 3 / 220 = 0.014

0.014A = 14mA 程度だということがわかりました。

またここで、LEDのプラスとマイナスで電位差(2V)が発生しているのがわかります。この電位差のことを順電圧と呼びます。
順電圧はLEDの種類ごとに決まっています。

計測・計算した結果を図にしてみます:

ちなみに、一般的には、

  • 最大定格電流は 30mA 程度

    • なので LED はだいたい 10mA ~ 20mA 程度の電流を流して使う

  • 順電圧は 1.9V 程度

だそうです。
今回の計測・計算結果も同程度となっていますので、合ってそうですね!

それでは、電源を9Vにした場合を考えてみましょう。
取り合えず抵抗は220Ω据え置きで考えます。

LEDの電圧降下は2Vで変わらないので、抵抗にかかる電圧が 3V -> 7V に増えます。
オームの法則を用いて抵抗に流れる電流、すなわちこの直流回路に流れる電流を求めると:

# I = V/R
I = 7/2200.032

32mA程度になりそうです。
Arduninoを電源にしていた時の2倍の電流が流れてしまうので、問題がありそうです。
(また、前述のとおり、一般的なLEDの最大定格電流は30mA程度なので、やはり問題がありそうです)

じゃあどうすればいいかというと、抵抗を2倍の440Ωにすれば、電流を前回同様16mAにできるのが上の式からわかります。
つまり、220Ω以上の抵抗に付け替えればLEDに正常な電流を流せそうです。

本編で使った1kΩだとどうなるでしょう:

I = 7/1000 = 0.007

7mA で問題なさそうですね。やってみましょう:

というわけで、Arduino抜きでLesson 3の回路を動作させることができました!

この時の回路図を書いて、締めたいと思います。

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