世界にはバイアスが潜んでいる。
「あなたが今とっている行動は、
本当にあなたの意志に基づいていますか?」
自分の意志にもとづいて選択しているつもりが、
動機、目的、感情、美徳、経験則等のフィルターによって、
意志と異なる選択を無意識にとってしまう私たち。
複雑な社会において、最善な選択をするためには、
人間のメカニズムを理解する必要があります。
先日、日経新聞(2021.9.11)は、
<「人=男性?」世界にバイアス>という記事を取り上げました。
ニューヨーク大学とメタ(旧フェイスブック)の科学者が、世界に存在するバイアスの兆候を捉え、警鐘を鳴らしたのです。内容をご紹介すると、
医者は「男性」であるとの前提(バイアス)。
さらには医者に限らず、自動翻訳ソフトは「人=男性」と認識している結果が明らかになりました。
インターネット上の検索で触れる情報が私たちの経験値になるため、仮に赤ちゃんがまっさらな状態で現代社会で育つと、「人間とは男性を指す」と理解してしまうことになるのです。
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折しも同日、米グーグルは国・市場ごとのニーズに応じて検索機能を最適化するニュースを発表しました。
国ごとの文化や社会に精通したチームを置き、ネット広告の精度を向上させ、似たような属性を持つユーザー数百名のグループごとに分けて広告を配信することが可能だそうです。
2つのニュースから、行動科学とモチベーション理論の前提になる「情報」がどのようなシステムで構成されているのか、俯瞰的に見る必要性を示唆しています。
複雑性をManageするために、目の前の情報を反射的に判断せず、鳥の目・虫の目を駆使し、個人・世界に潜むバイアスまで想いを馳せるリーダーがさらに求められそうです。
(文:大谷直樹)
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