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記憶に残る言葉。

何気なく放った言葉のひとつがとても印象に残ることがあります。

それは時に可笑しかったり、心を震わせたりします。また、妙に刺ささったり、場合によっては生き方さえも変えることがあるかもしれません。

ずいぶん前ですが、とんねるずの番組でおねぇタレントのカバちゃんが神妙な表情で『クリスは友達じゃないわよ』と答えた時は、思わず吹き出しそうになりました。

(思い込みはいけません)

ある女性ミュージシャンが『年を取るとギターが重くてしょうがない。若い頃は、そんなことちっとも思わなかったのに。そんな風に考えたりして、みんな音楽を辞めていったりするのかもしれない』とこぼしていました。

(きっかけって、ほんの些細なことから始まる)

友人に『やりたいと思って始めた仕事だろ。面倒くさいとか思ったら、駄目なんだよ』と言われ、ハッとしたこともあります。

(あまりに恥ずかしくて泣きそうになった)

『好きな人を嫌いになる魔法ってないのかな?』

妻子ある人と付き合っていた女友達が頬杖をついて喫茶店の窓の外を見ながら言った言葉。

(残念ながら、その魔法は知らない)

『今日は来て良かったです。最近、色々あって、ヘコんでいました。明日から、また頑張ってみようと思います』

僕の書いた芝居を見に来てくれたお客さんがアンケートに書いてくれた言葉。

言葉には力があります。

小学生の頃、母に言われた言葉は今でも、鮮明に僕の記憶の中にあります。

『人に道を聞かれたら、知らないと言うんだよ』

(学校で教わったことと真逆なんだけど⋯。人として間違ってるし。子供ながら心の中で突っ込んだ記憶がある)

母が続けて言いました。

『お前はね、知らない人の車でも、ホイホイ乗りそうだから。いい?よく聞いて。ウチは身代金、払う余裕はないからね』

(そうか、ウチは貧乏なんだ)

家庭の事情ははっきりと認識した瞬間でした。