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「チーム学習」ってDiversity&Inclusion - 学習する組織#3
誤解されがちな言葉たち
どうしてこう「学習する組織」に登場する用語はいちいち誤解を招きやすいものなのだろう?一通り中身を理解した上であれば、それを表現する概念がこうなることはまあ腑に落ちるのだけど、一方でその凝縮された言葉をその背景なしに目にしたとき、想起されるイメージは全然違ったものになってしまう。
多分日本語の「学習」と英語の"Learning"の意味するところが違っているからなのかもしれない。いや、もしくは英語においても実は"Learning"には広義と狭義とあって、ピーター・センゲ氏の"Learning"は広すぎるのかも知れない。まあ英語の方はともかく、「学習する組織」で使われている「学習」は、少なくとも「勉強」「教育」「訓練」とはかけ離れた概念だ。
ではここで言われている学習とは何かというと。
主体的な、内発的な行為であり、外発的なものではない
「知る」以上に「(世界観が)変わる」「行動変容する」に力点が置かれる
ExcelとかProject Managenemtとか簿記とかプレゼンとかのスキル/知識体系をものにする、というより、自分自身や他者そして組織の思想や価値観、モノの見方を理解すること
こういうものを「学習」と言っている。だから、タイトルの様に「チームで勉強会してます」とかいう話は「チーム学習」とは全く関係ない。
では「チーム学習」とは何なのか?
参加者一人一人が自分自身のメンタルモデルに向き合い、
それを相互に開示しあい、
それぞれが依拠していた世界観の違いを認識し合う。
その上で、関係者が相互にリスペクトしあえる共通の世界観を作り出す。
そしてその共通の世界観によって各位が自ら行動を変えていく。
こういうことになる。
この環に入る参加者たちの関係はフラットだ。誰かが教師なわけではない。誰かが誰かを変える話でもない。相互に学び、それぞれが自ら変わる。より正確に言えば「変わる」のは無理して変わろうとするのではなくて、新しい世界観を受け入れた結果、自然に「変わってしまう」。
ということで、ここまでで「システム思考」「メンタルモデル」「チーム学習」が繋がっていることがわかる。
それってもしかしてインクルーシブ?
ここまで進めてくると、なんだか最近よく聞くストーリーな気がしてくる。
一人ひとりの多様性を認め、個を認める。多様な視点によってよりクリエーティブな結論を導く。この「多様性」はまさにダイバーシティで、そしてあらゆる多様性を包摂して価値を生み出していくのはインクルージョン。そう考えると、世に出てだいぶ時間が経ち、古典の一つに数えられつつある「学習する組織」は決して古びた時代遅れの論理なのではなく、今も十分に通用する、時代を超えた真理を含んだ思想体系と言っていいのでは。
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