順番通り

私が勤務する生活介護事業所では、各作業グループごとに朝の会、終わりの会(帰りの会)をします。

それぞれに司会があって、利用者さんには人気の係です。

進行表があったり、名簿があったりして、発語が難しい方でもやりやすいように、各作業グループの職員は工夫したりしています。

やりやすいとも思いますが、反対にそれに縛られてしまってしまうこともあります。

泉灘は今日は"やわらぎ"に応援職員として入りました。

やわらぎの朝の会、終わりの会はとにかく、、、ゆっくりです。
利用者さんの特徴でもありますが、進行するのにとにかく時間が過ぎていきます。

朝の会だと多少融通は効きますが、終わりの会は送迎の時間があるので全部は出来ない時もあります。

そうした状況にすぐ切り替えられる利用者さんであれば、順番を飛ばして最後の終わりの挨拶をすることが出来ますが、それが難しい方だと、簡単なようで詰まっています。

普段は今日やった仕事の発表、明日の仕事の予定、連絡事項、挨拶となるのですが、今日は利用者さんが仕事の発表に時間がかかり、予定と連絡事項を飛ばして挨拶となりました。

司会を担当しているのはヨカリさん。
よくおしゃべりをする利用者さんですが、突発的なことがとにかく苦手です。
日々同じ行動、やりとりをしたい方です。

ヨカリさんの中では、『発表が終わったから次は明日の予定』となっていますが、送迎の時間が近付いていたので真清さんから、

--もうバスが出るから挨拶しよう?
「あいさつ?……あいさつ?」

進行表をジッと見つめるヨカリさん。
(見てはいても頭の中は軽くパニックになっています。)

何も言えない状態が続いて、真清さんや泉灘からの言葉もよく分からない、むしろ分からなくなっているヨカリさん。

それを察してか、帰りたいからか、やわらぎの利用者さんから、

「気を付け、礼」
「これで、終わりの会を終わります」

代わりに言ってきます。

フリーズしていたヨカリさんですが、そうした周りの声もあってか最後は自分で、

「これで、終わりの会を、終わります。気を付け、礼」
「「「お疲れさまでした〜」」」

挨拶を終えて、みんな席を立ってバスに向かっていきました。

-挨拶するだけなんですがね〜。そんなに難しい?
「悪かったね!また明日ね!」

そう言って帰っていったヨツキさんでした。

順番通り

いつものように


そうした傾向が大きく強い、そんな利用者さんは何人もいます。

その時、職員はどう寄り添うか、考えています。


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