予備試験 刑法R2年(辰巳35点)
第1 甲が賃貸借契約書に変更前の氏名を記載し、Bに交付したことは、有印私文書偽造罪(刑法(以下略)159条1項)及び同行使罪(161条1項)とならないか。
1.賃貸借契約書は処分証書にあたり「権利義務に関する文書」にあたる。
2.では「偽造」にあたるか。
⑴本罪の保護する公共の信用の対象は名義人と作成者の人格が一致し、文書が証拠として機能することだから、「偽造」とは名義人と作成者の人格の同一性を偽ることをいい、名義人は文書から看取される意思主体、作成者は文書作成に関する意思主