2023年 CBC賞 レース展望

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展望

 中京3回開催の初週。土曜時点では雨こそ止んだものの、馬場状態はお世辞にも良いとは言えず、最終レース終了時点で芝は重馬場。日曜は快晴予報で、どこまで馬場が回復するか。

 土曜の馬場とはコンディションが大きく異なることが予想されるため、土曜芝レースでのトラックバイアスは検討をする意義が大きくない。
 リアルタイムでの追跡が可能であるならば、できるだけ芝レースを自分の目で見ることで馬場の変化を確かめたいところ。
 当記事においては、現時点で不確定要素が多い馬場は必要に応じた考察に留め、明らかになっている要素での考察に努めたい。


ヨシノイースター

 前走不良馬場の鞍馬S(京都・1200m)で0.4差4着。昇級初戦としては奮闘した内容で、前走より1kg軽い56kg。その前走はゲートで落ち着かず出遅れたが、割り切って末脚に託した結果展開にうまく乗れたという感じ。
 実績の割にハンデを盛られた印象も勢いはある。馬場の回復次第ではあるが枠はよく、重賞制覇の好機到来と言っていいだろう。
 鞍上の富田暁騎手は、重賞で現実的に勝ちを狙える馬に騎乗する機会がそもそも少ない中で今回有力馬の一角に騎乗しており、こちらも重賞初勝利への期待がかかる。

タイセイアベニール

 前走は約8か月ぶりの実戦となる鞍馬Sで0.9差15着。馬体重+20kgが響いたかもしれないが、それにしても厳しい内容と言わざるを得ない。尤も元々よかった時でも一線級からは劣る立ち位置の馬ではあったが。
 展開に関係なく自身の末脚が利くかどうかという馬でもある。そういう意味では実績はあまりないが中京自体は決して相性的に悪くはない。
 馬群に怯まず突っ込んでいける馬ではあり、枠の利を生かして内差しができればという感じだが、それでもすぐ隣にほぼ同系で同じようなことをしそうなエイシンスポッターがいるので、やはり厳しいか。

エイシンスポッター

 前走は鞍馬S勝利。2走前にはG3オーシャンS(中山・1200m)でも3着に好走しており地力上位で、その割には近走似たような成績のマッドクールと比較して斤量に恵まれた印象。
 3走前の阪神1200mで追い込んで勝っていたり、前走も馬群の間をするすると抜けて行って差し切っていたりしており、素直に能力を出せるレースになれば上位の可能性は非常に高い。
 前走比で斤量が減った馬が多数を占める中、僅かではあるものの斤量が増えているのがどうなるか。

サンキューユウガ

 格上挑戦で、前走は阪神で久々の芝を使い0.6差5着。強調材料はなさそうに見えるが、外枠でペースも流れたため一応言い訳は立つ。
 当然ながら斤量は前走と比べて相当軽くなっているので、位置を取ること自体はすんなりとできる可能性が高い。
 ただ2勝クラスで相当まごついたのに加えて勝ち上がりも中京1200mで極めて有利な内枠を駆使してどうにかという感じ、はっきり言ってここでは力不足。ハンデで覆せるか?

テイエムスパーダ

 昨年のCBC賞(小倉・1200m)覇者。ただしこの時は斤48kgという裸同然の超軽斤量の恩恵を最大限享受したことは言うまでもなく、その後は苦戦続き。前走はなぜか課題と分かっていながら1800mに出走し大敗。
 厳しいことを言うようだが、明確に力不足の馬。重賞馬であるが故にハンデも背負わされ、加えて直近で大敗続きの牝馬と、狙える要素があまりにも少なすぎる。
 ただ国分恭介騎手騎乗ということでハナを叩いていきそうな気配はあるので、展開を考える上では重要な馬になる。

スマートクラージュ

 OP実績は22年淀短距離S(中京・1200m)勝ち。前走は鞍馬Sで先行し3着に粘りこむ。
 その鞍馬Sは1着エイシンスポッター、4着ヨシノイースターなど後方待機の馬が台頭したレース。この馬は周りより少し斤が重く58kgに加えて不良馬場で先行した分最後に甘くなった感じがあるが、それでも強い内容といえる。
 ただしタンザナイトS(阪神・1200m)やオーシャンSのように、負ける時はコロっと負けるので過信はできない。

アビエルト

 サンキューユウガ同様格上挑戦組。3勝クラスでは4戦して5着が1回あったのみ。
 その3勝クラスにしても好走傾向は1200mより1400mの方で、1400mでも比較してまだいいというだけで手放しで称賛はできない。
 近走は先行争いに若干ついていけない部分を見せてしまっていたが、軽斤量でどこまで食らいつけるか。

マッドクール

 2走前にシルクロードS(中京・1200m)で昇級初戦ながら3着に好走すると、続戦の春雷S(中山・1200m)で勝利。シルクロードSはナムラクレア・ファストフォースという高松宮記念連対馬2頭に次ぐ3着で評価高い。
 最大の強みは先行力の高さで、直近2戦は軽く促すだけですんなりと前々の位置を確保できている。
 納得の1番人気筆頭だが、58.5kgと見込まれすぎな斤量をどう見るか。とはいえ絶対にハナを取らなければいけない馬ではないことから、実は斤量負けするタイプの馬だったという場合を除けば杞憂に終わる可能性の方が高いだろう。
 面子的にも手薄なので勝っておきたいところ。

トゥラヴェスーラ

 今年の高松宮記念で3着に好走。21年高松宮記念から2年間出走したレースをすべて0.3差以内の負けに収めており、相手なりに好走を続けてきたといえる。
 前走は久々に離された負けを喫したものの、レースの流れがスローに落ち着き、馬群が密集する中インを狙ったが捌けずというもので力負けではない。
 ただ8歳馬でいつガクっと衰えが来てもおかしくない年齢ではあり、また今回は得意の内枠ではないので、軸向きではないだろう。

ジャスパークローネ

 2勝クラス、3勝クラスを連勝で駆け上がってきた後、昇級戦の前走函館スプリントS(函館・1200m)は大敗。大敗とはいっても直線で無理をさせてない印象はあり、着差は気にしても仕方ない。またテンの争いが激化したレースではあり、生き切ってよさの出る馬ではあるので、前走は悪い方にかみ合いすぎたか。
 前走より同系が少ないことで戦いやすくはなるが、テイエムスパーダがどれだけ主張するかは気になる。ただこちらは斤量減で臨めるので、自然な主張をできるのはこちらか。

ディヴィナシオン

 3走前にオーシャンSで2着の実績。この時はこの馬にしては好スタートを切って無理なく中団位置を取れたことで、結果普段よりもやや前目でスパートをかけられた。差し展開になった前走函館スプリントSは5着。
 本質的には展開待ちをしなければいけない馬であり、先行勢がある程度流れを作ってくれることで初めて勝負できる。今回の場合ジャスパークローネ、テイエムスパーダの2頭がどれだけ主張するかにかなり依存している。
 差し馬で決着すると考えるのであれば一考の余地あり。

サンライズオネスト

 22年カーバンクルS(中山・1200m)勝ち馬で、今回と同コースのセントウルSでも22年に3着と好走している。
 前走安土城S(京都・1400m)で1.5差負けしているが、差しが台頭する流れの中残り200mまでは粘れており、そこから一気に手応えがなくなり差されているので、やはり本質は1200mまでの馬。
 高松宮記念でも9着とはいえ0.3差に迫っておりこのコース自体は好相性、得意舞台で巻き返しは十分できそう。


まとめ

 能力の高い馬がいるが、その馬にかなり酷に思えるハンデが課せられていることで横一線感が強くなっているレース。ただこのレースに来るまでの戦歴から読み取れる情報だけで考えるならば、本命は素直にマッドクールとしてしまいたい。斤量負けするのは仕方がないと割り切るべき。
 これを負かせる馬がいるとすれば展開利を得られる馬、ということになるだろう。ここに関しては馬場状態等も含めてぎりぎりまで考える余地がある。

 最終見解に関してはTwitterでの発表になります(突然の仕様変更で使いづらくなってしまっていますが……)。
 ここまでお付き合いいただきありがとうございました。良い競馬ライフを。


文責:もじゃ


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