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カケラ集めvol.2 「こぐま社の世界展」

  この週末〝こぐま社の世界展〟に行ってきた。「わたしのワンピース」「しろくまちゃんのホットケーキ」「11ぴきのねこ」の原画や、再現ブースがあり、かわいらしい絵本の世界に入り込んだようでとても楽しかった。

  「しろくまちゃんのホットケーキ」は幼いころ、図書館で何度も繰り返し借りた大好きな絵本だった。あんなに好きだったのだから買ってくれてもよかったのに。今、我が家の本棚にこの絵本があるのは息子のためだけではないのだ。他のこぐまちゃんシリーズも、わたしのワンピースも、息子と一緒によく読んでいる。しかし、息子は慣れ親しんだそれらではなく、これまで読んだことがなかった11ぴきのねこシリーズが気に入ったらしい。展示されていた「11ぴきのねことあほうどり」と「11ぴきのねことぶた」を、ものすごい集中力で黙読し(初めて読むのが原画とは、なんて贅沢なんだろう)、展示されていなかった「11ぴきのねこ どろんこ」という絵本が欲しいというので買って帰った。ブルーのねこのぬいぐるみと一緒に。

  やっぱり、本はいいなぁと思う。一枚一枚の絵だってこんなに素晴らしいのに、これらが何枚、何十枚と集まって一冊の本になるだなんて、ほんとうに素敵。紙の手触りが好き。丁寧に選ばれたことばも、心を込めて描かれた絵も。そしてそれらを一つにまとめる糸も。みんな好き。大好き。テーブルに置いたときの音。頁をめくる時の音。全てが完璧だ。

  わたしってこんなに本が好きなんだ。〝こぐま社の世界展〟は教えてくれた。わたし以上に息子の方が、もっと本が好きなのだろうということも。

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