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BOΦWY/INSTANT LOVE

 BOΦWY(ボーイ)は、1981年に結成、1987年に解散宣言し、1988年にラストライブを行ったロックバンド。「誰にも似ない、どこにも属さない」と評されたほどの独自性を持ち、パンク・ニューウェイブ、歌謡曲、グラム・ロック等を融合させた新しい日本のロックを生んだ。

氷室京介(Vo)

群馬県出身。現在は米ロサンゼルス在住。艶のある歌い方と声、キメキメの身振り手振りを交えたステージアクションで好評を博す。主に作詞と作曲を担当。作曲では「わがままジュリエット」「CLOUDY HEART」が代表曲。

布袋寅泰(G)

群馬県出身。16ビートのファンク式カッティングが武器。80年代の英ニューウェイブ・サウンドを自己流に解釈した作曲で貢献した。ほとんどの曲は彼によるもの。「DREAMN'」「ONLY YOU」などの代表曲がある。

松井常松(B)

群馬県出身。氷室の地元でのバンド仲間で、渋い男。派手さはないが堅実な低音でバンドを支えた。作詞を担当した「WORKING MAN」のベースソロは必聴。

高橋まこと(Dr)
福島県出身。幾つものバンドを渡り歩いてきたサングラスがトレードマークの男。実は二代目ドラマー。スネアの音がデカい。松井と共に鉄壁の8ビートでバンドを支えた。

結成の経緯。
群馬で活動していたアマチュアバンド「ディスペナルティ」が1979年に開催された「イースト・ウエスト79関東甲信越大会」にて優勝したのを機に上京。しかし、実力不足を理由に契約した芸能事務所ビーイングから解散を命じられる。その中に氷室、松井の両名がいた。その後氷室はスピニッヂ・パワーのボーカルとして再出発したものの、自作曲が全く採用されない不遇ぶりに嫌気がさして群馬に帰るつもりでいたが、日比谷野外音楽堂で忌野清志郎が率いるRCサクセションのライブを見て感銘を受け、新たにバンドを組む決意をする。

地元群馬で「ディスペナルティ」のライバルと目された「ブルー・フィルム」のギターだった布袋に一緒にやろうと声をかけ、二人でビーイング社長の長戸大幸氏に話をつける。メンバー募集の際、既に音楽活動していた松井が参加、スピニッヂ・パワーのドラマー木村マモル、氷室のバンド仲間のギター諸星アツシ、布袋のバンド仲間のサックス深沢和明が参加して6人編成でBOΦWYはスタートした。

そのご、ドラマー木村が脱退。2代目として高橋が加入。さらにその後、諸星と深沢が脱退して4人編成での活動になる。

バンド名の由来

男所帯からボーイ、という初代マネージャーの言葉がきっかけ。初期は「暴威」表記だった。

1983年のBOΦWY

それまで所属していたビクターからJAPAN RECORDSへ移籍したところ、会社が徳間音工に吸収合併されたために宣伝予算がカットされる事態に。それで、ポスターやフライヤーを自作してライブハウスに配って歩く、サンプル盤を持ってアポなしで有線放送にプロモーションを行うなどした。その結果、アルバム収録曲「FUNNY BOY」が新宿有線にて3週連続で1位を記録した。

曲紹介
sideA
1.INSTANT LOVE
2.MY HONEY
3.OH MY JULLY,PART1
4.FUNNY BOY
5.OH MY JULLY,PART2
6.TEENAGE EMOTION
7.LONDON GAME

8.SYMPHONIC

9.THIS MOMENT

前半1~4は2の明るい調子を挟んで重たいムードが続く。1は氷室作詞の女性から見た恋愛のすれ違いとむなしさらしき風景が布袋のカッティング・ギターと松井の低音、高橋の8ビートに乗せて歌われる。2は明るいラブソング。布袋のギターもスローテンポ。3はレゲエ・ダブの影響下にある曲。低音と靄が強調されたようなミックス。スネアの音も加工されている。氷室の作詞作曲。4はBOΦWY流パンク・ロック。布袋が高速カッティングで3コードを弾いている。松井がダウンピッキングらしき弾き方をしている。

後半は明るい曲が多いものの、終盤は重い曲が占める。5はキラキラしたシンセ音と布袋のカッティングのイントロから引き込まれる。当時氷室の飼っていたウサギ、ジュリーへのラブソングが歌われる。6と7はメドレー。不良の日常らしきものを歌った6、パンクスかぶれを歌った7、どちらもパンク寄りの音。松井のベースが活躍している。8は恐らく歌詞が最も理解できない曲。重たいムードで性急なサウンドが響く。SYMPHONIC~♪ BYE BYE BBYEBYE~♪というサビが癖になる。9はレゲエナンバー。万策尽きて途方に暮れるような心象風景が歌われる。氷室はスクイーズとウルトラヴォックスといった英ニューウェイブのバンドがお気に入りだったので、その影響があるかもしれない。

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