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[論文メモ] アカウミガメの定位能力

2009年の論文↓

T. Narazaki, K. Sato, K. J. Abernathy, G. J. Marshall, N. Miyazaki
Sea turtles compensate deflection of heading at the sea surface during directional travel
Journal of Experimental Biology (2009) 212: 4019-4026
doi: 10.1242/jeb.034637


ハイライト

移動中のアカウミガメは、
・水中を一定方向に泳ぎ続けることができる
・潜水中に生じた方位のズレを水面で補正することができる
・それらを夜でもできる


客観的な重要性

・水中での3次元的な移動経路をウミガメで初めて推定した。過去の研究では水面での位置情報しか得られていなかったため、水中での定位能力を調べることはできなかった。

・水面でのデータについても、GPSなどでは位置情報を点として記録するだけなので、体の向きを知ることはできない。この論文では加速度データと磁気データを組み合わせてウミガメがどちらを向いているか(= heading)を1秒間隔で記録している。


主観的な重要性(おもしろさ)

・水面のデータにも注目しているところ。自分自身がこれまでやっていたデータ解析では水中の行動にばかり注目してしまっていたけれど、このウミガメの話を聞いてから水面も見るようになった。

・移動経路だけでなく、ウミガメの背中に載せたビデオで餌獲りや水面でのdirection searchingの撮影もできている。強い。

・いま準備中のキングペンギン論文と関わりが深い。いまのところ、がっつり関連している論文はこのウミガメ論文ともう1本の2本だけな気がする。


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