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わたくしの一部になって

わたしとは何か。
そんな根源的な問いを幾度となく行うようになったのは何歳の時からだろう。
誰かの何かになりたくてもがいていた日々からは遠く離れた午後二時三十九分のファミレス。
あの頃の自分には想像のつかない場所で生きている。

わたしとは何か。
その答えの一つは、かつて読んだある本に書いてあったこんなことだ。

自分というのは選択してきたものの積み重ねである。

ナンバーワンになれなくても、誰かのオンリーワンになれなくても、わたしはわたしを作り上げている。

たくさんの失敗と少しの成功を積み重ねて、わたしの今のクローゼットはある。
大切な服がラックに増えていくたびに、わたしは無敵になったような気がする。

繊細なレースと濃紺の清楚さ。
一目見ただけで嘆息を禁じえない。
レースはもっと甘くて柔らかなものだと思っていた。
でもこれは凛とした、紛れもない戦闘服。
ヒールを履いて歩けばきっと無敵になれる。
わたしのための服、おこがましいけれどそう思わずにはいられない。

mame 2015aw

傾いた陽に射抜かれる影、翻って、わたくしの一部になって

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