阿佐ヶ谷 天徳泉

先日10連勤だった。
書き出しに書きたくなるくらいには大変だった。
後半3日間なんて考える体力すらない。それでもやるべき事は都度やってくるし、寝られないと体力も回復できない。この間の1日だけの休日は「溜まった家事をやる」に潰えた。休めばよかった。

今日はちゃんとした休日。ちゃんと休む心意気を持って

……なぜだか店舗にいた。業務関連のことをやるために。

いやまぁ、私服だし。店舗業務はしない(トイレ掃除だけはやった)し。休めてるんだけど。

(頼むから会社の人間(特に上司たち)にはこの文章を見られたくない。上司が上司に怒られそうじゃん。僕の独断で休みに来ているだけだけどさ。)

そんなこんなで一通りを終えて、店を出ると夜8時頃だった。「あれ??いつもとそこまで変わらんな??」と思いつつ外の空気に撫でられた僕だったが、今日のこの後はひと味違うのだ。

たまに行くBAR(ここのお兄ちゃんはたまにテイクアウトでアイスコーヒーを注文してくれる)に「行ってから来るわ」と声をかけ、向かった先は天徳泉。阿佐ヶ谷にあるのよ、いい銭湯が。

フェイスタオルだけ借りて入る(馬鹿なので家にあれほどあるフェイスタオルを持たずに来てしまった。)(ゆっぽくんのタオルだった。かわいいね。)。身体を洗い、湯船に。

ここの湯船は熱い。けっこう熱い。「ぷっっふぇぁ〜〜」と声を出してしまいそうになるくらい、熱い。今回来ようと思ったのには理由がある。あまりにも脚の疲れが取れないのだ。いや、10日間連続で立ち仕事をし続ければそりゃ疲れるんだけど、にしても。ふくらはぎをモミモミしながら湯船に浸かっていると、1分前くらいに入ってきたおじいちゃんが

「ぷっっふぇぁ〜〜」

と声を出した。悔しかった。熱い湯に肩まで浸かっていても黙っているお利口さんな僕だ。それなのになんだ、このおじいちゃんは。腰くらいまでしか浸からず顔もばちゃばちゃしやがって。せめて抵抗してやろう。くそ。

「っ、ふぅ〜」

僕は情けなかった。

いそいそと(さすがにのぼせそう)湯船を出て、ビーチにある感じのリクライニングなイスに腰掛ける。もはや寝そべる。疲れていたのだろう、思考がようやくグルグルと回り始めた。存在論、細野晴臣、恋愛、人生観など、色々考えているうちに意識が途切れた。気付いたら身体は乾いていて、ケツには跡がついている。もう僕には、何も考えることは無い。そう思っているとさらに30分が経過した。

もう一度湯船に浸かってから上がった。そうして今、コーヒー牛乳の横でこの文章を書いている。そう、何か言いたげなようで何も言うことは無い。忘れた

最後にひとつだけ。
これが休日。何も考えなくていい、考えていたことを忘れていい。何かを成しても何も成さなくてもいい。休みって、いいね。



うお、お前さっきのおじいちゃん。
忘れていた悔しさを思い出した。さっき言ったからね、BARに寄って帰ろう。何飲もうかな。


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