Tokyo COVID-19; 01/21/2022
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する1月21日のノート
概要
・報告日ベースの陽性者数は9,699名。ほぼ直線状に増加している。昨2021年は年末年始の人流の減少で2021年1月7日をピークに陽性者数が減少したが、今回は増加が続いている。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。直近では2.0前後であると思われる。
・重症者数は10才未満、90代が各1名、50代3名、60代、70代、80代各2名の計11名である。
・直近の1週間の死亡者の報告は4名である。
・Google Mobility の観測によると陽性者の増加が始まった1月9日の週は、年末に入る前の12月19日の週と比較すると「小売・娯楽」や「乗換駅」の人流は減少したが、職場の人流の減少や「住居」の滞在増はあまり目立っていない。それ以降の感染増が人流に与える影響が注視される。
感染者数の全体推移
1月21日の東京都の感染数は9,699名と前日(1月21日)より1,331名の増。内訳は濃厚接触者3,502名(前日比+393)、経路調査中6,189名 (同+668)である。経路調査中の6,189名は1週間前の1月14日より3,571名の増である。
経路不明者の7日間平均は4,012名と前日より510名、1週間前より2,745名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 4,012 前週比 317%
1週間前 1,266 前週比 579%
2週間前 219 前週比 689%
3週間前 32 前週比 178%
4週間前 18 前週比 184%
5週間前 10 前週比 91%
と増加幅が急拡大した。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
1/21より遡る7日間 前週比 +217%
1/20より遡る7日間 前週比 +258%
1/19より遡る7日間 前週比 +308%
1/18より遡る7日間 前週比 +353%
1/17より遡る7日間 前週比 +335%
1/16より遡る7日間 前週比 +343%
1/15より遡る7日間 前週比 +395%
1/14より遡る7日間 前週比 +479%
率としては、拡大幅は縮まっている。
検査者数(最新1月20日) : 7日間移動平均で19,500と、第5波のピークを超えて増加が続いている。陽性率の7日間移動平均は12月7日に0.2%まで下がった後、直近では24.8%と急速に上がっている。
発症者数(最新1月20日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は8月10日に3,834名のピークを示した後減少に転じ、11月下旬には10名前後まで下がったが、直近では実数で3,500名を超え、推測値では9,000名に迫っている可能性がある。今後の推移に注視が必要と言える。
実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超えた。直近では感染の急増により計算では4.0を超えた後に減少し、2.0前後となっている。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新1月20日)
・1月19日は5,201件と1月19に記録した5,205件に次いだ値である。
・7日間平均は4,626と4,500件を突破して増え続けている。
重症者推移
重症者数は11名と前日より2名の増。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブは正月明けの陽性者の急増を受け、再び右上がりになった。
1月21日付の死亡者報告はなかった。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では5名である。
年代別推移
・全般的に急速な増加傾向にある。7日間移動平均値においても、全年齢断面で前回のピークを超えた。
・1月21日時点の65歳以上の感染数の移動平均は340名と2021年始のピーク(265名)を超えた。
・1月21日の65歳以上の感染数は513名(前日比+26)と増加が続いている。
グーグルモビリティ(最新1月16日) との相関
グーグルモビリティに1月16日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・陽性者の増加が始まった1月9日の週の人流は、年末に入る前の12月19日の週と比較すると「小売・娯楽」や「乗換駅」は減少したが、「職場」の減少や「住居」の滞在増はあまり目立っていない。
・Rtの週間平均は9月19日の週から増加に転じていたが、11月中旬に低下し、12月に入ってから増加を始めた。直近は計算上2を超えたが、異常値の可能性もあり、今後の推移に注視が必要と言える。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
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