Tokyo COVID-19; 12/12/2021
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する12月12日のノート
概要
・報告日ベースの陽性者数は13名。週末の絡む参考値である。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し11月初旬には1.0を超えるに至ったが、それ以降は不安定な動きを繰り返している。またベースとなる陽性者の数が20名を切る状況にあるため、算出されるRtに意味があるのかは不明と言える。
・重症者数に関しては、50代、60代、70代各1名の合計3名にまで減っている。
・死亡者の報告数は直近の1週間では2名である。
・Google Mobility の観測によると、12月第2週(12月5日の週)の人流は、12月第1週とほぼ同じか若干減った感じである。
感染者数の全体推移
12月12日の東京都の感染数は13名と前日(12月11日)より7名の減。内訳は濃厚接触者6名(前日比-6)、経路調査中6名 (同-2)である。経路調査中の6名は1週間前の12月5日より6名の減である。対1週間前の値は12月に入ってからは-6〜+10の範囲での上下している。
経路不明者の7日間平均は10名と前日と同じ、1週間前より1名の減である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 10 前週比 87%
1週間前 11 前週比 113%
2週間前 10 前週比 86%
3週間前 11 前週比 73%
4週間前 15 前週比 113%
5週間前 14 前週比 83%
6週間前 17 前週比 85%
7週間前 20 前週比 51%
8週間前 38 前週比 97%
と増えたり減ったりしている。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
12/12より遡る7日間 前週比 -13%
12/11より遡る7日間 前週比 +1%
12/10より遡る7日間 前週比 +1%
12/9より遡る7日間 前週比 -10%
12/8より遡る7日間 前週比 -15%
12/7より遡る7日間 前週比 ±0%
12/6より遡る7日間 前週比 +12%
12/5より遡る7日間 前週比 +13%
とこちらも増えたり減ったりしている。
検査者数(最新12月11日) : 7日間移動平均では8月下旬には17,000名近くまで上昇した以降は減少し、直近は5,700名前後で推移している。陽性率の7日間移動平均は0.3%まで下がった。
発症者数(最新12月11日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は8月10日に3,834名のピークを示した後減少に転じ、直近では15名前後まで減って来ている。
実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬は1.0を超えたが同中旬には0.8まで下がった。直近では計算上は再び上昇している様ではあるが、15名前後と言う現状の陽性者数から算出されるRtに意味があるのかは疑問と言える。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新12月11日)
・12月11日は359件であった。
・7日間平均は341件と400件を割り第3波以前のレベルまで下がった。ただし11月25,26日と2日続けて300件を割って以来減少は止まり、12月に入ってから再び微増の傾向が見られている。また陽性者数の大幅な減少に比べると相談件数は減っていないと言える。
重症者推移
重症者数は3名と前日と同じ。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブを見ると直近ではほぼ水平になっている。累積の死亡者数もほぼ水平になった。
12月12日付の死亡報告はなかった。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、9月18日には136名と年始のピークに匹敵する数まで上がったが、直近は2名と大幅に減少している。
年代別推移
・陽性者の減少に伴い年代感の差異よりは日々の変動の方が大きくなっている。
・12月12日時点の65歳以上の感染数の移動平均は1名で、8月26日に203名と年始(265名)の80%近い値に達した後は減少している。
・12月12日の65歳以上の感染数は1名(前日比+1)であった。
グーグルモビリティ(最新12月9日) との相関
グーグルモビリティに12月9日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・11月5日の週の人流は、11月28日の週と同じか若干減った感じである。
・Rtの週間平均は9月19日の週から増加に転じていたが、11月中旬に低下し、直近は再び上昇した様に見える。ただし陽性者の数が20前後であり、算出されたRtの信頼性は低いと言える。
第1波、第2波、第3波、第4波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、それ以降を第5波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。現状は第5波の終わりと言うよりは、初めての減少フェーズ(今までは陽性者の数が波の入口のレベルまで下がり切る前に増加に転じていたが、今回は下がり続けた)に有ると言えそうではあるが、特に明確な定義がないため、第5波の終わりに居ると表現する。
第1波から第4波までは、多少の相違はあるが、概ね同様な傾向が見られた。これに対して第4波と第5波を比較すると、第5波の総感染数が第4波の310%を超えたのに対して死亡者数は907名と第4波の215%に留まった。ただし、この比率の差は死亡に繋がらない若年層の感染が増えたためであり、死亡数としては第4波の2倍を超えている。また70代以上については、感染数は132%死亡数は151%と共に全体に比べれば抑えられたが、単純に『死亡数÷陽性者数』の比率で見ると、第4波の1.15倍とむしろ悪化したとも言える。
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