Tokyo COVID-19; 03/16/2022

東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する3月16日のノート

概要

・報告日ベースの陽性者数は10,221名と前日比2,385名の増。2月2日の21,576名のピークの半分以下に下がってはいるが、高止まり、または再増加に移行する可能性もある。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。その後減少したが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0前後で推移している。
・重症者数は54名と前日より7名の減。減少傾向にはあるが、陽性者数の減少が鈍いため、重症者の減少速度も遅い。
・直近の1週間の死亡者の報告は132名と7名の減。ピークは越えた様であるが1日あたり20名近い数字であり依然として高い。
・Google Mobility の観測によると3月6日の週の人流は前週(2月27日の週)とほぼ同じである。
・第6波(2021年12月1日以降)の累積感染者は19歳以下が27%、累積死亡者は70歳以上が90%を占めている。また3月16日時点の重症者は、60代・70代で54%が占められている。

感染者数の全体推移

画像1

3月16日の東京都の感染数は10,221名と前日(3月15日)より2,385名の増、内訳は濃厚接触4,044名(前日比+950)、経路調査中6,173(同+1,437)。経路調査中の6,173名は1週間前の3月9日より494名の減である。経路不明者の7日間平均は5,000名と前日より71名、1週間前より932名の減である。

この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 5,000 前週比 84%
1週間前 5,932 前週比 89%
2週間前 6,701 前週比 81%
3週間前 8,230 前週比 87%
4週間前 9,509 前週比 81%
5週間前 11,787 前週比 108%
6週間前 10,869 前週比 158%
7週間前 6,888 前週比 270%
8週間前 2,548 前週比 119%
とゆっくりと減少している。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
3/16より遡る7日間 前週比 -16%
3/15より遡る7日間 前週比 -17%
3/14より遡る7日間 前週比 -18%
3/13より遡る7日間 前週比 -23%
3/12より遡る7日間 前週比 -22%
3/11より遡る7日間 前週比 -19%
3/10より遡る7日間 前週比 -18%
3/9より遡る7日間 前週比 -11%
3/8より遡る7日間 前週比 -11%
3/7より遡る7日間 前週比 -6%
3/6より遡る7日間 前週比 +1%
と減少幅が狭まっている様にも見える。

検査者数(最新3月15日) : 7日間移動平均で15,033名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では29.9%と、まだ30%近いが減少傾向にあるとは言える。

発症者数(最新3月15日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。

図4

補正係数表09

補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,882名がピーク値である。ピークアウトはしているが、減少は鈍く、直近では高止まりから再増加が始まった可能性がある。

実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した。その後減少するが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0前後で推移している。
 
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新3月15日)
・3月15日は2,598件であった。
・7日間平均は3,049件と4,000件を下回り減少を続けている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。

重症者推移

重症者数は54名と前日より7名の減。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。

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40代から70代の重症者の推移を下図に示す。

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感染者・死亡者累計

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報告日別の陽性者累積カーブはピークアウトにより緩らかに成りつつあったが、直近では再増加の兆候も見られる。
3月16日付で21名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では132名と減少は続いているが、まだ1日あたり20件に近い高い値である。

年代別推移

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・7日間移動平均値を見る各層ともピークアウトしたが、10代以下ならびに高齢層の減少速度は鈍い。
・9歳以下、10代及び30代の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・3月15日時点の65歳以上の感染数の移動平均は466名である。
・3月15日の65歳以上の感染数は495名(前日比+92)。全陽性者に占める比率は4.8%と減少は続いている。

グーグルモビリティ(最新3月12日)との相関

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グーグルモビリティに3月12日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・3月6日の週の人流は、前週(2月27日の週)とほぼ同じである。

各波との比較

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2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の3.8倍を超え、死亡者数も90%と陽性者に対する比率が伸びて来ている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が27%と20代の19%を超え、60代以上の比率も第5波よりも高まっている。累積死亡者は70歳以上が90%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は7%に減少している。

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