Tokyo COVID-19; 02/17/2022

東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する2月17日のノート

概要

・報告日ベースの陽性者数は17,7864名と前日比533名の増。発症日別の陽性者は1月31日前後にピークアウトしたように見えるが、あくまでも報告された発症者数をベースにしたものであり、現状の感染実態が把握できているとも言い難いため、予断はできない。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。直近では数値上は1.0を割っているが、減少のピークは鈍化している。
・重症者数は81名と前日と変わらず。今までは陽性者のピークから1週間程度でピークを迎えていたが、今回は高齢層にシフトしているため、まだ増え続ける可能性がある。
・直近の1週間の死亡者の報告は96名。増加傾向にある。また今回は重症者数と死亡日別の死亡者数が相似であるため、今後暫く死亡者数が増え続ける恐れがある。
・Google Mobility の観測によると2月6日の週の人流は雪と連休の影響で前週比マイナスとなった。

感染者数の全体推移

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2月17日の東京都の感染数は17,864名と前日(2月16日)より533名の増、内訳は濃厚接触者7,007名(前日比+310)、経路調査中10,855名 (同+227)である。経路調査中の10,855名は1週間前の2月10日より1,144名の減である。
経路不明者の7日間平均は9,345名と前日より163名、1週間前より2,170名の減である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 9,345 前週比 81%
1週間前 11,515 前週比 102%
2週間前 11,301 前週比 148%
3週間前 7,652 前週比 219%
4週間前 3,501 前週比 358%
5週間前 978 前週比 695%
6週間前 141 前週比 502%
7週間前 28 前週比 188%
と前週比は減少に転じている。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
2/17より遡る7日間 前週比 -19%
2/16より遡る7日間 前週比 -19%
2/15より遡る7日間 前週比 -21%
2/14より遡る7日間 前週比 -18%
2/13より遡る7日間 前週比 -17%
2/12より遡る7日間 前週比 -12%
2/11より遡る7日間 前週比 -2%
2/010より遡る7日間 前週比 +2%
2/09より遡る7日間 前週比 +8%
2/08より遡る7日間 前週比 +20%
と減少幅は拡大傾向にある。

検査者数(最新2月16日) : 7日間移動平均で18,968名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では40.2%と40%を超えた。検査者の4割が陽性であり、陽性者数が減りながら陽性率が上がっていると言うのは明らかに異常事態であり、市中感染の実態を反映しているかは大いに疑問と言える。

発症者数(最新2月16日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。

図3

補正係数表07

補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,867名がピーク値である。報告日別の陽性者数は発症日別陽性者数より6日程度遅れるため、2月6日前後にピークアウトしたと思われるが、まだ予断はできない。

実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超えた。直近では感染の急増により計算では4.0を超えた後に一様に減少し、直近では1.0前後で推移している。
 
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新2月15日)
・2月15日は5,325件と6,000件を下回った。
・7日間平均は、これに伴い6,499件と減っている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。

重症者推移

重症者数は81名と前日と変わらず。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。

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40代から70代の重症者の推移を下図に示す。

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感染者・死亡者累計

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報告日別の陽性者累積カーブは正月明けの陽性者の急増を受け、再び右上がりになった。
2月16日付で24名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では96名と増え続けているが、増加は鈍り出した可能性がある。

年代別推移

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・7日間移動平均値を見る各層ともピークアウトはしたように見えるが、高齢層は高止の傾向がありそうである。
・19歳以下の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・2月17日時点の65歳以上の感染数の移動平均は1,422名と前日比で減少が続いた。
・2月17日の65歳以上の感染数は1,670名(前日比-33)。全陽性者に占める比率は9.3%と高い値を保っている。

グーグルモビリティ(最新2月13日) との相関

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グーグルモビリティに2月13日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。

・2月6日の週に入り陽性者の急増が頭打ちになったせいか、人流は週前半では前週(1月30日の週)よりも若干増えた、ただし木曜日以降は雪や休日の影響で減り週全体としては減少している。2月12日の週の動向に注視が必要とされる。

各波との比較

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2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の245%に達したが、死亡者数は、増えてはいるが、まだ24%に留まっている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が25%と20代の21%を超えている。また60代以上の比率も第5波よりも高まっている。ただし、直近の検査陽性率が40.2%と言う状態で感染実態をどの程度反映しているかは不明と言える。また死亡者の年代別比率は第5波に比べて高年齢層にシフトしているが、これは死亡数が少ないため結果的に高齢層に集中しているものと思われる。

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