Tokyo COVID-19; 06/25/2021

東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する6月25日のノート

感染者数の動向

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6月25日の東京都の感染数は562名と前日(6月24日)から8名の減である。内訳は濃厚接触者224名(前日比-1)、経路調査中338名 (同-7)である。
また、経路調査中の338名は、1週間前の6月18日より53名の増である。
経路不明者の7日間平均は280名と前日より8名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 280 前週比 114%
1週間前 245 前週比 101%
2週間前 242 前週比 89%
3週間前 272 前週比 78%
4週間前 348 前週比 84%
5週間前 413 前週比 74%
6週間前 557 前週比 125%
7週間前 447 前週比 101%
と6週間前をピークに前週比80%のペースで減少していたが、先週で減少が止まり今週は増加している。

また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
6/24より遡る7日間 前週比 +8%
6/23より遡る7日間 前週比 +8%
6/22より遡る7日間 前週比 +6%
6/21より遡る7日間 前週比 +1%
6/20より遡る7日間 前週比 0%
6/19より遡る7日間 前週比 -4%
6/18より遡る7日間 前週比 +1%
6/17より遡る7日間 前週比 +2%
6/16より遡る7日間 前週比 -1%
6/15より遡る7日間 前週比 -2%
6/14より遡る7日間 前週比 -5%
6/13より遡る7日間 前週比 -5%
6/12より遡る7日間 前週比 -6%
6/11より遡る7日間 前週比 -11%
と6月16日前後から増加に転じている。

検査者数(最新6月24日) : 陰性者が遅れて報告・集計されるため直近の数値は日々追加修正され、基本的にグラフの右端は右下がりになるが、移動平均では正月明けから上昇を続け一時期12,000名を超えた。その後2月25日に6,632名まで減少したが、3月に入ってから上昇に転じ、4月20日に一気に 10,000名を突破した、5月に入り減少したが、GW明けから増加に転じ9,000名前後になった。6月に入って減少し、直近では7,500名前後に下がってきている。7日間移動平均は3月6日に3.2%まで下がったが、その後上昇に転じ、GW中は検査数の減少も有り一時的に8.3%を記録した。その後徐々に低下し6月11日に3.9%まで下がったが、直近の値は4.8%であり、上昇に転じている。

発症者数(最新6月24日)
発症者グラフは判明の遅れにより、グラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。

図-02'

補正係数表06

補正値は報告が反映されるまでの時差を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも反映が早ければ予測数は過大となり、反映が遅れれば過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている(当初は10日ほど遅れていたが改善した模様である)。
・2月上旬は200件前後で推移していたが、下旬に入ってからは徐々に下がり月末に150件近くまで下がった。
・4月に入ってからは再び明確な増加に転じて、5月7日には635名を記録した。その後はGWを契機として減少を始め、6月に入ってからは300名を割るまで減少したが、6月6日以降、下げ止まりまたは増加の傾向も見られる。

実効再生産数
・11月11日前後から1.0を割り込んだ。
・11月23日前後から再び上昇に転じ、12月20日頃からさらに増加が加速して年末前には1.5近くまで上昇した。
・その後、年末年始で0.8程度まで下がったが、徐々に上がって来ている。
・緊急事態宣言発令後もRtは上昇を続けて、3月末には1.1を超えた。
・4月に入って、一旦減少傾向となったが4月7日前後から再び上昇に転じ、4月半ばには1.2を超えた。
・GW期間中の減少により再び減少して1.0を割り、それ以降0.9前後が続いたが、6月6日前後から1.0を超えた可能性がある。

東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新6月24日)
・2020年12月に入ってから相談件数が右肩上がりに増加した。2021月3日に3,180件と最高値を記録した。
・その後減少し3月13,14の週末は、11月14以来となる1,000件を割った。
・4月18日(日曜日)は1,621と1,500件を超え、週明けの平日も1,200件を超える日が続いた。
・4月25日(日曜日)は1,866件と1,800件を超え、4月29日(祭日)は2,043件と2,000件を突破した。
・その後減少を続けて来たが、6月24日は922件とまだ1,000件は超えていないが、先週の水曜日よりも増加し、下げ止まりとなった可能性がある。
・7日間平均を取ると、GW直後の5月9日に2,267件を記録してから減少したが6月19日の971件から増加に転じ、6月23日時点では1,007件と1,000件を超過した。

重症者推移

重症者数は38名と前日とより1名の減。
年代別、男女別の重症者は下表の通りである。

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ただし、70代の減少分には死亡による減少が含まれる可能性がある。
・3月12日に37名まで減少したが第4波に伴い増加し、5月12日に86名を記録した。その後減少し、直近では50名以下まで落ちてきている。
・4月下旬から5月上旬にかけて20代、30代の重症患者が発生(合わせて最大で5名)したが、5月下旬には0になった。
・6月に入り、10代、30代の重症者各1名が報告されたが、この内30代の1名は6月8日に10代の1名は6月9日に解消された。また6月25日には40代の重症者も解消された。
・50代は減りつつあるが、60代、70代は依然高止まりしており今後が懸念される。

感染者・死亡者累計

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報告日別の陽性者ならびに死亡者の累積カーブを見ると、ともに直線状に増加している。
6月25日付で2名の死亡報告があった。ご冥福をお祈りします。
報告される死亡者数を1週間単位で比較すると、2月の上旬には1週間で140名(1日平均20名)を超えたが、GW中の5月6日には14名(1日平均2名)まで下がった。
そこから増加をはじめ5月21日の70名をピークに減少して来たが6月に入ってからは下げ止まりないしは微増の傾向にあり、直近でも1週間で26名(1日平均4名)とまだ低くない値である。
死亡の集計・報告は遅れて来るため、死亡数はさらに増えている事が予想される。死亡の集計・報告は遅れて来るため、死亡数はさらに増えている事が予想される。
また、死亡日別に見ると1月31日の39名をピークに減少を続けてはいるが、同様に5月下旬からは下げ止まり、集計の遅れを見込むと漸増している可能性も有る。

年代別動向

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感染者の7日間移動平均は5月15日をピークに減少したが、20代は6月6日から増加の傾向にあり、10代以下ならびに30代から50代も6月13日から上昇に転じた感がある。
ただし、60代は横ばい、70代から上は減少が続いている。また65歳以上の感染数の移動平均は5月13日の103名に対して、6月25日も24名と依然として増加には転じていない。高齢層のワクチン摂取推進により感染が抑えられている事が考えられるが、他の年齢層では感染が増えており、このまま減り続けるかどうかには注視が必要と言える。
・65歳以上の感染者の数は1月15日に334名と最大を記録した。
・6月25日は23名(前日比-5)、全感染者に占める割合は4.1%と1週間前と変わらず、下げ止まった可能性もある。

グーグルモビリティ(最新6月18日) との相関

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グーグルモビリティに6月18日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては10月3日のノート参照)。

・正月明けから平均して12月よりも10ポイント程度下がったが、2020年のGWまでには至らなかった。
・1月8日に緊急事態宣言が発令されたが、モビリティは僅かながら増加を続け、Rtも同じく微増を続けた。首都圏の緊急事態宣言は3月21日まで継続されたが、人の動きやRtを押し下げる効果はなかったと言える。
・3月22日以降の人の動きは増加し、これに応じてRtも上昇した。
・4月25日から第三回の緊急事態宣言が発令され、6月1日より非常事態宣言が20日間延長されたが、5月30日の週、翌6月6日と人出は増加し続けたが、6月13日の週は若干である前週よりも減少している。
・グラフ上のRtについては、GWから始まった感染者の減少に伴い1,0を割り込んだ。直近は感染者の数が確定していないため、不安定な挙動を示しているが、1.0を超えた可能性がある。

第1波、第2波、第3波との比較

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2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめて、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
・発症者数のベースラインは昨年のGW明けから一貫して上がって来ており、実効再生産数(Rt)の変動が発生数の増減に対して、より大きく影響するようになって来ている。
・変異株によって若年層の重症化リスクが増えて来ていると報じられているが、東京に関しては、年齢比率から見ると顕著な変化はまだ認められていない。ただ集計値が上がってくる間にはタイムラグが存在すると考えられるため、数値の動向に注視が必要で有る。
・重症者は減少に転じてはいるが、まだ高い値にある。
・死亡者数の増加もピークは過ぎているとは言え、依然として少なくない数が報告されている。
・第4波はGWをきっかけに大きなピークとなる前に減少に向かったが、重症者数、死亡者数は依然として少なくない数値を示しており、予断のできる状況とは言えない。また、5月の終わりから人出が増加する傾向が見られ、これに伴い6月半ばから20代を中心に発症数が増加に転じてたものと思われる。重症化立・死亡率の高い高齢層への波及が懸念される。

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