Tokyo COVID-19; 03/26/2022

東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する3月26日のノート

概要

・報告日ベースの陽性者数は7,440名と前日比151名の増。2月2日の21,576名のピークの1/3近くに下がってはいるが減少のペースは鈍く、高止まり、または再増加に移行する可能性も否定できない。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。その後減少したが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0を超えた可能性もある。
・重症者数は35名と前日より3名の減。やっと減り始めた感じもあるが、こちらの減少速度もまだ鈍いと言える。
・直近の1週間の死亡者の報告は77名と前日比5名の増。ピークは越えたが、1日あたり10名を超えており依然として高い。
・Google Mobility の観測によると3月20日の週の人流は、春分の日を含むため、職場については見掛け上は前週(3月13日の週)より減っているが、それ以外はほぼ同じ様である。
・第6波(2021年12月1日以降)の累積感染者は19歳以下が28%、累積死亡者は70歳以上が91%を占めている。また3月23日時点の重症者は、60代・70代で57%が占められている。

感染者数の全体推移

画像1

3月26日の東京都の感染数は7,440名と前日(3月25日)より151名の増、内訳は濃厚接触2,682名(前日比-9)、経路調査中4,758(同+160)。経路調査中の4,758名は1週間前の3月19日より69名の増である。経路不明者の7日間平均は3,943名と前日より10名の増、1週間前より801名の減である。

この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 3,943 前週比 83%
1週間前 4,743 前週比 89%
2週間前 5,342 前週比 78%
3週間前 6,812 前週比 98%
4週間前 6,923 前週比 75%
5週間前 9,200 前週比 89%
6週間前 10,391 前週比 88%
7週間前 11,841 前週比 141%
8週間前 8,406 前週比 110%
とゆっくりと減少している。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
3/26より遡る7日間 前週比 -17%
3/25より遡る7日間 前週比 -19%
3/24より遡る7日間 前週比 -19%
3/23より遡る7日間 前週比 -23%
3/22より遡る7日間 前週比 -18%
3/21より遡る7日間 前週比 -13%
3/20より遡る7日間 前週比 -12%
3/19より遡る7日間 前週比 -11%
3/18より遡る7日間 前週比 -12%
3/17より遡る7日間 前週比 -15%
3/16より遡る7日間 前週比 -16%
3/15より遡る7日間 前週比 -17%
3/14より遡る7日間 前週比 -18%
3/13より遡る7日間 前週比 -23%
3/12より遡る7日間 前週比 -22%
3/11より遡る7日間 前週比 -19%
3/10より遡る7日間 前週比 -18%
3/9より遡る7日間 前週比 -11%
春分の日の絡む3連休の影響(報告数が減る)で一時的に増大した減少幅が再び縮まって来た。

検査者数(最新3月29日) : 7日間移動平均で13,858名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では31.8%と高止まりの懸念がある。

発症者数(最新3月29日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。

図5

補正係数表10

補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,882名がピーク値である。ピークアウトはしているが、減少は鈍く、直近では高止まりから再増加が始まった可能性がある。

実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した。その後減少するが1月下旬からは下げ止まりとなり直近では1.0を超えた可能性がある。
 
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新3月27日)
・3月27日は3,969件であった。
・7日間平均は、3,171件と3,000件を超え微増の傾向にある。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。

重症者推移

重症者数は35名と前日比-3。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。

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40代から70代の重症者の推移を下図に示す。

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感染者・死亡者累計

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報告日別の陽性者累積カーブはピークアウトにより緩らかに成りつつあったが、直近では再増加の兆候も見られる。
3月26日付で18名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間では77名と減少傾向にはあるが、まだ1日あたり11名と高い値である。

年代別推移

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・7日間移動平均値を見ると、高止まりから再増加の懸念が見られる。
・9歳以下、10代及び30代の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・3月26日時点の65歳以上の感染数の移動平均は293名である。
・3月26日の65歳以上の感染数は382名(前日比+52)。全陽性者に占める比率は5.1%と減少傾向は続いている。

グーグルモビリティ(最新3月27日)との相関

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グーグルモビリティに3月27日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・3月20日の週の人流は、春分の日を除くと前週(3月13日の週)とほぼ同じと言える。

各波との比較

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2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の4.2倍となり、死亡者数も107%と陽性者に対する比率が伸びて来ている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が28%と20代の18%を超え、60代以上の比率も第5波よりも高まっている。累積死亡者は70歳以上が91%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は7%に減少している。

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