Tokyo COVID-19; 05/31/2022
東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する5月31日のノート
概要
・5月31日の報告日ベースの陽性者数は2,362名と前日より1,028名の増。7日間平均は2,627名と単日値のピーク21,576名(2月2日)の12%である。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し12月下旬から一気に急増し、計算上は4.0にまで達した。その後減少し直近では1.0前後を推移している。
・重症者数は3名と前日より1名の減。
・直近の1週間の死亡者の報告は46名と前日より1名の増。1日平均6名である。
・Google Mobility の観測によると5月22日の週の人流は、前週(5月15日の週)と同等である。
・第6波(2021年12月1日以降)の累積感染者は19歳以下が28%、累積死亡者は70歳以上が90%を占めている。また5月31日時点の重症者は、50代1名、60代2名である。
感染者数の全体推移
5月31日の東京都の感染数は2,362と前日(5月30日)より1,028名の増。内訳は濃厚接触923(前日比+456)、経路調査中1,434(同+561)。経路調査中の1,434名は1週間前の5月24日より587名の減である。GWが明けて対1週間前比マイナスが続いている。経路不明者の7日間平均は1,1,627名と前日より84名、1週間前より499名の減である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 1,627 前週比 77%
1週間前 2,126 前週比 86%
2週間前 2,463 前週比 108%
3週間前 2,275 前週比 92%
4週間前 2,467 前週比 72%
5週間前 3,421 前週比 83%
6週間前 4,114 前週比 83%
7週間前 4,958 前週比 103%
と減少が続いている。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
5/31より遡る7日間 前週比 -23%
5/30より遡る7日間 前週比 -21%
5/29より遡る7日間 前週比 -20%
5/28より遡る7日間 前週比 -17%
5/27より遡る7日間 前週比 -16%
5/26より遡る7日間 前週比 -13%
5/25より遡る7日間 前週比 -12%
5/24より遡る7日間 前週比 -14%
5/23より遡る7日間 前週比 -16%
減少幅が広がり出した。
検査者数(最新5月31日)
7日間移動平均で11,079名。直近のピーク値は1月28日の29,698人である。陽性率の7日間移動平均は直近では13.1%と漸減状態にある。
発症者数(最新5月31日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。
補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は直近では1月31日の16,882名がピーク値である。一時的な再増加から、ゆっくりと減少している。
実効再生産数
・2021年9月14日の0.55を底に10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超え、昨年末に4.0のピークを記録した。その後減少し直近では1.0前後を推移している。
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新5月31日)
・5月31日は1,226件。GW明けの5月9日に2,000件を割った後に増加したが、再び減少を始めている。
・7日間平均は1,298件。5月9日から減少が続いている。
・この相談件数は第5波までは陽性者数を上回り陽性者数の先行指標として機能していたが今回は陽性者数が大幅に上回っており、後追いの状況にあると言える。
重症者推移
重症者数は3名と前日より1名の減。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。
40代から70代の重症者の推移を下図に示す。
感染者・死亡者累計
報告日別の陽性者累積カーブはピークアウトにより緩らかになっている。
5月31日付で6名の死亡報告があった。お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、直近の1週間は46名である。ただし報告の大半の死亡日は1週間よりも前である。
年代別推移
・7日間移動平均値を見ると、すべての年齢層で減少している。
・10代以下の人口あたりの陽性者数は20代を上回っている。
・5月31日時点の65歳以上の感染数の移動平均は189名と漸減している。
・5月31日の65歳以上の感染数は175名(前日比+66)。全陽性者に占める比率は7.4%である。
グーグルモビリティ(最新5月29日)との相関
グーグルモビリティに5月29日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・5月22日の週の人流は、前週(5月15日の週)と同等である。
各波との比較
2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。
第6波の陽性者数は第5波の5.9倍である。死亡者数も2.05倍と陽性者に対する比率こそ前回より低いが、数としては前回を大きく上回っている。陽性者の年代別比率を見ると19歳以下が28%と20代の19%を超え、60代以上の比率も第5波よりも高い。累積死亡者は70歳以上が89%を占め、第5波で32%を占めた50代・60代は8%に減少している。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?