Tokyo COVID-19; 01/03/2022

東京都における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する1月3日のノート

概要

・報告日ベースの陽性者数は103名、休日または月曜日としては。2021年9月27日の154名に次ぐ数である。昨2021年は年末年始の人流の減少で陽性者数が減少したが、今年も同様の動きになるかに注視が必要である。
・発症日別の陽性数より算出される実行再生算数(Rt)は2021年9月初旬から10月初旬まで0.6前後で推移した。その後上昇し11月初旬には1.0を超えるに至ったが、それ以降は不安定な動きを繰り返している。直近では1.4前後まで上昇している。この計算が正しければ、過去の各波の際のRtピークに匹敵する事になるが、今後の陽性者数の推移に注視が必要である。
・重症者数に関しては、50代の1名に減っている。
・直近の1週間の死亡者の報告は1名である。
・Google Mobility の観測によると、12月第5週(12月26日の週)の人流は、年末に入ったため住居の滞在が増え、乗換駅、職場が大幅に低下している。ただし小売・娯楽に関しては昨年末が大幅減を示したのに対して、むしろ増加している。このパターンの変化が今後の陽性者数の推移にどう影響するかに注視が必要と言える。

感染者数の全体推移

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1月3日の東京都の感染数は103名と前日(1月2日)より19名の増。内訳は濃厚接触者29名(前日比-9)、経路調査中74名 (同+28)である。経路調査中の74名は1週間前の12月27日より54名の増である。
経路不明者の7日間平均は46名と前日より8名、1週間前より24名の増である。
この7日間平均を1週間毎に遡って比較すると
直近 46 前週比 206%
1週間前 23 前週比 193%
2週間前 12 前週比 122%
3週間前 10 前週比 87%
4週間前 11 前週比 112%
5週間前 10 前週比 88%
6週間前 11 前週比 73%
7週間前 15 前週比 111%
8週間前 14 前週比 99%
と増加傾向にある。
また、各日の7日間移動平均値を、その1週間前の7日間移動平均値と比較すると
1/3より遡る7日間 前週比 +106%
1/2より遡る7日間 前週比 +88%
1/1より遡る7日間 前週比 +87%
12/31より遡る7日間 前週比 +78%
12/30より遡る7日間 前週比 +73%
12/29より遡る7日間 前週比 +77%
12/28より遡る7日間 前週比 +68%
と増加幅も拡大傾向にある。

検査者数(最新1月1日) : 7日間移動平均では8月下旬には17,000名近くまで上昇した以降は減少し、11月下旬には6,000名を割ったが、直近は6,000名前後で増加傾向にある。陽性率の7日間移動平均は12月7日に0.2%まで下がった後、直近では1.3%とまだ低いながら増加傾向にある。

発症者数(最新1月2日)
発症者グラフは発症日と報告日の時間差があるためグラフに示すように直近の1週間前後の報告数は順次追加されている。このため過去データに準拠して作成した表を利用して補正している(薄色の部分が補正値)。あくまでも参考程度で有り、特に終端に行くほど精度が落ちる。

図1

補正係数表08

補正値は発症日から報告日までの時差の分布を過去のデータから推定しているため、参照時点よりも時差が短ければ予測数は過大となり、時差が長ければ過少となる。このため、補正係数は適宜見直しを行っている。
なお過去の推移では、発症者は5日程遅れて報告日別感染数(経路調査中)に反映されている。
・発症日別の陽性者数は8月10日に3,834名のピークを示した後減少に転じ、11月下旬には10名前後まで下がったが、直近では50名前後に増加しつつある。

実効再生産数
・5月25日前後から上昇し7月下旬の1.6をピークに減少に転じ8月10日前後に1.0を割った。その後9月14日の0.55を底に、10月上旬まで0.6前後を推移した後に上昇を始め、11月初旬に1.0を超えた後に同中旬に一旦は0.8まで下がり、直近では1.0を超えて再び上昇している。これが感染の急増に結びつくかに注視が必要と言える。
 
東京都発熱相談センターにおける相談件数(最新12月30日)
・12月30日は1,357件であった。年末休に入った影響もあるが、大幅な増と言える。
・7日間平均は894件と900件に迫っている。年末休みの影響や季節性の風邪による発熱も考えられるが、これが新型コロナの感染増に結びつくかに注視が必要と言える。

重症者推移

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重症者数は1名と前日と同じ。年代別、男女別の重症者数は下表の通りである。

40代から70代の重症者の推移を下図に示す。

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感染者・死亡者累計

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報告日別の陽性者累積カーブを見ると直近ではほぼ水平になっている。累積の死亡者数もほぼ水平になった。
1月3日付の死亡報告はなかった。報告される死亡者数を1週間単位で見ると、9月18日には136名と年始のピークに匹敵する数まで上がったが、直近の1週間では1名である。

年代別推移

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・全般的に増加傾向にある
・まだ陽性者が少ないため年代間の差異よりは日々の変動の方が大きい。
・1月3日時点の65歳以上の感染数の移動平均は6名である。8月26日に203名と2021年始(265名)の80%近い値に達した後は減少し、12月の上旬には1名まで下がったが、直近は微増傾向にある。
・1月3日の65歳以上の感染数は10名(前日比+5)であった。

グーグルモビリティ(最新12月29日) との相関

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グーグルモビリティに12月29日までのデータが追加された(グーグルモビリティレポートについては
https://support.google.com/covid19-mobility/answer/9824897?hl=ja&ref_topic=9822927
または、2020年10月3日のノート参照)。
・12月第5週(12月26日の週)の人流は、年末に入ったため住居の滞在が増え、乗換駅、職場が大幅に低下している。ただし小売・娯楽に関しては昨年末が大幅減を示したのに対して、むしろ増加している。
・Rtの週間平均は9月19日の週から増加に転じていたが、11月中旬に低下し、直近は再び上昇している。ただしベースとなる発症日別陽性者の数は40名前後であり、また日間の変動も大きく、算出されたRtの信頼性は、まだ高いとは言い難い。

各波との比較

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2020年の5月23日以前を第1波、5月23日から営業時間短縮要請が解除される前日の9月14日までを第2波、9月15日から緊急事態宣言が全面解除される2021年3月21日までを第3波、3月22日から6月16日までを第4波、第5波については明確な終わりが示されていないが、6月17日から仮に11月30日までとし、12月1日以降を第6波として、各期間の感染数・死亡数を年代別に表にまとめ、発症日別陽性者数、重症者数、高齢層の新規発生数(報告日ベース)の各トレンドと併記した。感染者数、死亡数とも少ないため傾向を論じるには至っていないが、今後の推移が中止される。


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