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美味しいオブジェ・装飾写本

装飾写本…。
私が初めて鑑賞したのは、2020年国立西洋美術館で見た<内藤コレクション>。

国立西洋美術館所蔵・内藤コレクションより

美しい✨。
一文字一文字、いにしえの誰かがペンを丁寧に滑らせ、色彩を乗せている姿を想像すると感嘆のため息が漏れるのです。私は絵が下手で 字もキレイに書けないので、この奇跡のようなページに感動するしかないのです。

「装飾写本」とは、多くの場合、宗教的なテクスト写本に装飾頭文字(イニシャル)や装飾的な縁取り、装飾頁(カーペット頁)などの華麗な飾りを付けたもの(Wikipediaより)。

鶴岡真弓 著『ケルト/装飾的思考』によると、デリンジャー氏は『装飾写本ーその歴史と制作』(1970年)の中で、
「写本芸術における装飾の主目的は、挿絵のそれと明らかに異なるものである。装飾はテクストの内容を説明することにより、神に捧げるオブジェとしての写本を視覚的に統一しようとする」
と述べているそうです。

「“視覚的に統一” しようとする」…なるほど。
字が読めない人が写本を開くことはなかったにせよ、言葉を正確に理解できない人も、自分なりの解釈を展開する人も、全ての人を同じ光の下に導こうとしているのですね。

今回はデリンジャー氏がどういう人なのか、鶴岡真弓氏のことも詳しく調べてはいない(すみません)のですが『ケルト/装飾的思考』面白そうです。読んでみたくなりました。

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そして先日、国立西洋美術館のミュージアム・ショップで見つけたのがコチラ。

プレミアムパウンドショコラ

<内藤コレクション>装飾写本のパッケージが美しい✨と手に取ったケーキ=プレミアムパウンドショコラ(焼菓子)。
少々贅沢かな、と思いつつ購入。帰宅していただいたら、なんとも美味しいことか。甘さ控えめのショコラにオレンジピールの上品な味わい。これは、おもたせリストの筆頭にUPしましょう。

ショコラとオレンジピールの組み合わせを考えた人は天才!

かつて写本がBOX状になって、こんなパウンドショコラが入っていたとしたら、
神に捧げるオブジェとしての写本を “味覚的” に統一する
ことさえ可能だったような気がします。

機会があれば是非お試しあれ!

<終わり>

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