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ボッティチェリの魅力

チラシやインターネットで次会期に開催される美術展をチェックして、
× …「これは行かなくてもいいかな」
△ …「機会があれば行きたいなぁ」
◯ …「時間を作って行こう」
◉ …「絶対に行くぞ!」
と 勝手にラベリングしています。
以前は西洋絵画=行く、日本画=行かない。
西洋絵画の中でも、オールドマスター=◉、近現代絵画=◯と単純な傾向がありました。
最近はカテゴリーではなく、感覚的に決めるようにしています。<岡本太郎展>も◉にして大成功でしたからね。

中には、開催予告を見つけた途端に大興奮し、初日が待ちきれなくて予習を始める美術展もあります。
2022年では<メトロポリタン美術館展>がそうでした。
美術雑誌を購入し、出品作品や画家について資料を読んで勉強。結局、東京展の開催を待ちきれずに大阪まで足を運んでしまった始末。ちょっとやりすぎたかなぁ…と思わなくもないですが、後悔などしていません。

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実は今、予習している美術展があります。
それがコチラ。

丸紅ギャラリーが所蔵しているサンドロ・ボッティチェリ『美しきシモネッタ』だけを展示する美術展。一つの作品のみを自信持って展示できるなんて…。素敵です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ『受胎告知』も同じように一作品だけをメインに展示したと、最近知りました。

5年前に突然美術鑑賞に目覚めた私は、それ以前に開催された美術展について、ことある毎に調べています。美術館のHPで「過去の美術展」を見たり、古本屋さんで昔の図録を眺めたり。
<2007年<レオナルド・ダ・ヴィンチ ー 天才の実像>東京国立博物館。
美術館の資料コーナーでこの図録を見つけて興奮しました。

レオナルド・ダ・ヴィンチ『受胎告知』1472-73年頃

レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」(ウフィツィ美術館蔵)が日本初公開されます。「受胎告知」はダ・ヴィンチの数少ない真筆のうちのひとつ。20代の若きダ・ヴィンチが渾身の力を傾けて描いた、天才の出発点ともいえる作品です。このほか、ダ・ヴィンチの残した手稿を元に制作した模型や映像を展示し、芸術から科学に及ぶ万能の天才の創造世界に触れていただく展覧会です。

東京国立博物館HPより

ウフィッツィ美術館(イタリア🇮🇹)に行かなければ逢えない大作が日本で観られたなんて…。タイムマシンがあったら2007年3月の上野に戻りたい!ものです。

ウフィッツィ美術館といえばメディチ家、そしてボッティチェリ。
2014年に開催された<ウフィツィ美術館展>(東京都美術館)には、ボッティチェリの『パラスとケンタウロス』が来日していたのですね。

サンドロ・ボッティチェリ『パラスとケンタウロス』1480-85年頃

ボッティチェリの代表作『春(プリマヴェーラ)』の女神を思わせるこの作品は、かつてのメディチ家のやかたでも『春(プリマヴェーラ)』と並んで飾られていたそうです。ほーーっ💭。

そして2015年2016年とボッティチェリに関する素晴らしい美術展が続けて開催されていたことを知ったのは、私が美術鑑賞に目覚めた2017年より後でした。すでに遅し。。。

2015年<ボッティチェリとルネサンス展>(Bunkamura ザ・ミュージアム)には、ボッティチェリが自宅近くにあった施療院(病院)の回廊にフレスコ画で描いた『受胎告知』が来日!。

サンドロ・ボッティチェリ『受胎告知』1481年

うわーーっ。243 × 555cm の大作を観たかったぁ。。。やわらかな光が降り注ぎ、風が吹いていますね。

翌年2016年には、<ボッティチェリ展>(東京都美術館)って、嘘でしょ⁈、と疑いたくなるボッティチェリ作品の大放出 連続技!。
どうやら「日伊国交樹立150周年記念展覧会」でイタリア🇮🇹政府の協力もあったそうですが、それにしても素晴らしすぎますよ。
展示作品の中で是非とも観たかったのが、
『ラーマ家の東方三博士の礼拝』1475-76年頃
『書斎の聖アウグスティヌス』1480年頃
『聖母子(書物の聖母)』1482-83年頃
『アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)』1494-96年頃。
これら↑は、 画像を投稿するのも贅沢すぎて “もったいない” ので、ここではあえて画像なし!次の機会にしましょう。
そしてこの錚々たる作品群に並んでいたのが、我ら日本に唯一所蔵されている『美しきシモネッタ』、そう。私が現在予習中の作品です。

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12月1日より丸紅ギャラリーで展示される<美しきシモネッタ展>。

サンドロ・ボッティチェリ『美しきシモネッタ』(推定1469-1475年の間)

私ごとですが、2022年の後半は近現代の美術作品と触れることが多くて、ちょっと浮き足立っていました。故郷を離れて都会でフラフラしていた感覚でしょうか。言葉には出していませんでしたが、少し無理をしていたのかも知れません。
<美しきシモネッタ展>のチラシを見つけたとき、じわ〜っと温かいモノが目頭とハートから湧き出てくるようでした。今一度原点に立ち戻りたい!あの心落ち着く空間で自分を見つめ直したい!絶対にシモネッタに逢いに行くぞ!と。

シモネッタと対面できるに値する人物でいられるようにしっかり予習し、そしてシモネッタとの出逢いを誰よりも楽しめるように準備しよう!と思ったわけです。
これまで、この目で観たボッティチェリ作品は ほんの僅かであるのに、私がこれほどまでに彼の作品に惹かれるのはなぜか?。他の画家と何が違うのか?。
「ボッティチェリについて知ることで彼の魅力に迫り、展示室でシモネッタを全身で感じてこよう!」。

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まずは、と。
我が家の本棚から取り出した『ヴァザーリ ルネサンス画人伝』。

コージモ公の衣裳部屋には彼(ボッティチェッリ)の手になる婦人の横顔の絵が二つある。非常に美しい顔だが、その一つがロレンツォの弟のジュリアーノの愛人、他の一つがロレンツォの婦人であるルクレーツィア・デ・トルナブオーニの横顔であるといわれている

『ヴァザーリ   ルネサンス画人伝』訳:平川祐弘

ロレンツォ・メディチ氏の弟「ジュリアーノの愛人」がシモネッタなのですね。この一文を読んだだけでワクワクしてきました。

さらに古本屋さんを回って、2014年2015年2016年のボッティチェッリ大放出の図録3冊を入手しました!やったーぁ!!
ということで予習の成果、そしてシモネッタとの出逢いを投稿できるように頑張ります!

<終わり>

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