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〜印象派の元祖〜

日めくりルーヴル 2020年1月7日(火)
『手袋を持つ男』ティツィアーノ Tiziano Vecellio(1488?-1576)

今朝、カレンダーをめくって「ほーーーっ」とため息が出ました。美しい…。
1520年頃に描かれた男性は、現代に降り立ったとしても惚れ惚れしてしまうほど美しいのです。視線、佇まい、ソファーに乗せた肘、襟元と袖口のフリル、チラリとのぞくペンダント、手袋を持つ指先そして周囲の空気でさえ気品が漂っています。

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ティツィアーノ。ルーヴル美術館では、この作品の他にも『田園の奏楽』を見たはずですが、実はハッキリと覚えていません、情けない💦。

1年半前、まだ画家の名前さえよく知らなかった私は、<プラド美術館展>(2018年2-5月・国立西洋美術館)で『音楽にくつろぐヴーナス』を前にして、「なんとも官能的な!」としばらく見入ってしまいました。470年も前の作品にこんなにドキドキさせられるとは思ってもいませんでした。

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西洋絵画鑑賞 初心者の私にとって、ティツィアーノといえば『ウルビーノのヴィーナス』、そして[色彩のヴェネツィア派]の画家。と知っているのはここまで。
しかも同じ[ヴェネツィア派]の画家ティントレットやヴェロネーゼとゴチャゴチャになって、区別がついていません。
現在 国立西洋美術館<ハプスブルク展>に出展されている[ヴェネツィア派]の作品は、同じスペースに並んで展示されています。
①『青年の肖像』ジョルジョーネ
②『ベネデット・ヴァルキの肖像』ティツィアーノ
③『甲冑をつけた男性の肖像』ティントレット
④『ホロフェルネスの首を持つユディット』ヴェロネーゼ

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どれが誰の作品だか、キャプションに近づいて確認しないと全くわかりませんでした。

この機会に本を読んで頭の中を整理します。
__ティツィアーノは、ヴェネツィア派の祖ベリーニに師事。次いでジョルジョーネの助手となった。 彼の弟子にはティントレット、その同時期にヴェロネーゼがいる__
ということは、[ヴェネツィア派]は、ベリーニ → ジョルジョーネ → ティツィアーノ → そしてティントレットとヴェロネーゼに引き継がれたのですね。

ティツィアーノも『手袋を持つ男』を描いた初期の頃は、ジョルジョーネ同様に穏やかで牧歌的な雰囲気の作品が多い、という記述があったので、作品を見ただけで初心者の私に区別がつかなくても良し、としましょう。

その後、ティツィアーノはどんな題材でもこなせる驚異的な才能を発揮し、[ヴェネツィア派]の黄金時代を築き上げました。そして、
__後期になると、感情を劇的に表現するため、輪郭のあいまいな斑点や荒々しいタッチの印象主義的描法を用いるようになり、ルーベンス、ベラスケス、ドラクロワを経て、印象派まで受け継がれていきます。ティツィアーノこそが、300年以上も早い印象派の元祖__
なのだそうです(有地京子氏監修の「ルーヴル美術館の見かた」より)。

個人的に印象派の元祖はベラスケスかも知れない!と勝手に思っていたので、新発見でした✨(読んだ本にすぐ影響されてしまいます💦)。
手袋をもつ男性の姿を思い浮かべながら、今日も一日頑張るのです‼︎

          <終わり>


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