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画壇の明星・型破りな巨匠 アンリ・マティス

古本屋さんで見つけた1951年〜1954年の月刊誌『国際文化画報』の特集記事【内外 画壇の明星】について投稿しています。

今回は1951年(昭和26年)7月号です。

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【表紙】の美しい女性はどなた?と思って見ると “高峰秀子” とありました。
多くの映画に出演した大女優さんのお名前だけは聞いたことがあったので、Wikipediaを覗いてみました。

子役としてデビューしたあと、歌手・アイドル的人気女優として活躍していた高峰秀子さん。この表紙を撮影した1951年、彼女は新東宝を退社した直後でした。表紙の、とても晴れやかな笑顔が素敵です✨。
所属なし・フリーとなったあとも 数々の映画に出演して大活躍するのですが、そのかたわらで、絵画作品を制作して絵画展に出品しています。
そこで知り合って交流を深めたのが画家の梅原龍三郎氏。彼は高峰秀子さんをモデルにした多くの肖像画を制作しました。その最初の作品は東京国立近代美術館に、ほか7点の肖像画は世田谷美術館に寄贈したとか。。。
今度 梅原氏が描いた高峰秀子さんの肖像画を探してみることにします!

1979年(55歳頃⁈)に女優を引退してからエッセイストとして活躍、ヘビースモーカーの彼女は、2010年86歳に肺がんで亡くなったそうです。そういえば彼女の訃報を耳にした私の母がそのことを話題にして悲しんでいたことを思い出しました。

さまざまなエピソードを読んでいると、どうやら彼女は 幅広い交友関係を持ち、思ったことをはっきり口にし、前例にとらわれず好きなことを平然とやってのけた “型破り” な女性。素敵です✨。
彼女のエッセイ本が読んでみたくなりました。

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さて【内外 画壇の明星】第3回は アンリ・マティス(1869-1954年🇫🇷)、その紹介文がこちらです。

アンリ・マチスは近代フランス画壇に於ける屈指の生きている巨匠である。氏の画風は好き嫌いの両端によって批判されるが、その藝術的創造は、線にも色にも理性の究極の目的が示されていて、証明し説明する繪と如何なる場合も混同される事はない「私の作品を異様に感じる人は、その人が未だ私の画に馴れていないためである」とマチスは言っている。

1951年には81歳でご存命だったマティス。当時 彼の作品が相当 “型破り” であったことが文章から伝わります。

1951年3月より6月には駐日フランス代表國の協賛を得て国立博物館と讀賣新聞社が主催し、マチス自らの監修による『マチス展覧會』が催された。日本美術界の大いなる収穫である。

おおーっ。そういえば、前回投稿した1951年6月号の【今月のアルバム】コーナーにその『マチス展覧會』の記事が掲載されていました!

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心臓発作のため1954年11月3日 84歳で亡くなったマティスが、1951年に自ら監修した美術展を日本で開催⁈。夢のようですね。背景となっているマティス作品のパネルが素敵✨。
その美術展に現れた吉田茂首相(当時)。その帽子姿からボルサリーノ帽を被った2021年を生きるお孫さん・麻生太郎氏を思い出しました。お二人に流れる “型破り” 感、嫌いではありません(笑)。

1951年に存命だった画家には、ポロック(1956年没)、ブラマンク(1958年没)、ブラック(1963年没)、コルビュジェ(1965年没)、ロスコ(1970年没)、ピカソ(1973年没)、シャガール(1985年没)、ダリ(1989年没)…。
わおーーっ “型破り” な方々。ワクワクする時代だったのですね。

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今回もう一つご紹介したいのが【特集】「Miss の行方は⁈」という記事。

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華やかな宣伝にのって、衆人の羨望をあつめ、星のように光り、太陽のように輝き、シャボン玉のように消える。
ミスの行方はいずく?幸福な結婚?憧れの銀幕?
さては『オゝミステーク』?

アメリカで登場したばかりのミス「コンテスト」達をピックアップしています。
ミス「カレンダー」、ミス「りんご」、ミス「ボート」、ミス「ねまき」、ミス「靴磨き」⁈(笑)。

ここは純粋に楽しみたいところではありますが、
20世紀後半の日本はアメリカに憧れ、アメリカの後を追って行くのだなぁ…とこの記事を感慨深く読んだのでありまする。

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いやぁー、1951年7月号も楽しめました!。

高峰秀子さんの “型破り” な生き方、憧れます。そんな生き方をするためには、周囲の雑音に惑わされない、ブレない軸を持つことが必要ですね。
高峰秀子さん(改め松山秀子さん)のエッセイを読んで学ぶことにしましょう。

実は先日、2004年に開催された<アンリ・マティス展>(国立西洋美術館)の図録を古本屋さんで見つけて購入しているのです✌️。
まだまだ勉強不足の近代・現代美術ですが、まずはマティスからスタートするのもいいかも知れませんね。
頑張ります!

<終わり>

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