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勝手に愉しむ❗️<その13> 〜ゴーガンは強引⁈ 〜

The NATIONAL GALLERY, LONDON  
   <ロンドン・ナショナル・ギャラリー展> 

開催が延期されている<ロンドン・ナショナル・ギャラリー展>。
入手できる情報をもとに予習しながら一人で勝手に愉しんでいます!

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【第7章 イギリスにおけるフランス近代美術受容】④
 ー French Modern Art in Britain ー

第7章は連想ゲーム風に スーラが模写したアングル → アングルを尊敬していたドガ … と進めています。
今回は、アングル とドガ のことが大好きだった  ゴーガンです。

ゴーガンについて知っていることは、アルルで2ヶ月間 ゴッホと共同生活を送ったこと、タヒチに渡り ‘南国風’ の作品を制作したこと、ぐらい…。今回少し勉強しました。
ポール・ゴーガン(1848−1903年)は、幼少期をペルーで過ごした後 10代から商船に乗り世界の海を渡りました。20代前半で株の仲買人として大成功、五人の子供に恵まれています。
美術作品をコレクションする → 画塾に通い始める → 趣味で絵を描く、そして30代半ばで画業に専念するという変わった経歴の持ち主なのですね。

私自身 全く絵が描けないので、どうしても “正統に” 描かれた絵(=写実的に描く技術)をみて「上手い!凄い!」と思える作家が好きでした。
美術鑑賞を始めてまだ3年弱ですが、いろいろな作家の作品をできるだけ多く見て、本を読んで … 。最近 少しずつ “好き” の幅が広がってきています。
しかしゴーガンの本当の良さはまだ理解できていません。「なごむ」「あじがある」と思える作品はあるのですが…まだまだ🌀。

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さて 今回取り上げるのは、ゴーガンが影響を受けた画家たち。
作家が 誰かの作品にインスピレーションを受けて制作することは当然であり、そのようにして自分の作風を確立していくものだと思います。模写、オマージュ、引用、変奏…。
ゴーガンの場合はとても分かりやすかったようです。

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(左)アングル『ヴァルパンソンの浴女』(1808年)
(右)ゴーガン『ヴァヒネ・ノ・テ・ミティ』(1892年)
アングルの描いた女性の背中に魅せられたゴーガンが、タヒチの女性の背中を借りて写し出してみました!…とも思えます。

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(上)ドガ『花のある花瓶に寄りかかる夫人』(1865年)
(下)ゴーガン『椅子の上のヒマワリ』(1901年)
ゴーガンは日本の浮世絵にも大きな影響を受けており、例えば『北斎漫画』から取ったポーズなども描いているのですが、この作品の大胆な構図はドガ作品を直接引用している気がします。

ゴーガンは他にも多くの画家の作品写真、挿絵、模写やノートを持ってタヒチへ渡っていたそうです。マネの『オランピア』をはじめ ボッティチェッリ、ホルバイン、デューラー、ドラクロワ…。そしてその影響を受けたと思われる作品が多く残されています。
また同じく持参していたのが 古代エジプト壁画の写真や、ポロブドゥール寺院のレリーフ写真。これらに見られるポーズ、群像表現や動物の描き方などが ゴーガンの作品にときどき登場しています。引用かしら?…あらま。

彼がタヒチに渡った頃 そこはすでに西欧化が進んでいたそうです。
しかし パリから持ち込んだ写真や模写を 南国の主題にかけ合わせて、自分が理想とした「原始的」で「野蛮な」楽園として描き切る強引さ!そして 次々と傑作を生み出したゴーガン。嫌いじゃないです☺️
(私の展開する「画家・連想ゲーム」も少し強引です。お許しください)

<ご注意>
私の知識と理解が浅いため、今回はゴーガンのほんの一面しか書けていません。クロワゾニスムという描写理論や総合主義という表現で ポン・タヴェン派のリーダー的存在となり、ナビ派など熱狂的な支持者も多いゴーガン。 ← 詳しいことはまた次の機会に勉強することにします💦。

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さて 今回来日した作品はコチラです。
◉出展番号「59」ポール・ゴーガン『花瓶の花』(1896年)

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ゴーガンは自らの作品を“象徴主義的総合主義”と呼んだそうです。
「ゴーガンさん!目に見える 色だけ、線だけにこだわるのではなく、精神的な内なる世界をも総合的に感じれば良いのですね!」
この作品、何かを感じ取れる気がします。嫌いじゃないです☺️

さて第7章には、
◉出展番号「53」アンリ・ファンタン=ラトゥール『ばらの籠』(1890年)
◉出展番号「58」フィンセント・ファン・ゴッホ『ひまわり』(1888年)
が展示されています。それぞれの描く花を比べてみるのも楽しいですね。

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         <その13・終わり>

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