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美術展

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美術展に行った感想、気になった作品や作家について書いています。
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#自然と人のダイアローグ展

画家の見た景色と鑑賞者の観る景色<B面>

(冒頭の写真は、左からセザンヌ、ドラン、モンドリアン、クレー) <自然と人のダイアローグ展>第3章〜光の建築〜を、 前回とは違う角度から <B面>として投稿しよう! …と8月、31日間ずっとnoteの下書き画面と向き合っていました。 きっかけは、6月18日(土)に国立西洋美術館の田中館長の講演会「20世紀美術における自然」〜セザンヌとセザニスムから〜を視聴したとき、 今までその存在すら疑っていた 私の体の中にある、 “20世紀絵画を「知りたい!」スイッチ” を押してもらっ

画家の見た景色と鑑賞者の観る景色<A面>

<自然と人のダイアローグ展>第3章は〜「光の建築」The Architecture of Light〜。 第1章、第2章とは全く違う世界が広がっていました。 (冒頭の写真は左から セザンヌ、ホドラー、シニャック) 常設展で何度も観てきたセザンヌ(画像・左)からスタートです!。 島展示というのでしょうか、展示室内の空間を遮るようにポツンと置かれた黄色い壁に 来日したもう一つのセザンヌ(画像・右)。視線を不規則に移動させることによって鑑賞する側もリズムを感じることができます。

第2章 未知の風景を探求すべし!

<自然と人のダイアローグ展> 第2章のテーマは「彼方への旅」。 いつも、展示会場に設置された “見どころ” パネルはあまり読み込まないようにしています。今回も 斜め読みして自分流にざっと把握。 「第2章では、画家の心象や観念に結びついた自然風景を求めて、現在・過去・未来、そして現実・空想・物語の中へ旅をしてみましょう!」 ふむふむ。 私がまだよく知らない画家たちの作品も楽しみたいと思います。 (冒頭の画像は、左からフリードリヒ、ドレ、ベックリーン、モロー) ********

第1章 コローがつなぐ自然と時間

《自然と人のダイアローグ展》は、まだスタートの12作品しか投稿できていません。今回の投稿で第1章を終わらせたいと思っています。 (写真は、左からコロー、ルノワール、モネ、リヒター) ******************** 第1章の展示会場は、モネからカミーユ・コローへと続いていました。 コローの風景画をみると、いつも不思議な気持ちになります。足元がふわふわして幻想の世界に引き込まれるような感覚というのでしょうか。 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-187

第1章 ブーダンからモネへ 流れる時間

作品の細部にとらわれ過ぎず、 カンヴァスに「描かれている自然を全身で感じる」こと 「画家と自然の対話を感じ取る」こと それを通じて私自身が「自然と向き合う」こと を目標にして臨んだ 《自然と人のダイアローグ展》。 美術展は、19世紀・風景画家ブーダンの描いた海辺で幕を開けました。 私がはじめてウジェーヌ・ブーダンを知ったのは埼玉県立近代美術館の常設展。 まだ十代のクロード・モネに戸外で制作をすることを勧めた師匠として、ブーダン『ノルマンディーの風景』、モネ『ルエルの眺め』